市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還請求の住民訴訟で12.23に棄却判決!

2021-01-22 22:59:00 | 政治とカネ
■参院選をめぐる買収事件で1月21日に有罪判決が言い渡された河井案里被告(47)は、失職する可能性が濃厚となりました。控訴せずに刑が確定すると直ちに当選が無効となりますが、このほかにも、地元の広島で、公選法違反(買収)罪に問われた立道浩・公設第2秘書(55)の昨年6月16日の有罪判決(懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月))言渡とその後の判決確定に伴い、連座制適用を求める行政訴訟も、広島高検により昨年12月21日に広島地裁に起こされており、検察側が勝訴すれば、自身の判決にかかわらず失職することになります。

連座制で当選無効になった南波和憲元県議の選挙公営費の返還無用判決を下した前橋地裁。なお撮影は2020年12月16日。
 このように公選法に違反すると当選しても「当選無効」となります。公正な選挙でルール違反をしたのですから、当然のことです。しかし、この当選無効の定義が曖昧です。

■筆者は、当選無効の定義は、当然得票数がゼロと同義であると考えています。なぜなら、ルールを守らずに得票したのですから、その得票は無効であり、したがって当選無効という結果につながるわけです。そうでなければ、ルールを順守した他の候補者に対して不公平だからです。

 しかし、実際はどうなのでしょう。「当選無効」について、自論を確認するために、ちょうどよいケーススタディとなる事件が、昨年4月に県内で投開票が行われた統一地方選挙の県議会選挙で起きました。

■公営選挙費用を使って2019年4月7日投開票の県議選に当選した自民党の南波和憲県議は、その1カ月半後の5月24日に突然自ら辞職しました。その理由が、県議選で夫の当選後、妻が運動員9名に1箱6千円相当の和菓子を配り、報酬として8名に計80万円現金を渡そうとした(受け取った方があとで返還したと主張)というもので、妻は2019年6月21日に群馬県警に書類送検され、前橋地裁が同年9月6日、懲役1年、執行猶予4年(求刑懲役1年)の判決を言い渡し、有罪が確定したため、同年12月18日に、夫の南波和憲に対する連座制適用に基づく群馬県議選への立候補を今後5年禁止する判決が、東京高裁で言い渡されました。

 このため、当会は12月23日、群馬県監査委員に対して、群馬県選挙委員会が南波和憲のために支出した選挙公営費を本人から返還させるよう求める住民監査請求を行ったところ、県監査委員らは2020年2月18日に棄却通知を出しました。そこで、選挙違反で連座制により当選無効が裁判所から宣告されたのですから、公平・公正な選挙の実施のために投入された血税による選挙公営費は回収されて損害を回避するのが妥当だと考えて、同3月19日に前橋地裁に訴状を提出し、3回の口頭弁論を経て、2020年12月16日に判決言渡しが行われる予定でした。

■ところが、ドタキャンで急遽12月16日は、原告の訴訟適格についての嘱託調査を行った事実が弁論調書に不記載だった為、その旨を確認するための第4回口頭弁論に切り替わり、判決が1週間後の12月23日とされ、判決当日を迎えました。

 この事件に関する当会のブログ記事は次のとおりですので、ご参照ください。
○2019年7月24日:妻が公選法違反で起訴!・・・4.7県議選で南波前県議が血税で使った選挙公営費用158万円の落とし前
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2989.html
○2019年8月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・4.7県議選後5月に辞任の南波前県議の妻に求刑1年
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3008.html
○2019年9月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・妻が執行猶予付き有罪判決を受けた南波元県議が一時県議会臨時議長に!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3034.html
○2019年12月24日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議・・・200万円余の選挙公営費の返還を求め住民監査請求!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3095.html
○2020年2月22日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還の住民監査請求を県監査委員が棄却!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3121.html
○2020年3月20日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還請求のための住民訴訟を提起!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3139.html
○2020年9月21日:連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還請求の住民訴訟9.30第1回弁論を前に県から答弁書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3209.html
○2020年12月21日:連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還請求の住民訴訟の12.16判決がドタキャンで1週間先送り!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3256.html

■当日は、午前10時10分前に地裁に着き、さっそく1階ロビーに貼ってある開廷表をチェックしたところ、午後1時10分から4件の事件の弁論が予定されていました。

*****開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
令和2年12月23日 水曜日
●開始/終了/予定:10:00/弁論
○事件番号/事件名:令和元年(行ウ)第23号、令和2年(行ウ)第14号/登記抹消請求事件、独立当事者参加申出事件
○当事者:大日方墓地管理組合 外/国 外
○代理人:     -         /栗本博之
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 浅川浩輝
             書記官 橋本勇一
●開始/終了/予定:10:20/第1回弁論
○事件番号/事件名:令和2年(ワ)第465号/損害賠償等請求事件
○当事者:株式会社スタイルプランニング/吉井友哉
○代理人:池末登志博/中村信行
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 谷山暢宏
             書記官 橋本勇一
●開始/終了/予定:10:25/第1回弁論
○事件番号/事件名:令和2年(ワ)第466号/損害賠償等請求事件
○当事者:株式会社スタイルプランニング/勅使川原厚
○代理人:池末登志博/中村信行
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 谷山暢宏
             書記官 橋本勇一
●開始/終了/予定:10:30/11:00/第1回弁論
○事件番号/事件名:令和2年(レ)第26号/貸金請求控訴事件
○当事者:本郷澄枝 外/高橋敏之
○代理人:   -   /石橋克郎
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 谷山暢宏
             書記官 橋本勇一
●開始/終了/予定:13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名:令和2年(行ウ)第3号/選挙公営費不正支払損害賠償請求事件
○当事者:小川賢/群馬県知事 山本一太
○代理人:-  /関夕三郎
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 浅川浩輝
             書記官 橋本勇一

●開始/終了/予定:13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名:令和2年(レ)第20号/損害賠償請求控訴事件
○当事者:佐藤泰山/大日向墓地管理組合
○代理人:  -  /   -
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 浅川浩輝
             書記官 橋本勇一
●開始/終了/予定:13:10/17:00/弁論(本人及び証人尋問)
○事件番号/事件名:平成30年(行ウ)第18号/療養補償給付等不支給処分取消請求事件
○当事者:杉山英司/国
○代理人:池末登志博/島崎伸夫
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 浅川浩輝
             書記官 橋本勇一
             書記官 橋本勇一
**********

■このように午後1時10分から第21号法廷で3件の事件の弁論が行われる予定になっていました。午後1時過ぎにドアのカギが開けられ、3件の関係者がぞろぞろと入っていきました。

 それに先立ち、当会の担当者が午後1時10分くらい前に第21号法廷に着くと、当会の会員の佐藤氏が居ました。上記の開廷表を見ると、まさに本日10時に補助参加した裁判があり、午後1時10分の事件は、土地区画整理事業を巡る墓地の所有権を巡り組合を相手取って係争してきた控訴事件の判決言渡しだと言うことでした。

 とりあえず出頭カードに氏名を書いて待機していると、間もなく他の事件の関係者もやって来ましたが、本件事件の被告群馬県の訴訟代理人や、いつもは公務をさぼって傍聴に来ている群馬県職員の姿はなく、書記官に声を掛けられて、開廷5分前に法廷に入りました。

■定刻になり渡辺裁判長が陪席の杉浦裁判官と浅川裁判官を率いて入廷してきました。そして、本件の事件番号が書記官に読み上げられると、渡辺裁判長が口を開きました。

「主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。」

 いつも聞き慣れた判決文です。そそくさと法廷から傍聴席に異動し、最前列で次の佐藤氏の控訴事件の判決を聞きました。佐藤氏の控訴事件の判決も「主文 1 控訴人の請求をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。」でした。

 そのあと、3件目の事件がすぐに開始されたので、書記官がそのまま法廷に留まっていたことから、しばらく佐藤氏と二人で3件目の傍聴をしていました。会社における女性上司によるパワハラ事件でした。

 通常は男性上司によるパワハラ事件がもっぱらですが、部下が女性上司のパワハラを訴えたことから、最近の世相を表すような裁判で、思わず長居をしてしまいました。このままもう少し傍聴していたかったのですが、佐藤氏に促されて証人尋問の合間を見計らって退室し、3階の地裁民事第1部の書記官室に行き、判決文を受け取りました。

 担当書記官が法廷で執務中でも同僚が、原告、被告用の判決文を用意していて、受領書にサインと押印をすると、すぐに手渡されました。

■受領した判決文は次のとおりです。

*****判決文*****ZIP ⇒ 20201223.zip
<1>
令和2年12月23日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 橋本勇一
令和2年(行ウ)第3号 選挙公営費不正支払損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 令和2年12月16日
             判         決
   群馬県安中市野殿980
       原       告    小  川     賢
   前橋市大手町一丁目1番1号
       被       告    群 馬 県 知 事
                    山  本  一  太
       同訴訟代理人弁護士    関     夕 三 郎
       被告指定代理人      笠  木  淳  司
       同            清  水  直  之
       同            千  明  祐  介
       同            中  澤  優  友
             主         文
     1 原告の請求をいずれも棄却する。
     2 訴訟費用は原告の負担とする。
             事 実 及 び 理 由
第1 請求
 1 被告は,南波和憲に対し,207万6293円及びこれに対する平成31年4月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
 2 被告は,浦部賢徳に対し,207万6293円及びこれに対する平成31年4月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
第2 事案の概要
   本件は,群馬県民である原告が,平成31年4月7日に行われた群馬県議会議員選挙(以下「本件選挙」という。)において当選した後,親族の公職選挙

<2>
法(以下「法」という。)違反により連座制の適用を受けた南波和憲(以下「和憲」という。)に対して群馬県選挙管理委員会が選挙公営費合計207万6293円を支給したのは違法である旨を主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,県の執行機関である被告に対し,①和憲に対して不当利得返還請求権に基づき 207万6293円及びこれに対する本件選挙の日である平成31年4月7日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金を,②群馬県選挙管理委員会書記長である浦部賢徳(以下「浦部」という。)に対して不法行為による損害賠償請求権に基づき207万6293円及びこれに対する本件選挙の日である平成31年4月7日から支払済みまで上記同様の割合による遅延損害金をそれぞれ請求するように求めた事案である。
 1 関係法令の定め
  (1) 権限に関する定め
群馬県財務規則(令和元年規則第18号による改正前のもの。乙1)3条1項には,群馬県知事は,群馬県選挙管理委員会書記長に対し, 群馬県選挙管理委員会において処理する事務に係る契約に関すること,歳入の調定に関すること,支出負担行為及び支出命令に関すること,歳計外現金(職員の給与に係る法定控除金を除く。)の管理に関すること,物品の管理及び処分に関すること,寄附物品(負担付のものを除く。)の取得に関すること,並びに債権の管理に関することの権限を委任する旨の定めがある。
  (2) 選挙公営に関する定め
   ア 選挙運動用自動車の使用に関する定め
    (ア) 法141条7項本文は,衆議院(小選挙区選出)議員又は参議院議員の選挙においては,公職の候補者は,政令で定めるところにより,政令で定める額の範囲内で,同条1項の自動車を無料で使用することができる旨を,同条8項は,都道府県の議会の議員又は長の選挙について,都

<3>
道府県は,市の議会の議員又は長の選挙について,市は,それぞれ,前項の規定に準じて,条例で定めるところにより,公職の候補者の自動車の使用について,無料とすることができる旨をそれぞれ定める。
    (イ) 群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙用自動車の使用等の公営に関する条例(乙2。以下「本件条例」という。)2条は,群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における候補者は,当該候補者に係る供託物が法93条1項(同条2項において準用する場合も含む。)の規定により群馬県に帰属することとならない場合に限り,本件条例6条に定める額の範囲内で選挙運動用自動車を無料で使用することができる旨を定める。
   イ 選挙運動用通常葉書及びビラの使用に関する定め
    (ア) 法142条1項4号は,都道府県の議会の議員の選挙にあっては,候補者一人について,通常葉書8000枚,当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ1万6000枚のほかは頒布することができない旨を,同条5項は同条1項の通常葉書は無料とする旨を,同条11項は,都道府県の議会の鏃員又は長の選挙について,都道府県は,条例で定めるところにより, 同条1項4号のビラの作成について,無料とすることができる旨をそれぞれ定める。
    (イ) 本件条例11条は,群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における候補者は,当該候補者に係る供託物が法93条1項(同条2項において準用する場合も含む。)の規定により群馬県に帰属することとならない場合に限り,本件条例14条に定める額の範囲内で法142条1項4号のビラを無料で作成することができる旨を定める。
   ウ 選挙運動用ポスターに関する定め
    (ア) 法143条15項は,都道府県の議会の議員及び長の選挙について,都道府県は,条例で定めるところにより,候補者の同条1項5号のポス

<4>
ターの作成について,無料とすることができる旨を定める。
    (イ) 本件条例7条は,群馬県議会諧員及び群馬県知事の選挙における候補者は,当該候補者に係る供託物が法93条1項(同条2項において準用する場合も含む。)の規定により群馬県に帰属することとならない場合に限り,本件条例10条に定める額の範囲内で法143条1項5号のポスターを無料で作成することができる旨を定める。
  (3) 供託物没収に関する定め
    法93条1項本文には,候補者の得票数が,その選挙において,次の各号の区分による数に達しないときは,前条1項の供託物は,都道府県の議会の議員又は長の選挙にあっては当該都道府県に帰属する旨の定めがあり,同項3号は,都道府県又は市の議会の議員の選挙に係る同項本文の得票数について,当該選挙区内の鏃員の定数(選挙区がないときは,議員の定数)をもって有効投票の総数を除して得た数の10分の1とする旨を定める。
    同条2項は,前項の規定について,同項に規定する公職の候補者の届出が取り下げられ,又は公職の候補者が当該候補者たることを辞した場合及び前項に規定する公職の侯補者の届出が法86条9項又は86条の4第9項の規定により却下された場合に,準用する旨を定める。
  (4) 連座制に関する定め
   ア 法251条の2第1項は,同項各号に掲げる者が法221条,222条,223条又は223条の2の罪を犯し刑に処せられたとき(法251条の2第1項4号及び5号に掲げる者については,これらの罪を犯し禁錮以上の刑に処せられたとき)は,当該公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(以下「公職の候補者等」という。)であった者の当選は無効とし,かつ,これらの者は,法251条の5に規定する時から5年間,当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは,選挙の行われる区域)において 行われる当該公職に係る選挙において公職の候補者となり,又は公職の候

<6>
補者であることができない旨を定める。そして,法251条の2第1項4号は,公職の侯補者等の父母,配偶者,子又は兄弟姉妹で当該公職の侯補者等又は同項1号若しくは前号に掲げる者と意思を通じて選挙運動をしたものと定める。
   イ 法251条の5は,前3条の規定による当選無効及び立候補の禁止の効果は,法210条1項の規定による訴訟についての原告敗訴の判決(訴状を却下する命令を含む。)が確定した時,当該訴訟を提起しないで同項に規定する出訴期間が経過した時若しくは当該訴訟についての訴えの取下げがあった時又は同条2項若しくは法211条の規定による訴訟についての原告勝訴の判決が確定した時において,それぞれ生ずるものとする旨を定める。
   ウ 法211条1項本文は,法251条の2第1項各号に掲げる者又は法251条の3第1項に規定する組織的選挙運動管理者等が法221条,222条,223条又は223条の2の罪を犯し刑に処せられたため,251条の2第1項又は251条の3第1項の規定により公職の候補者等であった者の当該選挙における当選が無効であり,当該公職の候補者等であった者が当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは,選挙の行われる区域)において行われる当該公職に係る選挙において公職の候補者となり若しくは公職の候補者であることができず,又は当該公職の候補者等であった者で衆議院(小選挙区選出)議員の選挙における候補者であったものの当該選挙と同時に行われた衆議院(比例代表選出)議員の選挙における当選が無効であると認める検察官は,前条に規定する場合を除くほか,当該公職の候補者等であった者を被告とし,その裁判確定の日から30日以内に,高等裁判所に訴訟を提起しなければならない旨を定める。
 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに後掲各証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実)

<6>
  (1) 当事者等
   ア 原告は,群馬県の住民である。
   イ 被告は,群馬県の執行機関である。
   ウ 浦部は,本件選挙当時の群馬県選挙管理委員会書記長である。(乙5)5)
   エ 和憲は,本件選挙により,群馬県議会議員に当選した後,辞職した者で ある。
  (2) 事実経過
   ア 本件選挙は,平成31年3月29日に告示され,同年4月7日に行われた。(甲3)
   イ 和憲は,本件選挙の際,吾妻郡選挙区で立候補し,9807票を獲得して当選した。なお,本件選挙における吾妻郡選挙区での法93条1項3号に係る票数は1501.850票であった。(乙4)
   ウ 群馬県選挙管理委員会は,令和元年5月9日,日本郵便株式会社から本件選挙に係る選挙運動用通常葉書の郵送料金2676万5834円の請求を受けた。 (甲3)
   工 群馬県選挙管理委員会は,令和元年5月21日,以下のとおり,和憲の本件選挙の選挙運動に係る選挙公営費の請求を受けた。
    (ア) 選挙用自動車の使用
     a  株式会社八洲(自動車の借入れ)   13万7700円
     b  吾妻総業株式会社(燃料供給)     5万6781円
     c  運転手               11万2500円
    (イ) 選挙用ピラの作成
      宮下印刷所              12万0160円
    (ウ) 選挙用ポスターの作成
      宮下印刷所              11万3152円(甲3ないし8)

<6>
   オ 和憲は,令和元年5月24日,群馬県議会議員を辞職した。
   力 群馬県選挙管理委員会は,令和元年5月27日,日本郵便株式会社に対し,本件選挙に係る選挙運動用通常葉書の郵送料金として2676万5834円を支払った(以下,本件選挙に係る選挙運動用通常葉書の郵送料金の支払のうち,和憲の選挙運動に係る選挙運動用通常葉書の郵送料金部分 の支払を「本件支払1」という。)。(甲3)
   キ 群馬県選挙管理委員会は,令和元年6月12日,株式会社八洲に対して自動車の借入費用として13万7700円,吾妻総業株式会社に対して燃料供給の費用として5万6781円,上記エ(ア)c の運転手に対して報酬として11万2500円,宮下印刷所に対して選挙用ビラ及び選挙用ポスター作成費用として合計127万3312円をそれぞれ支払った(以下,「本件支払2」といい,本件支払1と併せて「本件各支払」という。)。(甲3ないし8)
   ク 和憲の妻である南波久美子(以下「久美子」という。)は,令和元年7月22日,法221条1項1号,3号違反として前橋地方裁判所に在宅起訴された。
   ケ 久美子は,令和元年9月6日,前橋地方裁判所から法221条1項1号,3号に該当する罪により懲役1年執行猶予4年の判決を受け,同判決は,同月21日に確定した。(甲3)
   コ 東京高等検察庁検察官は,令和元年10月11日,東京高等裁判所に対し,法211条1項本文に基づき,和憲を被告として,立候補禁止を求める旨の訴えを提起した。(甲3)
   サ 東京高等裁判所は,令和元年12月18日,和憲に対し,判決確定日から5年間は群馬県識 会議員選挙の公職の候補者等であることができない旨の判決をした(以下「本件連座判決」という。)。
   シ 本件連座判決は,令和2年1月7日に確定した。

<7>
  (3) 本件訴えに至る経緯
   ア 原告は,令和元年 I 2 月 2 4 日, 群馬県監査委員に対し, 群馬県選挙管理委員会に対して, 和憲の選挙運動に係る選挙公営費 2 0 7 万 6 2 9 3 円について,和憲から返還させる等,群馬県の被った損害を補填するための
5 措置をとるように求める旨の監査請求をした。(甲1,2)
   イ 群馬県監査委員は,令和2年2月17日,上記アの監査請求について理由がないとして棄却する旨の裁決をし,原告は,同月18日,監査請求結果の通知を受領した。(甲3, 調査嘱託の結果)
   ウ 原告は,令和2年3月19日,本件訴えを提起した。
 3 争点
  (1) 本件各支払が違法か(争点1)
  (2) 浦部の本件各支払に係る損害賠償責任の有無(争点2)
  (3) 群馬県の損失又は損害の額(争点3)
 4 争点に対する当事者の主張
  (1) 争点1(本件各支払が違法か)
   ア 原告の主張
    (ア) 選挙公営制度は金のかからない選挙の実現と候補者間の選挙運動の機会均等を図るための手段である。
      金のかからない選挙の実現のため,法を守って選挙運動を真摯に展開した侯補者が,法93条1項 3 号に係る票数に満たないことを理由に選挙公営が適用されず選挙費用を自己負担させられるのに対し,法を破って買収行為をした候補者や候補者の総括主宰者等が買収行為をしたために連座制が適用されて当選が無効になった候補者に選挙公営が適用されることは,他の候補者との機会均等を図る選挙公営制度の運用上不適切である。
      そのため,そもそも,違法である買収行為をするなどの金銭的に余裕

<9>
がある侯補者の場合,選挙公営制度の適用外にあると考えるのが妥当である。
    (イ) 本件連座判決の確定により,和憲は本件選挙につき,当選無効となり, 当然に得票数は0票とみなされることになる。そのため,和憲の本件選挙に係る得票数は,法93条1項3号に係る票数に満たないことから選挙公営の適用外となる。
      それにもかかわらず,群馬県選挙管理委員会は,和憲の選挙運動に係る選挙公営費を本件各支払として支出しており違法である。
   イ 被告の主張
     連座制は,当選を無効とすることはあっても,有権者の投票の効力を無効とする効力はないから,本件選挙に係る和憲の得票数が本件連座判決により0 票とみなされることはない。
     その他,和憲について選挙公営費の支出が認められない事情はない。
  (2) 争点2(浦部の本件各支払に係る損害賠償責任の有無)
   ア 原告の主張
     群馬県選挙管理委員会は,令和元年5月24日時点で和憲が群馬県議会議員を辞職し,公職選挙法違反の疑いで群馬県警察から任意で事情聴取を受けていることを承知していたにも関わらず,和憲に対する事情聴取もしないまま,同月27日には本件支払1を,同年6月12日には本件支払2をしている。このことは,公正・公平かつ適正に行われなければならない 選挙を管理する立場の群馬県選挙管理委員会が重大な過失を犯したことを示す事実である。
   イ 被告の主張
     争う。
  (3) 争点3(群馬県の損失又は損害の額)
   ア 原告の主張

<10>
     本件各支払の合計額である 207万6293円が群馬県の損失又は損害となる。
     なお,選挙運動用通常葉書の郵送料金について,和憲は,県議会議員選挙における使用上限枚数である8000枚を使用したと推測されるため,本件支払1の支払額は49万6000円(1枚当たり62円×8000枚)である。
   イ 被告の主張
     否認ないし争う。
第3 当裁判所の判断
 1 争点1(本件各支払が違法か)について
  (1) 前記第2の2(2)イのとおり,和憲は,本件選挙の際,法93条1項3号に係る票数である1051.850票を上回る9807票を獲得して当選しており,選挙公営費の支出対象者であると認められることからすると,本件各支払は適法にされたものと認めるのが相当である。
  (2) これに対し,原告は,法を破って買収行為をした侯補者や候補者の総括主宰者等が買収行為をしたために連座制が適用されて当選が無効になった候補者に選挙公営が適用されることは,他の侯補者との機会均等を図る選挙公営 制度の運用上不適切であるから,違法である買収行為をするなどの金銭的に余裕がある候補者については,選挙公営制度の適用外である旨を主張する。
    しかしながら,前記第2の1(2)アないしウのとおり,法は,いわゆる選挙公営制度について,選挙運動に係る一定の費目についてこれを採用し,都道府県の鏃会の議員及び長の選挙についてはその具体的な内容等を条例に委任しているところ,法及び法の委任を受けて制定された本件条例のいずれにも,法に反する行為があった場合に選挙公営を適用しない旨の定めが存在しないことからすると,買収行為等の法に違反する行為をした候補者や総括主宰者等が買収行為をしたため連座制が適用されて当選が無効になった候補者に対

<11>
する選挙公営の適用を否定すべき法令上の根拠はなく,原告の主張は理由がない。
  (3) また,原告は,本件連座判決の確定により本件選挙に係る和憲の得票数が0票とみなされ,その結果,和憲の本件選挙に係る得票数は,法93条1項3号に係る票数に満たないことから選挙公営の適用外となる旨を主張する。
    しかしながら,前記第2の1(4)アのとおり,法251条の2第1項は,連座制が適用された場合の効果として,公職の候補者等の当選の無効,及び一定期間にわたる当該選挙に係るー選挙区(選挙区がないときは,選挙の行われる区域)における立侯補の禁止を定めているにすぎず,連座制が適用される原因となった行為がされた選挙に係る当該公職の候補者等に対する有権者の投票を無効とする効力を定めるものではないことからすると,本件連座判決により,和憲の得票数が0票とみなされることはないと解するのが相当であり,原告の主張は理由がない。
 2 争点2(浦部の本件各支払に係る損害賠償責任の有無)について
   原告は,群馬県選挙管理委員会が重大な過失により本件各支払をした旨を主張するが,上記1(1)のとおり,本件各支払が適法であることからすると,原告の主張は理由がない。
 3 結論
   以上によれば,その余の争点につき判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条, 民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。

    前橋地方裁判所民事第1部

<12>
      裁判長裁判官  渡 邉 和 義
         裁判官  杉 浦 正 典
         裁判官  浅 川 浩 輝

<13>
  これは正本である。

  令和2年12月23日
    前橋地方裁判所民事第1部
     裁判所書記官 橋 本 勇 一

                      前橋 10-001355
**********

■このように、判決は「法は,いわゆる選挙公営制度について,選挙運動に係る一定の費目についてこれを採用し,都道府県の鏃会の議員及び長の選挙についてはその具体的な内容等を条例に委任しているところ,法及び法の委任を受けて制定された本件条例のいずれにも,法に反する行為があった場合に選挙公営を適用しない旨の定めが存在しないことからすると,買収行為等の法に違反する行為をした候補者や総括主宰者等が買収行為をしたため連座制が適用されて当選が無効になった候補者に対する選挙公営の適用を否定すべき法令上の根拠はなく,原告の主張は理由がない。」というものです。

 判読が難しいので分かり易く言うと、つまり、選挙違反をしても、ひとたび投開票日の翌日の選挙会で当選の判定が出れば、たとえ選挙中に選挙違反行為が発覚しても、あるいは後日選挙違反が発覚して、逮捕されたり、連座制によって当選が無効になっても、当選した選挙違反者に公金で支払われた選挙公営費は、そのまま弁済しなくてもよい、ということが、司法により判断されました。

 今回の出訴に際しては、事前に総務省自治行政局選挙部選挙課に電話をして、「選挙違反で連座制により当選が無効になれば、公金で賄われている選挙公営費もドブに捨てられたようなものなので、原因者がきちんと弁済すべきではないのか」、と問い合わせたところ、「国としては地方の選挙管理委員会に対して、指導したりする立場になく、あくまでも対等な立場。したがって、それぞれの選挙委員会の判断に委ねるかたちになるが、もし、きちんとした判断を求めるのであれば、法廷で決めてもらうのが良いと思う」との担当官のコメントをもらいました。

 そのため、裁判所に出訴すれば、常識的な判断が為されるかと内心期待するところもありました。しかし、結果的には、「法律に明記されていなければ、不問にする」という、呆れた判断でした。

 公選法違反をした候補者が、公選法により公費で賄われる選挙公営費用を自己負担しなくてもよいというのです。他方、法定得票数に達しなかった候補者は、公選法を遵守しても、選挙公営費用を全額自己負担しなければなりません。

 候補者にこのような不公平な条件が適用されるのですから、「選挙の平等」「公平公正な明るい選挙」などと総務省や都道府県の選挙課がPRするのをみると、鼻白んでしまいます。

■それでも、この訴訟を勧めてくれたのは、総務省の選挙課ですので、きちんと結果について報告をしなければならないと思い、12月24日に上京した際、地下鉄丸ノ内線の霞ヶ関駅で総務省の合同庁舎2号館にある選挙課を呼び出し、判決文の写しを渡したいと申し出ました。

 すると、なぜか担当官は、腰が引けた対応をしました。面談したくないそぶりです。せっかく判決文をコピーして持参したのに、受け取ろうと言う意欲が見えません。10分間ほど電話で何度も掛け合った挙句、「合同庁舎の中に入れてもらえないのであれば、今、霞ヶ関駅の改札口のそばにいるので、ここで手渡したい」という当会の提案がようやく受け入れてもらえました。担当官が「それではこれからそちらに降りていく」と言ったのです。

 待つこと5分。二人の選挙課の職員がやってきました。名前をきくと高林と児玉と名乗りました。簡単に事情を説明した後、持参した判決文の写しがはいったクリアファイルを渡しました。改札口付近での立ち話なので、1分足らずでその場を離れ、地下鉄で帰りました。

 その後、12月28日の仕事納めの午後1時過ぎに、思い立って総務省選挙課の高林氏に電話をしてみました。判決文の内容についてコメントを聞いたところ、なんと「裁判所の判断は妥当だと思う」という返事でした。総務槽選挙課のコメントの内容次第では、控訴も視野に入れていたのですが、このコメントを聞いて、一気にやる気をなくしました。と、同時に、我が国の選挙制度の歪である不合理性と不透明性をあらためて痛感させられた次第です。

■なお、ネットで「選挙違反 当選無効」で検索すると、2020年12月10日のYahooニュース記事がヒットします。元特捜部主任検事による解説記事です。

**********Yahooニュース2020年12月10日(木)08:00
河井案里氏にボーナス309万円支給 連座制で当選無効でも返還請求できぬ訳

(写真:つのだよしお/アフロ)
 選挙違反で裁判中の河井案里氏に約309万円のボーナスが支給された。しかし、秘書の有罪判決確定で連座訴訟となり、当選が無効になっても、案里氏がこれまで手にした歳費などの返還は請求できない。なぜか――。
★今後の流れは?★
 案里氏には、2019年7月の参院選での初当選後、国から給与に当たる歳費と文書通信交通滞在費の合計200万円超が毎月支給されているほか、6月と12月にはそれぞれ300万円超のボーナスが支払われている。
 一方、検察は、選挙運動員に対する買収で懲役1年6か月・執行猶予5年の有罪判決が確定した秘書を連座制の対象となる「組織的選挙運動管理者」とみている。
 早ければ年内には、広島高検が原告となり、案里氏を被告として、その当選無効などを求め、広島高裁に連座訴訟を提起することになる。裁判は年明けに始まり、年度内には高裁の判決が下るだろう。
 過去の同種事案をみると、ほぼ検察側の勝訴で終わっており、案里氏の場合もこれらと同じ結末になる可能性が濃厚だ。案里氏が上告しても、最高裁が棄却すれば、案里氏の当選は無効となる。
★いつから無効に?★
 では、その場合、国は案里氏に支払い済みの歳費などの返還を請求できるか。
 結論から言うと、返還請求はできないし、案里氏も返還を要しない。
 というのも、連座訴訟の場合、公職選挙法の規定により、当選無効の効力はその旨の判決が確定した段階から生じることになっているからだ。
 当選のときに遡って無効となるわけではなく、連座訴訟の判決が確定するまでは議員としての地位があったとされるわけだから、歳費などの支払いも有効だったということになる。
★本人が選挙違反で有罪なら?★
 もっとも、その公職選挙法は、議員本人が買収罪で刑に処せられた場合、連座訴訟のような特別な裁判手続を経ることなく、直ちに当選が無効になると規定している。
 すなわち、いま進められている案里氏自身の刑事裁判で案里氏が有罪判決を受け、確定すると、自動的に被選挙権がなくなり、議員としての地位を失うわけだ。
 しかし、それでも歳費などの返還請求は困難だ。
 というのも、国会法により、議員が被選挙権を失ったときは「退職者」になると規定されているうえ、歳費法でも、議員が退職した場合、その日までの歳費を受けられると規定されているからだ。
★「不当利得」では?★
 ただ、秘書らの選挙違反に関する連座責任と異なり、議員本人が買収罪で刑に処せられた場合については、公職選挙法には当選無効の効力がいつから生じるのか明らかにした規定がない。
 そうすると、当選のときに遡って当選が無効だったと考え、当選後に受け取ってきた歳費などは「不当利得」にあたるとみる余地もある。
 この点については、地方議会議員に関する裁判例が参考となる。
 市議会議員が買収罪で有罪判決を受け、当選無効となって辞職したあと、住民が市に代わって議員報酬などの返還を求める裁判を起こしたものだ。
 しかし、裁判所は、次のような理由により、その訴えを棄却している。
・公職選挙法には当選が無効となった議員による無効となるまでの間の議員活動の効力について定めた規定がないから、議員活動は有効だったと考えられる。
・議員活動と対価性を有する報酬の請求権までもが当然に遡って失われるわけではない。
・失職した議員による役務の提供やその勤務により受けた市の利益と、市から報酬を受けた議員の利益との間に差がある場合に、その限度で具体的な報酬請求権が消滅する。
・これは、議員が無形の精神活動すらなしえず、任期前に市政に関する調査、研究、思索していた内容が議案などの形で結実したわけでもなく、政党や会派にも所属していないような極めて例外的な場合に限定される。
★地方議会では変革も★
 こうした裁判例を踏まえ、自治体の中には、刑事責任を問われた地方議会議員らに対する報酬支給の停止手続や返納に関する規定を条例の中に設け、現に返還を請求しているところもある。
 しかし、国会議員の場合、いまだにそうした規定が整備されていない状況だ。
 逮捕や勾留されて国会に出席できなくても歳費の支給をストップできないのは、無罪推定の原則があることに加え、法令にそれを可能とする規定が置かれていないからでもある。
 選挙違反事件で連座訴訟が想定される場合、国民の批判をかわすため、当選無効になる前に自ら辞職する議員が多いのもそのためだ。
★自主返納は?★
 では、案里氏が議員を続けつつ、歳費などを自主的に返納することは可能か。
 何ら問題なさそうに思えるかもしれないが、公職選挙法が禁止する議員による寄附行為にあたることから、これもまた違法なものとして許されない。
 参議院議員の場合、2018年の定数増加に伴って増大する経費を節減するため、2022年7月までの間、月額7万7000円までの返納に限って寄附規制に関する規定を適用しないとされているが、それすらも各議員の自主性に委ねられている。
 1997年に詐欺事件で逮捕された当時の参議院議員が、実刑確定による失職までの4年以上にわたる勾留中、何ら議員活動をしていなかったにもかかわらず、総額1億円超もの歳費を受け取っていたこともある。
 法制度の不備が問題視されたものの、現在もその状況は何ら変わっていない。
 国会議員は、不逮捕特権や免責特権と並び、歳費受領という特権が認められ、優遇されているというわけだ。
 コロナ禍で経済的に苦しい思いをしている多くの国民からすると、到底納得できない話ではなかろうか。(了)
前田恒彦元特捜部主任検事
 1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。きき酒師、日本酒品質鑑定士でもある。

**********

■ここで引用している行政事件の裁判例とは、次の事件です。

*****<行政事件裁判>*****
●事件番号  平成11(行ウ)15
●事件名  違法支出金補填請求住民訴訟事件
●裁判年月日  平成13年5月25日
●裁判所名  静岡地方裁判所
●分野  行政
●判示事項
 公職選挙法違反により有罪が確定して当選無効になり市議会議員を辞職した者が当選から辞職までの間に市から支給を受けた議員報酬及び期末手当は不当利得に当たるとして,同人に対し地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき市に代位してされた前記報酬等の返還請求が,棄却された事例
●裁判要旨
 公職選挙法違反により有罪が確定して当選無効になり市議会議員を辞職した者が当選から辞職までの間に市から支給を受けた議員報酬及び期末手当は不当利得に当たるとして,同人に対し地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき市に代位してされた前記報酬等の返還請求につき,当選人自身が選挙犯罪を犯した場合については,遡及的に当選の日から当選の効果は生じなかったことになると解されるが,公職選挙法上,当選無効議員のなした議員活動の効力について定めた規定はないことなどから,その議員活動については有効と解するのが相当であって,有効と解される議員活動と対価性を有する前記報酬等の請求権までが当然に遡って失われるものではなく,当選無効により失職した議員が提供した役務の提供ないし勤務により受けた市の利益と,同市が支給した前記報酬等を受けた同人の利益との間に差があると認められる場合に,その限度において,具体的な報酬等請求権が消滅し,不当利得返還請求権が生ずると解するのが相当であるところ,前記差があると認められるのは,当該議員が無形の精神活動すらなしえず,任期前において市政に関する調査,研究,思索していた内容がその後議案等という形で結実したわけでもなく,政党や会派にも所属していないような極めて例外的な場合に限定されるとした上,前記の者は,市議会会派の会長を務め,任期前に複数の議案について討議し同議案の提出者にも加えられていること,同議案は全会一致で原案のとおり可決されていることなどからすると,同人が提供した役務の提供ないし勤務により受けた市の利益と,市が支給した前記報酬等を受けた同人の利益との間に差があるということはできないとして,前記請求を棄却した事例
●判決全文 ZIP ⇒ 015589_hanrei.zip
**********

■今回の裁判で、当会は、準備書面で求釈明として「候補者自身が公選法違反をした場合にはどのような措置がとられるのか?」と法廷で、直接渡辺裁判長を通じて、群馬県に質問しました。しかし、群馬県の訴訟代理人の関夕三郎弁護士は、「回答の必要を認めない」と渡辺裁判長に告げると、同裁判長も「そういうわけで、被告が回答しないといっているので」と言うだけで、そのあと「ほかに主張もないようですので、これにて結審します」と宣言し、前掲の判決言渡しとなりました。

 このことは、連座制でも候補者本人でも、選挙違反をしても、当選さえしてしまえば、供託金はもとより、選挙公営費も、さらには議員歳費もボーナスも、公選法違反による刑事裁判や連座制適用による行政裁判で有罪判決が言い渡され確定しないかぎり、身分が保証されることを意味しています。まさにドロボーに追い銭の状況が、現在の我が国の公職選挙法の現実なのです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連記事「河井案里議員の参院選買収事件有罪判決」
**********時事通信2021年01月21日20時34分
河井案里被告に有罪 「選挙の公正害する」―参院選大型買収・東京地裁

河井案里被告

【図解】案里被告事件の主な争点と判決の認定
 2019年参院選をめぐる大型買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた参院議員、河井案里被告(47)の判決が21日、東京地裁であり、高橋康明裁判長は「選挙の公正を害する犯行」と述べ、懲役1年4月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。広島県江田島市議への現金提供については無罪とした。
 案里被告は有罪が確定すると当選無効となり失職する。判決は、分離公判中の夫で衆院議員の元法相、克行被告(57)との共謀を認め、克行被告が現金提供を取り仕切ったと認定した。
 判決後、案里被告は「主張のうち一部しか受け入れられず、大変遺憾。判決内容を精査し、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。
 主な争点は、地元広島の議員5人に渡った現金の趣旨。高橋裁判長は、うち広島県議4人への現金について、被告の選挙情勢が自民党広島県連の支援を得られず厳しかったほか、授受は公に知られないように行われ、金額も選挙運動の報酬に見合っていることなどを理由に、票の取りまとめとしての報酬で選挙買収だったと認定した。
 その上で、克行被告は選挙活動全般を取り仕切り、現金授受の結果をまとめたリストなども作成、保管していたとして、同被告との共謀があったと指摘。「現金は当選祝いや陣中見舞いで、共謀もなかった」とした弁護側の主張を退けた。
 一方、江田島市議への現金10万円の供与については、当時の公設第1秘書が克行被告の指示で渡しており、夫妻で「直接意を通じていたと認められる証拠はない」として共謀の成立を否定した。
 判決によると、案里被告は19年3~5月、克行被告と共謀し、広島県議4人に投票や票のとりまとめなどの選挙運動を依頼し、報酬として現金計160万円を提供した。
 山元裕史・東京地検次席検事の話 主張が一部認められなかったことは遺憾。判決内容を検討し、適切に対処したい。

**********時事通信2021年01月21日20時33分
主文に紅潮、うなずく 言い渡し後は一礼―案里被告
 東京地裁で21日に開かれた大型買収事件の判決公判で、参院議員河井案里被告(47)は懲役1年4月、執行猶予5年の主文が言い渡された瞬間、顔や耳を紅潮させ小さくうなずいた。
 案里被告は、胸に議員バッジを着け、上下黒のスーツ姿。弁護人の隣に座り、開廷前はしばらく傍聴席に鋭い視線を向けた。
 午後3時に開廷し、裁判長に促されて証言台の前に立つと、主文にじっと耳を傾けた。一部無罪を告げられてもややうつむいたままで、大きな反応は見せなかった。
 これまでの公判では、法廷で笑い声を上げたり、涙を流したりと感情を表に出す場面が多かった案里被告。判決理由読み上げの間は背筋を伸ばし、時折鼻をすすったり、首をかしげたりしながら聞き入った。言い渡しは1時間余りで終わり、裁判長から控訴の手続きについて説明を受けると、何度か小さくうなずき、一礼した。
 閉廷後、取材に応じた主任弁護人は「判決言い渡し後も(案里被告は)落ち着いた様子だった」と振り返った。控訴や議員辞職の可能性については「判決の内容を検討して、これからお考えになると思う」と述べた。

**********NHK News Web 2021年1月21日18時03分
河井案里参院議員に有罪判決 東京地裁 確定すれば当選無効
 河井案里参議院議員がおととしの選挙をめぐり公職選挙法違反の買収の罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は、地元議員らに現金を渡したのは買収が目的だったと認め、「供与した額は多額に及び刑事責任は重い」として懲役1年4か月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。有罪判決が確定すれば、公職選挙法の規定によって案里議員の当選は無効になります。

 参議院議員の河井案里被告(47)は、夫で元法務大臣の克行被告(57)とともに、おととしの参議院選挙で広島の地元議員5人に合わせて170万円を渡したとして、公職選挙法違反の買収の罪に問われました。裁判では案里議員が無罪を主張した一方、検察は懲役1年6か月を求刑していました。
 判決で東京地方裁判所の高橋康明裁判長は、4人の県議会議員に現金を渡した目的について、「自民党広島県連の支援を得られず、地元議員からの支援を期待できない状況で、厳しい選挙情勢だった。県議会議員に渡した金額は票の取りまとめの報酬に見合う」と指摘し、買収目的があったと判断しました。
 また、夫の克行元大臣との共謀について、「現金の交付は克行元大臣が全体を計画し、取りしきっていたと認められる。案里議員が現金を渡したことは当時の選挙情勢のもとで、克行元大臣が差配したと認められ、案里議員の単独行為ではなく、共謀によると認められる」と指摘しました。
 そのうえで「民主主義の根幹である選挙の公正を害する犯行で、供与した額は多額に及び、刑事責任は重い」として、懲役1年4か月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。
 一方で、起訴内容のうち、江田島市議会議員に10万円を渡したとされた部分については、「主導したのは克行元大臣で、案里議員の積極的な関与は認められない」として無罪としました。

 有罪判決が確定すれば、公職選挙法の規定によって案里議員の参議院選挙での当選は無効になりますが、控訴すれば議員の立場が維持されます。
 21日の判決は、100人に対して現金を配ったとして前例のない大規模な買収の罪に問われている夫の河井元法務大臣の裁判の行方にも影響を与えるとみられます。
★河井案里議員 有罪が言い渡されたときの様子は★

 河井案里議員は、黒色のスーツに紫色のシャツを着て、左胸には議員バッジを付けて判決の言い渡しに臨みました。前回の裁判の時よりも髪を短くしていました。冒頭で有罪が言い渡されたときは背筋を伸ばしてまっすぐ裁判長の方を向いていました。
★河井案里議員「主張の一部しか受け入れられず大変遺憾」★
 判決について河井案里議員は「当方の主張のうち一部しか受け入れられておらず、その点では大変遺憾である。いずれにしても判決内容を精査し、今後の対応を検討することとしたい」とするコメントを出しました。
★案里議員の弁護士「非常に不満が残る判決」★
 判決の後、案里議員の弁護士は「無罪を主張していたが、一部しか認められておらず非常に不満が残る判決だ。判決の内容を詳しく精査し、今後の対応を検討する」と述べました。
★専門家「買収と認定したところは説得力あり 量刑も常識的」★
 判決について元刑事裁判官で法政大学法科大学院の水野智幸教授は「案里議員にとって厳しい選挙だったことを踏まえた上で、時期や相手の立場、やりとりなどから買収と認定したところは説得力があり、量刑も常識的だ」と話しています。
 そのうえで「これまでは、選挙から時期が離れていると現金を渡す理由が複数考えられることから、立件されることが少なく、政治家の間で『なんとなく大丈夫な基準』ができていたが、今回の判決で買収が認定されれば時期は関係ないということが示された。政治家は襟を正していく必要がある」と指摘しています。

**********朝日新聞デジタル2021年1月21日11時00分(2021年1月21日15時15分更新)
河井案里議員の裁判、有罪判決 失職の可能性をQA解説
 2019年の参院選で初当選した参院議員の河井案里被告(47)が、地元県議らを買収したとする公職選挙法違反の罪に問われた裁判で、東京地裁は21日午後、懲役1年4カ月執行猶予5年(求刑懲役1年6カ月)の有罪判決を言い渡した。
 案里議員は昨年6月に逮捕されて以降も参院議員を続けているが、有罪が確定すれば失職する。ただ、仮に最高裁まで争われるとすれば、その前に国会議員の資格を失う可能性もある。

★河井案里議員、午後判決 失職の可能性は★
 Q 河井案里・参院議員を失職させるかどうかの裁判が起こされたんだって。どのような裁判なの。
 A 2019年7月の参院議員選挙をめぐる公職選挙法違反(こうしょくせんきょほういはん)事件で、昨年11月に案里議員の秘書の懲役(ちょうえき)刑が確定したんだ。これを受けて案里議員に「連座(れんざ)制」が適用されるかどうかが広島高裁で争われるよ。
 Q 連座制って?
 A ある候補者に一定の関わりを持つ人が選挙で罪を犯した場合に、その候補者の当選を無効にする制度だよ。候補者本人の違反じゃなくても連帯責任をとらせ、お金が飛び交うような選挙を防ぐのがねらいだ。
 Q 「一定の関わりを持つ人」って、どういう人?
 A 選挙運動の全般を仕切る「総括主宰者(そうかつしゅさいしゃ)」や会計を担う「出納(すいとう)責任者」、親族などだ。選挙の腐敗への批判から、1994年に秘書や「組織的選挙運動管理者等」まで対象を広げた。
 Q 案里議員の秘書は?
 A 秘書は選挙の時には陣営幹部だったので、「組織的選挙運動管理者等」だったといえるかどうかが焦点になりそうだ。ビラ配りや遊説の計画、弁当の手配など、前線や後方でリーダー的に立ち回っていれば、該当すると判断されるよ。
 Q 結論はいつ出るの?
 A なるべく100日以内に判決を出そうという努力目標があるんだ。「百日裁判」といって、多くの人に関わる選挙の結果は早く確定させるのが大事だという考え方だよ。連座制の適用が問われる行政訴訟は94年~2019年に152件あったけど、だいたい被告側が敗訴(はいそ)しているようだ。
 Q 案里議員は自身も買収の罪に問われているね。
 A 21日に東京地裁で判決が言いわたされる見込みで、有罪が確定すれば自動的に失職する。夫の克行・衆院議員も総括主宰者として罪に問われていて、その連座制で失職することもありうるね。(阿部峻介)

参院本会議場に入る河井案里被告=2020年1月24日午後0時55分、岩下毅撮影
**********

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有毒スラグ問題を斬る!…新春スラグ調査「渋川市は今も有害スラグだらけ」その2

2021-01-18 23:55:00 | スラグ不法投棄問題
■群馬県中にダンプトラックで不法投棄された有害スラグ問題は、未解決なまま2021年新春を迎えました。こうした中、スラグ問題への取り組みにおいて腰が引けまくっている群馬県行政ですが、県内にはスラグ不法投棄の引き金を引いてきた排出事業者とそれぞれに絡む砕石取扱業者らが2グループ存在しています。

 一つは、大同特殊鋼(株)渋川工場が鉄スクラップ由来の電炉製錬の過程で排出した有毒な鉄鋼スラグを引き取り、(株)佐藤建設工業が天然石と混合し、毒を薄めたとみせかけて、県内にばら撒いた大同の有害鉄鋼スラグ・グループです。こちらは六価クロムを変化させた三価クロムやフッ素が含まれています。フッ素には環境基準が決められています。

 もう一つは、東邦亜鉛(株)安中製錬所が海外から調達した鉱石由来の亜鉛等の電解製錬の過程で排出した有毒な非鉄スラグを、岡田工務店・岡田興産の兄弟会社などが引き取り、高濃度の各種重金属が含まれていることをひたかくしたまま、リサイクル砕石や盛り土に見せかけて違法にばら撒いた東邦亜鉛の有毒非鉄スラグ・グループです。こちらは鉛やヒ素が環境基準を大幅に超えて含まれています。

 そしてこの二つのグループの悪行が継続されてきた背景における共通点は、本来は真っ先に責任をとらせるべき不法投棄実行犯を、群馬県や渋川市・高崎市などの行政および排出事業者自身がかばい続け、悪徳業者である(株)佐藤建設工業や岡田工務店グループが、お咎めを受けるどころか、その反対に異常なまでの発展をとげていることです。

 この問題に当会の手足となって対処してきたスラグ不法投棄特別調査チーム「リットン調査団」が今年も新春特別調査を行っています。さっそく調査結果報告第2弾を見ていきましょう。


新春スラグ調査第2弾の舞台は、大同特殊鋼株式会社の産業廃棄物処分場の近くからお届けします。
*****リットン調査報告書(新春その2編)*****
■有害スラグ特別調査チーム「リットン調査団」集合(^^)/。

団長Aの訓示:2021年新春スラグ調査その2では、林道の調査をふたつお届けしよう。

団員B:最初に紹介するのは、大同特殊鋼株式会社の廃棄物処分場の近くですね。

団員C:この処分場からは毎日怪しいタンクローリーがひっきりなしに、怪しい水をはこびだしているよね。まさか大同特殊鋼株式会社渋川工場に運んで、怪しい水を利根川に垂れ流しているのではあるまいな?温泉水源泉たれ流しなら聞いたことがあるけど。

団員D:なんでも、タンクローリーが怪しい水を運び出すのに無許可であることが騒がれると困るからと、小林製鋼運送の廃棄物処分場だった看板が、大同特殊鋼の名前に変わったようだね。タンクローリーだって大同特殊鋼名義に代わっているのかな?実際には運転手の所属はどこなのだろうか?

団長A:大同特殊鋼というところは、何でもありらしい。スラグだって廃棄物ではないと主張し始めたしね。大同特殊鋼に徹底抗戦!新春早朝調査に出発じゃ!

 今回の調査場所はこちらになります。↓↓



 衛星写真はこちらです。↓↓



大同特殊鋼の廃棄物最終埋立処分場の入り口を左に折れると、調査団の前に林道が現れます。あまり車が通らないらしく落ち葉で埋もれています。そりゃ~大同特殊鋼の怪しいタンクローリーが処分場からひっきりなしに出入りしていれば、他の車は怖くて寄り付けないよね。


林道にはスラグがザックザク!スラグ生一本が押し固まっていて見るからに危険そうだ。いつになったら撤去するの?渋川のお役人様~スラグを直接経口摂取すると危険だったよね。雨水だってかかるよね、一体どうするつもり?


スラグは続くよ何処までも。大同特殊鋼株式会社は、裁判で「スラグは廃棄物ではない」と悪の本性をさらけだして主張し始めたらしいが、大同スラグを廃棄物かどうか決めるのは、残念ながら大同様でも渋川市でもなく、監督官庁である群馬県廃棄物リサイクル課だよ。「悪人様が群馬県と話をつけてから裁判に出て来い」って、徘徊老人は思うのだが…。

 続いて渋川市横堀に移動じゃ。



 今回の調査場所はこちらです。↓↓



この林道は、看板によると「関東森林管理局 群馬県森林管理署」が所管する林道のようだね。


ここも以前調査したよね。砕石が敷砂利されているが、スラグを撤去してくれたのだろうか?


あ!黒光り角張石発見、大同有害スラグじゃ。あちこちあるぞぃ。


奥の方まで砕石が敷砂利されているが、スラグを撤去しないで、スラグの上から隠すように砕石を敷き設したのかな?だったら群馬森林管理署ってとんでもないインチキ役所だね。(当会注:関東森林管理局は、群馬県前橋市岩神町にある林野庁の地方支分部局。管轄は関東地方および福島県、新潟県、山梨県、静岡県。傘下の群馬森林管理署は同局庁舎内にある。群馬県内にはこの他、沼田市に利根沼田森林管理署が、中之条町に吾妻森林管理署がある。)


堂々と「林業安全宣言」だ。。時期尚早、本末転倒も甚だしい御旗を立てるのなら、きっと有害スラグも撤去してから安全宣言しようね…。
*****リットン調査団レポート続く*****

■有害スラグを野放図に埋め立てした影響なのでしょうか?リットン調査団レポートにあった大同特殊鋼が所有する廃棄物最終処分場からは、今日も怪しいタンクローリーが何台も、日曜日でさえも休まずに、ひっきりなしに大同特殊鋼(株)渋川工場との間を行き来しています。

 この処分場は汚染事故を起こして地下水まで汚染され、汲み出しても汲み出しても汚染が止まらない(?)、と噂されています。もし本当なら市民の生活環境は破壊され大変危険な状態となることでしょう。

 裁判所の法廷で「スラグは廃棄物ではない」などとハレンチな主張をして、とうとう悪の素顔を見せ始めた大同特殊鋼株式会社とそれを容認する役所の姿勢は、決して許されてはなりません。当会は本年も微力ながら県民の生活環境保全の脅威である悪の枢軸の根絶に向けて戦いを続けてまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料1「大同特殊鋼株式会社の廃棄物処分場に出入りする怪しいタンクローリーについて」
**********

写真は2016年3月20日に撮影されましたが、現在(2021年1月)もタンクローリーはひっきりなしに走り回っています。しかも増車されているようです。
 以前のブログをご覧ください↓↓
〇2017年11月5日:大同有毒スラグ問題を斬る!・・・「大同産廃処分場・地下水汚染問題」群馬県議会での質疑応答その1
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2453.html#readmore
〇2017年11月12日:大同有毒スラグ問題を斬る!・・・「大同産廃処分場・地下水汚染問題」群馬県議会での質疑応答その2
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2461.html
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※参考資料2「渋川の産廃処分場事故情報」
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問題の大同特殊鋼株式会社の廃棄物最終処分場。深く深く廃棄物を掘り返す工事が行われているように見える。しかし2021年になっても有毒水を運ぶタンクローリーは止まる気配を見せない。どれだけ深くまで汚染されているのやら!
 以前のブログをご覧ください↓↓
〇2017年10月1日:【詳報】大同有毒スラグを斬る!…処分場の地下水汚染を隠蔽12年!ふざけるな群馬県環境部局!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2427.html
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【スクープ】総額40万円!?遂に暴かれた長野高専岩佐総務課長の夫婦ぐるみ常習旅費着服の実態と全貌!

2021-01-17 23:26:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇

基本情報となる岩佐達也の経歴を再度確認してみよう。1988年の呉高専採用以後、一旦機構本部に出向した以外は長らく同校で働き、2014年に機構本部の監査室室長補佐へと栄転。2017年長野高専総務課長を拝命し現在に至る。よく見ると、会計・予算・出納・財務・そして監査と、20年以上にわたりほぼ一貫して「金庫番」のお役目を任されていることがわかるが……

■2020年春の緊急事態宣言中における悪質なコロナ規則破り疑惑が取り沙汰された長野高専の岩佐達也総務課長。怒りに震える同校関係者らの目が注がれるさなかの同年7月末、岩佐総務課長がコロナ禍勃発後で初めての東京出張に赴きました。ところがその際にも、彼の自家用車が同校教職員宿舎から消えていたため、距離200km以上の自家用車出張を禁止するルールとの兼ね合いから、新たに旅費不正請求の疑惑が指摘されました。そこで当会において検証を行ったところ、自宅との往復分のみの請求がなされており、「“当該出張において”不正の事実なし」と判定を下したことは既報のとおりです。

○2020年11月26日:【出張!オンブズマン】長野高専総務課長の今年7月末出張に旅費不正請求疑惑?…調査結果“問題なし”!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3245.html

 ところが実は、この裏には、コロナ規則破り問題すら軽く吹き飛ぶほどの大事件が隠れていたのです。今回、有志各位の勇気と尽力により、コロナ禍前の岩佐総務課長による一大不正着服事件の経緯と全貌を明らかにすることができました。あわせて見えてきた高専機構の壮絶な闇とあわせて、読者の皆様に一挙ご報告いたします。

(1)岩佐総務課長に関する2つの新事実

■まず本題に入る前に、岩佐総務課長に関してこれまでに水面下で判明していた以下2点の衝撃的な重要新事実に言及しておく必要があります。

【新事実1】:岩佐達也氏の妻である岩佐浩子氏も高専機構職員であり、高専機構本部で財務課旅費係を担当している。ともに呉高専から東京に移った。
(※当会注:前職及び現職を含む岩佐浩子氏の氏名等情報については、ウェブ検索すると複数の公機関情報のヒットが確認でき、既に公表事実があるものと判断し公表)

【新事実2】:長野赴任以後の岩佐達也氏は、毎週末に東京八王子界隈の自宅に帰ってはわざわざ一週間分の食事セットを車に積み込んで戻ってきている。

■なんと岩佐家は夫婦で高専職員だったというのです。そうなると第一に岩佐浩子氏は、民間人ではなく夫と同じ高専機構職員という立場でありながら、夫の悪質なコロナ規則破りに注意するどころか全面協力していたことになります。「高専組織に巣食う悪徳公務員夫婦」という実態が遂に見え始めたところで、検証のために高専機構本部事務局2階の座席表を確認してみましょう。


高専機構本部八王子事務局2階の座席表。確かに財務課旅費係に岩佐浩子の名前が確認できる。なお偶然の同姓ではなく確かに岩佐達也の奥方で間違いないとのこと。その担当係はもちろんだが、並んで目を引くのは、「あの」ポンコツ役立たず監査室が同じデスク島の向かいにある衝撃の事実である

 というわけで、岩佐総務課長の妻である浩子氏は、確かに機構本部財務課旅費係の専門職員となっていることが分かります。なお高専内部関係者によると、国立高専における出張旅費関連業務については、最終確認と振込は機構本部が取り扱っているとのこと。そうなると、高専組織の旅費業務の仕組みについて熟知しているのはもちろん、まさにその現場を掌握していることになります。しかも、あろうことか、目の前の監査室に届く情報はすべて筒抜けですよと言わんばかりの呆れた配置です。

 なお、事情を知る高専関係者の間では、2人が揃って広島から上京してきた経緯そのものにも黒い疑惑が囁かれています。呉高専校報第150号(H27.10.1発行)によると、岩佐達也氏は平成26年4月1日付けで機構本部監査室に異動し、後を追って同年10月1日に浩子氏が機構本部に異動していることが確認できます。まず、高専機構本部という小規模な職場に、夫婦そろってはるばる広島から押しかけてくること自体、異常な人事です。しかも、その片割れは会計監査の中心人物、もう一方は一般部署の職員なのですから、利益相反や不正防止の観点からしてありえない人事です。呉高専時代の校長を懐柔して、機構本部に働きかけを行い、このような縁故まみれの身内人事を成立させたのではないか、というわけです。
○参考:呉高専校報第150号(H27.10.1発行、抜粋)ZIP ⇒ z150h27.10.1s.zip

■さらに驚かされるのが、岩佐総務課長が毎週末東京に帰るたび、1週間分の食事を持って長野の教職員宿舎に戻ってきているという事実です。絶望的に身辺の家事ができない様子、そして「一食欠かさず愛妻料理」にこだわっている様子がうかがえます。しかし、そのためにコロナだろうと災害だろうと勝手気ままに帰るとは呆れたものです。単身赴任に自炊や外食はつきものであり、そんなに長野の水も食べ物も汚らわしく感じているのなら、ヒラで東京に勤め続けていればよいのです。なお、食事だけでなく、一週間分の洗濯物もわざわざ東京まで持って帰っている可能性が指摘されています。

 ここで重要なのは、コロナ規則破り疑惑勃発時からの大きな謎がようやく解けたことです。つまり、「なぜ、新幹線ではなく、わざわざガソリン代や高速代に長距離運転の労力が毎週かかってしまうプリウスにこだわるのか」という疑問についてです。それは、プリウスでないと1週間分もの食事や洗濯物を積んで東京へ往復できないから、というのが答えだったというわけです。

(2)岩佐総務課長による出張旅費常習不正請求事件

■以上の事実を説明し終わったところで、いよいよ本題である岩佐総務課長の大規模常習不正旅費着服事件について説明したいと思います。事の発端は、長野高専の内部関係者らから以下のような告発が寄せられたことでした。

・岩佐達也について、2017年の長野高専総務課長着任以来ずっと、週末にかけての東京方面出張が異様に多い。
・そうした東京出張のたびに岩佐達也氏の自家用車が教職員宿舎駐車場から消えている。

 そして、勇気を振り絞った有志らによって、過去の物証の数々(後述)とともに、手口の核心が以下のとおり暴露されることになりました。

①:週末の東京帰宅に合わせ、特に金曜日~月曜日ごろに東京(または東京への中間地点となる地域や、東京が経由地とできるような遠隔地)への出張予定を設定する。
公式の会議など自ら日程を設定できないものも、出張に前泊や後泊を付けたり、有給を取るなどして、一貫して東京にいられるよう日程を調整する。

②:週末に自家用車で東京の自宅に帰り、その往路・帰宅中・復路において「出張先」へ適当に顔を出す。

③:200kmルールにより自家用車扱いでの請求ができないため、長野の教職員宿舎を発着地に新幹線で移動したことにして、往復新幹線代・近郊移動交通費及び日当を架空請求する。


 すると、これが事実であれば、岩佐達也氏の行為は、実態とは異なった架空請求を不正におこなって公金を着服しているものです。極めて悪質で不適切な行為であることはいうまでもありません。まして、普段から教職員を上から徹底指導している監査室出の幹部が、全高専教職員たちが守ってきていた200kmルールを守らず、挙句の果てには私的な帰省にかかった費用だけはせしめたいと架空請求でチョロまかしていたとなれば、呆れたものです。

■そこで当会では、事実確認のため、以下の内容の法人文書開示請求書を2020年9月29日付けで機構本部宛てに提出しました。

*****20/09/29開示請求*****ZIP ⇒ ljioj.zip
            法人文書開示請求書

                          令和2年9月29日

  独立行政法人国立高等専門学校機構
  理事長 殿

        氏名又は名称:(法人その他の団体にあってはその名称及び代表者の氏名)
         市民オンブズマン群馬   代表 小川 賢            
        住所又は居所:(法人その他の団体にあっては主たる事務所等の所在地)
         〒379-0114 群馬県安中市野殿980           
                        TEL 090(5302)8312 
        連  絡  先:(連絡先が上記の本人以外の場合は,連絡担当者の住所・氏名・電話番号)
         〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10    
                    市民オンブズマン群馬事務局長  鈴木 庸
                 TEL:027-224-8567


 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき,下記のとおり法人文書の開示を請求します。

                       記

1 請求する法人文書の名称等
(請求する法人文書が特定できるよう,法人文書の名称,請求する文書の内容等をできるだけ具体的に記載してください。)
長野高専の岩佐達也総務課長について、2017年4月にその職に就いて以降、職員として行った出張の一切について、
①その日時・出張先・出発地・経由地・目的地・移動距離・移動手段・出張経緯・出張目的などがわかる出張報告等文書。
②その出張費や旅費の申請に係る情報(交通機関等の領収書があればそれを含む)。
③その出張費や旅費の支給に関する情報などの一切。
(長野高専・高専機構本部を含めた高専機構全体としての保有文書の一切とする)

**********

■翌日、機構本部の橋本職員から開示請求書の受領確認メールが届きました。あわせて、「主たる請求内容が高専にかかる場合は、送付先は機構本部でなく該当高専でお願いしたい」と付言されていました。当会からは、「苦言を呈させてしまい申し訳ない。しかし旅費振込の最終プロセスは本部で行っているという話もあり、現時点で高専と本部それぞれでどんな文書をどんな割合で保有しているか請求人は知らない。よって差し当たり本部宛としただけなのでご容赦願いたい」という旨の返事をしました。

 そして10月1日、橋本職員からは「主たる開示の手続きを長野高専で取り扱うこととさせていただきますので、ご了承ください」として、実質的な開示業務と窓口を長野高専に移管することが一方的に告げられました。同職員の説明によれば、「開示場所は機構本部でよい」「まず各高専で該当出張を洗い出す必要があるため、効率上そう判断した」「オンブズマンだからというわけでなく、誰の請求でも同じ対応」とのこと。

 橋本職員の説明にも一理あるものの、そうなると疑惑の岩佐総務課長自身が開示実施業務をすべて握ることになってしまいます。泥棒に泥棒の証拠を出させるも同然の状況に平気で持ち込むのですから、相変わらずの高専機構の底辺コンプライアンス意識に溜息をついてしまいました。

■10月16日に長野高専白木職員からメールがあり、「該当文書は1ヶ年あたり長野高専1件と機構本部2件。2017~2019年度の3年分で計9件と特定された。よって手数料300×9=2700円を振り込んでほしい」「なお2020年度の該当出張は、前回開示した7月末の一件のみで、重複を避けるため除外した」とのこと。

 早速手数料を振り込むと、11月11日に機構本部の封筒が送られてきました。開けると、長野高専の文書番号が付された以下の同月9日付け開示決定通知が入っていました。

*****3ヶ年分出張旅費情報開示通知*****ZIP ⇒ ljm.zip
                            長野高専庶第46号
                            令和2年11月9日

                法人文書開示決定通知書

 市民オンブズマン群馬 小川 賢 様

                 独立行政法人国立高等専門学校機構

 令和2年9月29日付けで請求のありました法人文書の開示について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づき,下記のとおり開示することとしましたので通知します。

                     記

1 開示する法人文書の名称
  長野高専の岩佐達也総務課長について、2017年4月にその職に就いて以降、職員として行った出張の一切について。

【長野高専分】
(1) H29.05.17出張分
(2) H29.06.02出張分
(3) H29.06.12~H29.06.14出張分
(4) H29.06.17出張分
(5) H29.06.29~H29.06.30出張分
(6) H29.07.06出張分
(7) H29.08.25出張分
(8) H29.09.12出張分
(9) H29.10.12~H29.10.13出張分
(10) H29.10.27~H29.10.29出張分
(11) H29.11.10~H29.11.11出張分
(12) H29.11.17~H29.11.18出張分
(13) H30.01.08 & H30.01.12出張分
(14) H30.02.08~H30.02.09出張分
(15) H30.03.02 & H30.03.05出張分
(16) H30.03.09~H30.03.10出張分
(17) H30.04.22出張分
(18) H30.05.31出張分
(19) H30.06.09出張分
(20) H30.09.07出張分
(21) H30.09.11出張分
(22) H30.11.02~H30.11.03出張分
(23) H30.11.09出張分
(24) H30.12.07~H30.12.08出張分
(25) R01.05.31~R01.06.01出張分
(26) R01.06.08出張分
(27) R01.07.26~R01.07.27出張分
(28) R01.08.02出張分
(29) R01.08.20~R01.08.23出張分
(30) R01.08.25~R01.08.27出張分
(31) R01.09.10~R01.09.11出張分
(32) R01.09.27出張分
(33) R01.10.15~R01.10.18出張分
(34) R01.10.27~R01.10.28出張分
(35) R01.11.07~R01.11.08 & R01.11.21~R01.11.22出張分
(36) R01.11.23~R01.11.24出張分

【機構本部分】
(37) 平成29年度~令和元年度 旅費システムにおける本部確認承認画面
(38) 平成29年度~令和元年度 振込明細一覧表


2 不開示とした部分とその理由
 (1)(2)(9)(11)(18)(22)(23)(24)(25)(29)(31)(33)(35) 支払関係証拠書類
 不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
 理   由:法第5条第一号及び法第5条四号柱書きに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 不開示部分:口座情報
 理   由:法第5条第一号及び第二号イに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当

 (3)(4)(5)(6)(7)(8)(10)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(19)(20)(21)(26)(27)(28)(30)(32)(34)(36) 支払関係証拠書類
 不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
 理   由:法第5条第一号に該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 不開示部分:口座情報
 理   由:法第5条第一号及び第二号イに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当

 (38) 振込明細一覧表
 不開示部分:個人に関する情報、振込に関する銀行情報
 理   由:法第5条第一号及び第二号イに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
**********

■見ると、長野高専からは、出張ごとに分けられて(1)から(36)まで文書があります。伝票上の都合なのか、(13)(15)(35)にはそれぞれ2件分の出張が含められているようです。すると岩佐総務課長については、2017年度から2019年度までの3年間で計39回の出張が行われたことになります。

 当会からは早速、高専機構本部での窓口開示を希望する申出書を返送しました。

■そして2020年11月20日の13時半、当会担当者が開示文書受領のため機構本部に向かいました。






 ロビーの内線で来訪を告げると、橋本職員が対応に出ました。印刷にかかる追加手数料1,350円を同職員に支払うと、39回分の出張にかかる膨大な資料が開示されてきました。見ると、出張内容や支給旅費額についてはなんとかキチンと開示されていました。幸いなことに、岩佐総務課長らは、無理やり全面黒塗りにするなどの暴挙には走らなかったようでした。

 なお、長野高専保有分資料には、各出張についておおむね以下の資料が含まれていることがわかります。
① 出張実施に関する文書:旅行(命令)書、旅行報告書、その他関連文書
② 出張の移動宿泊内容と旅費算出に関する文書:旅行計算書(清算)
③ 旅費を支払った事実に関する文書:支払決議書、債務伝票、支払伝票


 開示の際に橋本職員から簡単な説明があり、「公共機関を使わない出張の場合は、公用車もしくは自家用車を使うことになり、自家用車(自分の車)を使う場合は、事前に校長に申請して許可を得なければならない」とのこと。しかし、今回の開示資料には、そのような許可手続きがなされていたことを示唆するものはありません。

 またこれに関連して、「今回の開示資料内にも含まれているとおり、岩佐総務課長はタイの協定校の関係者が来日した際にレンタカーを使用していた。レンタカーの使用・公用車の使用・自家用車の使用の区別に関するルールは長野高専の内規になるので、同校に訊いてほしい」とのことでした。

■ところで、せっかく八王子の機構本部まで来たので、まったく役に立っていない機構監査室の実態をこの目で確認してみたいと思いました。

 高専機構本部の玄関入口の右側には、1階から3階までのそれぞれのフロアの配置図がありますが、どこにも監査室の表示がありません。そこで、まず橋本職員に監査室の概要について質問すると、「以前は3階にあったが、今は2階の一角にしつらえてある。監査室長と室長代理は他の部署の役職を兼務しているため、監査室には通常いない。職員は2名置いている」と説明がありました。

 そこで当会担当者からは、「先日にも監査室宛てに書状を出したが、まったく実体が捉えられない印象だ。だから、間仕切りしてあるのか、独立性が外形的に担保されているのかを確認するため、せめて廊下からでいいので肉眼で監査室のある部屋を見たい」と橋本職員に申し出をしました。すると橋本職員は奥へ確認に消え、10分ほど後に戻ってきて、「今はちょうど監査業務の時期で監査作業中。なので、ヒヤリングをしていただくにしても、今日は都合が悪いとのことなので、また日を改めて相談してほしい」と告げました。当会担当者は、監査室とされる区画を見たいというだけで、監査室職員に面会したいとまでは頼んでいません。やはりオンブズマンを極めて警戒しているようすがうかがえました。

(3)3年間にわたる常習旅費不正請求の全容

■さて、2020年11月20日、岩佐総務課長の2017~2019年度分全出張とその旅費支払について開示された資料は以下のとおりです。

○2017年度分出張資料(No.1~16)ZIP ⇒ 2020112001to05h29.05.17to06.2930o.zip
2020112006to08h29.07.06to09.12o.zip
2020112009to13h29.10.1213toh30.01.0812o.zip
2020112014to16h30.02.0809to03.0910o.zip

○2018年度分出張資料(No.17~24)ZIP ⇒ 2020112017to20h30.04.22to09.07o.zip
2020112021to24h30.09.11to12.0708o.zip

○2019年度分出張資料(No.25~36)ZIP ⇒ 2020112025to28r01.05.3106.01to08.02o.zip
2020112029to32r01.082023to09.27o.zip
2020112033to36r01.10.1518to11.2324o.zip

○機構本部分資料(No.37~38)ZIP ⇒ 2020112000.zip
h29r01mffp0120.zip
h29r01mffp4160.zip
h29r01mffp6178.zip
2020112038_kikouhonbu_bun_h29r01_furikomi_meisai_ichiranhyou.zip

 では、この39回分の出張について、日程・出張地域・旅費を表にしてまとめてみましょう。

*****岩佐総務課長・2017-19年度各出張先と旅費支給額一覧*****
【H29(2017)年度】
番号 日付       用務先 旅費支給額  備考
(01) 05/17(水)     県内   240
(02) 06/02(金)     東京  16,900   判断保留
(03) 06/12(月)-14(水)  東京  33,660   6/13自宅泊記載有

(04) 06/17(土)     県内   480
(05) 06/29(木)-30(金)  県内   960
(06) 07/06(木)     県内   480
(07) 08/25(金)     県内   480
(08) 09/12(火)     県内   480
(09) 10/12(木)-13(金)  高崎  25,280
(10) 10/27(金)-29(日)  県内     0   公用車使用
(11) 11/10(金)-11(土)  東京  18,000   自宅泊記載有
(12) 11/17(金)-18(土)  東京  20,520   
(13-1) 01/08(月)    東京  19,480   集団行動?判断保留
(13-2) 01/12(金)    東京  20,720
(14) 02/08(木)-09(金)  東京  18,920   自宅泊記載有
(15-1) 03/02(金)    茨城  25,000   東京上野経由
(15-2) 03/05(月)    東京  18,020

(16) 03/09(金)-10(土)  長岡  28,910

【H30(2018)年度】
(17) 04/22(日)    東京  19,468   集団行動?判断保留
(18) 05/31(木)     東京  19,410

(19) 06/09(土)     県内   480
(20) 09/07(金)    東京  19,410
(21) 09/11(火)     県内   480
(22) 11/02(金)-03(土) 東京  18,000   自宅泊記載有
(23) 11/09(金)     東京  19,410
(24) 12/07(金)-08(土)  東京  20,208   自宅泊記載有


【H31・R01(2019)年度】
(25) 05/31(金)-06/01(土) 東京  18,000   自宅泊記載有
(26) 06/08(土)     県内   480
(27) 07/26(金)-27(土)   東京  20,828   自宅泊記載有
(28) 08/02(金)     東京  18,408

(29) 08/20(火)-23(金)  小倉  79,540   東京迄自家用車の可能性有
(30) 08/25(日)-27(火)  長岡  21,700   レンタカー使用
(31) 09/10(火)-11(水)  長岡  12,500   公用車使用
(32) 09/27(金)     県内   480
(33) 10/15(火)-18(金)  長崎  88,440   東京迄自家用車の可能性有
(34) 10/27(日)-28(月)   東京  19,392   自宅泊記載有
(35-1) 11/07(木)-08(金) 東京  20,890   自宅泊記載有
(35-2) 11/21(木)-22(金) 沼津  40,000   高専間相互監査での出張

(36) 11/23(土)-24(日)  東京   1,100   レンタカー移動、立替払

★東京・首都圏近郊出張への支給旅費総額:413,104円
**********

■なんと、東京及び首都圏近郊行きの出張は22回もあり(東京19回、首都圏近郊3回)、全出張39回のうち半数を超えていることがわかります。しかも、それら「すべて」が土日に被さるような設定にされています。そして、決定的なことに、それら「すべて」の出張に関して、ひとつ残らず新幹線代一万数千円~数万円が請求されています。

 疑惑と告発は、すべて正しかったと証明されたことになります。

 そうなると、2020年7月末の東京出張について長野高専が出してきた「自宅と文科省の往復分1,410円のみ」の旅行計算書は一体なんだったのでしょうか。当時、本ブログの公開コメント欄において、長野高専の内部職員や学生がリアルタイムで疑惑を指摘していました。この状況には、さすがの岩佐達也も観念して、新幹線代等の請求を差し控えたというわけでしょう。

 ところがそのため、過去数十件の豪快な請求の数々に比べて、7月末の出張旅費請求が明らかに一件だけ珍妙なものになってしまいました。「架空の旅費」と「本当の旅費」の対比がより如実に示されたことになります。

■3年間かけて積みあがった「架空の旅費」も膨大な額になっています。上表に示したとおり、週末に被さって行われた東京・首都圏近郊出張への単純な支給旅費総額は、41万3千円にのぼります。

 もちろん、このすべてが不正請求額というわけではありません。物証が無かったり、出張内容から不正の可能性が微妙と判断される出張については、上表の備考に「判断保留」としてあります。また、出張自体が嘘というわけでもありませんから、本来支給されるべき旅費との差額として正確な不正請求額を算出していく必要があります。

 それでも基本的に、請求額の大半は新幹線代であり、残りの大半は出張日当です。なお高専関係者によれば、新幹線使用が架空で自宅からの日帰り往復だったということになれば、出張日当の支給対象にもならないとのこと。よって、新幹線代はもちろん、日当も不正請求ということになります。計算によって多少細かく上下すれど、40万円近い不正総額は揺らぎません。

 なお、不正と見なされる正確な総額について、高専関係者らの協力のもと当会で試算をおこなったところでは、379,156円でした。

(4)動かぬ証拠、そして高専機構の底なし腐敗

■そして上述のとおり当会では、弛まぬ調査の結果として、岩佐総務課長の過去の出張旅費不正請求について決定的な証拠の数々を入手しております。

 これら入手した物証の内容については、記事が冗長になってしまう点や、掲載可能な容量の問題のため、そして高専機構側に言い逃れを作らせないようにするため、そして何より身を賭して協力いただいた有志各位の保護のために、残念ながらそのすべてを公表することは叶いません。

 しかし今回は、勇気を振り絞った有志らの同意のもと、入手した物証の一部について公表を行い、岩佐達也総務課長による悪事の実態を読者にお見せしたいと思います。

■ここでは、旅費不正請求が指摘される数々の出張のうちで最新の2件である、①2019/11/07(木)-08(金)の東京出張と、②2019/11/21(木)-22(金)の沼津出張にスポットを当てたいと思います。

①:2019/11/07(木)-08(金)の東京出張


2019年11月8日(金)14時頃(出張中)撮影の長野高専教職員宿舎駐車場39番。明らかに白のプリウスは停まっていない。なお出張資料によると、この時間は東京都文京区で会議真っ最中のはずだが……


2019年11月13日(水)14時頃(出張直後)撮影の長野高専教職員宿舎駐車場39番。白のプリウスが戻ってきていることがわかる


ところで2019/11/07(木)-08(金)の東京出張にかかる旅行計算書。最寄りのJR三才駅より電車に乗って新幹線で東京まで往復したことになっている。そして新幹線代含め2万円がキッチリ請求されている。アレレ!?

②:2019/11/21(木)-22(金)の沼津出張


2019年11月21日(木)14時頃(出張中)撮影の長野高専教職員宿舎駐車場39番。明らかに白のプリウスは停まっていない。なお出張資料によると、この時間は沼津高専で会計監査真っ最中のはずだが……


2019年11月25日(月)10時頃(出張直後)撮影の長野高専教職員宿舎駐車場39番。白のプリウスが戻ってきていることがわかる


ところで2019/11/21(木)-22(金)の沼津出張にかかる旅行計算書。最寄りのJR三才駅より電車に乗って新幹線で沼津まで往復したことになっている。そして新幹線代含め4万円がキッチリ請求されている。アレレレレ!?!?

■というわけで、岩佐総務課長が旅費不正請求の常習犯であることにもはや疑いの余地はありません。

 会計不正や横領は、ヒラの公務員でも大問題です。数十年にわたり高専の会計業務を担当し、あまつさえ高専機構の会計監査を司り、挙句の果てには長野高専の総務課長を拝命した人物が、長期にわたってこのような巨大な悪事をはたらいていたわけですから、世は震撼せざるをえないでしょう。

 特に度肝を抜かれるのは、今回不正を証明した最新の出張である2019/11/21(木)-22(金)の沼津出張は、高専間相互監査のためのものだったという事実です。まさに監査のための出張で旅費の不正請求をする
とは前代未聞です。高専機構はもはや、組織として終わっているというレベルではありません。

■この巨大不正事件は、直接的には岩佐総務課長が背負うべき罪であることは言うまでもありません。しかし、この事件の背後にあるのは、高専機構の底知れない腐敗です。

 まず、岩佐総務課長の周りにいる直接的な関係者だけを取り上げても、
 ①疑惑の本人である岩佐達也長野高専総務課長(元監査室職員)が、高専の会計や監査室の内情を熟知しつつ同校の事務現場とオンブズ対応をすべて掌握し、
 ②隠蔽とパワハラが大好きな土居信数長野高専学校長・兼・機構理事が同校と機構本部をトップから押さえ、
 ③仕上げに岩佐浩子が機構本部の旅費事務現場を押さえているわけですから、
まさに完璧な三位一体の汚職&隠蔽体制です。

 国の権力と金を掠め取るのにここまで快適な環境が作れるのかと感心するほかありません。そしてこのような図式を作れること自体が腐敗の証明です。岩佐夫婦が呉高専から移ってきた経緯からして疑惑まみれだということは、上述のとおりです。

■実はさらに、高専機構の絶望的な腐敗ぶりを示すエピソードがあります。それは、本部監査室室長補佐であった岩佐達也氏が、平成29年4月に長野高専総務課長に着任してきた背景です。

 かつて長野高専では、計約380万円(うち約51万円私的流用)の大規模不正会計事件が発覚し、平成28年3月末まで行われた調査により認定されたという経緯があります。この大規模不正会計事件については、当会でも石原校長時代の2018年頃にかけ、事実関係の確認と追及をおこなっていました(長野高専カテゴリ過去記事参照)。なお、同校の対応について完全に納得のいく回答は未だに得られていません。

 さて、この大規模不正会計事件発生を受けて、長野高専の会計ガバナンス強化と再発防止が迫られました。同校関係者によれば、その状況に際して高専機構本部は、当時監査室室長補佐だった岩佐達也に白羽の矢を立て、同校に総務課長として送り込んだということのようです。そうなると、不正会計対策のために中央から学校の重要幹部として送り込まれたはずの張本人が、多額の公金を不正に着服していたということになります。……組織ぐるみの壮絶な腐敗も、ここまで来ると、コメントのしようもなくなってきます。

■というわけで、岩佐達也のしでかしたこの巨大不正事件は、高専機構が組織ごと吹き飛んでもおかしくはない大失態にまで発展する可能性が高いといえます。散々岩佐達也を甘やかして隠蔽と不正に加担してきた土居信数校長は言うまでもなく、機構幹部までが軒並み責任を問われるほどの重大事件です。

 高専機構側も、その危機的な状況は理解しているようです。実は、なんと現在、高専機構の理事長自身が直々に本件の隠蔽と揉み消しに動く事態になっています。2020年12月8日、今回の事件の背景となっていた200km以上の自家用車使用禁止ルールについて、機構理事長が電撃的に丸ごと廃止してしまったというのです(詳細は続報)。予断を許さない緊迫した状況です。

■さて、長野高専の岩佐達也総務課長をめぐる問題は、緊急事態宣言下の新型コロナ規則破りに始まって、遂に本巨大不正請求事件の発覚に至りました。

 当会ではすでに、本件に関して更なる追及の一手を打っております。これも詳しくは続報にてお伝えすることになります。今後の展開から目を離すことはできません。

 ところで岩佐総務課長は、コロナ規則破りで当会の追及を浴びていた昨年、側近に「訴えてもいいくらいだ」と豪語していたようです。ひとたび突けば巨大汚職が噴き出る油田状態でよく言えたものです。名誉棄損で刑事告訴するのか、民事で訴えるのか、はたまた高専機構の金でいつもの銀座の弁護士を雇ってくるのかはわかりませんが、「受けて立つ」とここに宣言しておきます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

《追啓1》
 本事件への調査追及は、これまで以上の激戦になることが予想されます。長野高専関係者の皆様がたにおかれましては、一層力強い注目と応援を賜れれば幸いです。あわせて可能な限り本問題について周囲へ伝達・拡散いただけるようご協力賜れれば幸いです。
《追啓2/教職員の方々へ》
 土居信数校長のパワハラ行為に遭われている場合、とにかく記録を取ることを推奨します。日時・状況と被害内容を詳細に記録したメモを作り、きっちり録音録画をしてください。必ず役に立つ時がきます。なお当会へのご相談も随時受け付けております。必ずしも望む結果はお約束できませんが、可能な限りお力になれるよう尽力いたします。

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【出張!オンブズマン】石原名誉教授問題での4回目の開示請求結果…1年かけ到達した『記録無し』の最深部!

2021-01-16 23:21:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■長野高専きっての有害天下り校長として同校に3年間の暗黒時代をもたらし、今なお続く同校の腐敗と倫理崩壊のスパイラルを作った石原祐志。圧力と口利きで無理やり石原を高専校長に押し込み、その後ろ盾となっていた文科省トップ幹部・佐野太の失脚に伴い、石原も理研の名ばかり部長に流れていきました。

独立行政法人国立高等専門学校機構 長野工業高等専門学校 前校長 石原祐志。

 ところが、跡を継いだ土居信数校長は、教職員らにほぼ何も伝えないまま、抗議も意に介さず、石原祐志への長野高専名誉教授称号授与を強行してしまいました。石原氏はちゃっかりと産総研のインチキ事業体にも天下りで潜り込んでおり、そこで授与もされないうちから称号をひけらかす有様でした。

 当会では、この石原への名誉教授授与の経緯について、2019年秋より全容の洗い出しを試みました。すると、石原本人が在任中から「自分で自分に名誉教授を授与する」出来レースを仕込んでいた実態がありありと見えてきたのです。この調査では、長野高専に開示請求をかけて関連内部文書を出させるたびに未知の情報があることが判明し、それにまた開示請求をかけ……ということが1年間にわたり繰り返されていました。当会では、いい加減にイタチごっこを終わらせるべく、都合4回目となる法人文書開示請求書を2020年11月3日付けで同校に提出していました。

○2019年12月29日:【長野高専】天下り石原名誉教授問題…同校と産総研の開示文書で「授与」と「活用」の経緯を暴く!(2)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3099.html
○2020年8月7日:【出張!オンブズマン】長野高専J科セクハラ退職問題&石原名誉教授授与強行問題で同校から届いた開示文書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3187.html
○2020年11月3日:【出張!オンブズマン】石原名誉教授問題への再追加開示請求に同校がしぶしぶ明かした出来レースメール記録
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3233.html

■同年11月10日に長野高専の白木職員に電話をかけると、「11月3日の開示請求についてだが、前回開示(長野高専庶第33号)における石原名誉教授関連の開示情報に関して、その中に漏れがあるという理解でよろしいですか」と確認してきました。当会担当者から「そのとおりです」と返すと、白木職員は「では、私の見解と合致していることが確認できました」と述べました。

 当初、白木職員がこのような確認をしてきた真意が呑み込めず、少し考えを巡らせました。するとどうにも、開示請求の(2)で「2019年3月1日から同年4月30日にかけて教職員と石原祐志でやり取りした電子メールの一切」としたため、文字どおり解釈して全メールを際限なく開示することを避けようと、「長野高専庶第33号の漏れとしての電子メール」に対象を限定しようという意図らしいと気が付きました。

 その後、12月1日に白木職員から、「対象文書1件として手数料300円を振り込んで欲しい」とメールが届いたので、翌々日に振り込みました。

■すると、12月7日付けの開示決定通知および不開示決定通知が、その翌日に郵送されてきました。

●12/7付開示決定通知(庶51)及び不開示決定通知(庶52)ZIP ⇒ 20201207ljesm1.zip

*****開示決定通知(長野高専庶第51号)*****
                           長野高専庶第51号
                           令和2年12月7日

                法人文書開示決定通知書

  市民オンブズマン群馬 小川 賢  様

                   独立行政法人国立高等専門学校機構

  令和2年11月3日付けで請求のありました法人文書の開示について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づき,下記のとおり開示することとしましたので通知します。

                      記

1 開示する法人文書の名称
  令和2年9月17日付長野高専庶第33号にて開示した法人文書に関して、次の(2)の情報
  (2)2019年3月1日から同年4月30日にかけて、本校教職員から石原校長(当時)に宛てて送信したか、同氏から本校教職員に送信された電子メールの一切。ただし、以下①~④は除く。
   ①令和元年11月12日付長野高専庶第51号における開示文書に含まれるもの
   ②令和2年7月17日付長野高専庶第21号における開示文書に含まれるもの
   ③令和2年9月17日付長野高専庶第33号における開示文書に含まれるもの
   ④令和2年11月3日付け請求(1)の対象となる開示文書に含まれるもの

 【1】功績調書について(メール)(2019.3.29 12:21)
 【2】セクシュアル・ハラスメント防止のための研修受講確認について(メール)(2019.4.19 15:19)


2 不開示とした部分とその理由
 【1】功績調書について(メール)
 【2】セクシュアル・ハラスメント防止のための研修受講確認について(メール)
 不開示部分:個人に関する情報が記載されている部分
 理   由:法第5条第一号及び法第5条第四号柱書きに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
**********

*****不開示決定通知(長野高専庶第52号)*****
                           長野高専庶第52号
                           令和2年12月7日

            法人文書不開示決定通知書

  市民オンブズマン群馬 小川 賢  様

                   独立行政法人国立高等専門学校機構

  令和2年11月3日付け法人文書の開示請求について,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第2項の規定に基づき,下記のとおり開示しないことと決定しましたので通知します。

                 記

1 不開示決定した法人文書の名称
  令和2年9月17日付長野高専庶第33号にて開示した法人文書に関して、次の(1)の情報
 (1)本校総務課人事係職員から石原校長(当時)に送信された「名誉教授について」という件名の2019年3月28日19時55分付電子メールの本文中、「先日お問い合わせのありました校長先生自身の名誉教授について」との記載に関連して、石原氏からの「先日の問い合わせ」の経緯と内容、問い合わせ先がわかる一切の文書。

2 不開示とした理由
 (1)対応等を文書としては記録しておらず、不存在であるため。
**********


■このように、わずかばかりの補完的なメールこそ出てきましたが、石原による3月27日以前の働きかけを示すメールは開示対象とされていません。何より、石原校長(当時)が在任中に人事に行ったとされる「お問い合わせ」については、文書不作成とされてしまいました。

 最後の補完的なメール情報2件分の開示を受けるため、郵便切手を添えて開示実施方法等申出書を返送すると、12月17日付けの送り状とともに以下の開示資料が郵送されてきました。

●石原名誉教授関連の第四次開示資料 ZIP ⇒ 20201217jisu_j.zip

 内容を見ると、メールの一通目は人事係長から功績調書の提出を要請された石原が3月29日に「了解しました」と返信したものでした。二通目は、4月19日、文科省から「うちの石原が長野高専在籍時にセクハラ研修を受けたか」と確認された長野高専が、理研の石原へ問い合わせを行ったものでした。情報としてはそれほど重要なものでないと判断したため、今回は文字起こしして取り上げません。そのため、内容をご確認されたい方は、上記掲載のファイルをダウンロードのうえ各自でお願いいたします。

■このように、石原への名誉教授授与経緯をめぐる調査では、第四次開示請求に至ってとうとう意味のある情報は出てこなくなりました。つまり、秘匿している情報の存在が新たに示唆されない限りは、開示請求という手段でこれ以上経緯を掘り下げることは困難であると考えられます。

 こうして、2019年10月8日の第一次開示請求に始まったイタチごっこが一応の終わりを迎えるまでに1年2か月がかかりました。この最初の開示請求では、「石原祐志への名誉教授称号授与にかかる検討及びその決定を行った過程に関する文書の一切」「実際の授与に関する文書の一切」と記載していました。「文書の一切」と書いたのですから、第二次・第三次・第四次請求で長野高専がようやくしぶしぶ出してきた資料は、本来この時に余すことなく開示されるべき文書だったはずです。また、そうしてくれていれば、時間と労力も無駄に使わずに済んだわけです。

○2019年10月10日:【出張!オンブズマン】石原名誉教授問題…キリのない杜撰体質の産総研・二枚舌の長野高専に開示請求!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3047.html

 それとも、これらの「後出し文書」については、「検討及びその決定を行った過程や授与行為に関するもの」ではない、とでも言い訳するつもりなのでしょうか。しかし後出し文書は、その内容からして、授与式の都合伺い(第二次請求で開示)や、「審議」に必要な功績調書の提出願い(第三次請求で開示)など、明らかに授与や検討の過程に関わるものです。そう考えると長野高専は、これらの文書を意図的に開示文書に含めないようにして、全容解明を遅らせるよう時間稼ぎをしていた可能性が高いものと推察されます。

■文科省高級幹部のお友達・佐野太の威を借りて分不相応な高専校長の椅子を得たあげく、長野高専を絶望と混乱のどん底に陥れ、極めつけには前代未聞の「名誉教授セルフ授与」を仕込んで同校を去っていった石原祐志。石原氏は、すでに満60歳に達しており、今年3月末に定年退職しての「逃げ切り」が確実視されています。その意味では、長野高専の「時間稼ぎ」も一定の功を奏したといえるでしょう。

 定年退職の際は、昭和60年の旧科技庁入庁から通算して、数千万におよぶ退職金が付いてくるものとみられます。そののちに、自分で自分に授与した「長野高専名誉教授」の称号をぶら下げて、どこに天下り再就職を果たしていくのか、注視していく必要があります。

 ところで、かつて寄生した雲の上の佐野太はというと、いまや公判で有罪が確定すれば退職金喪失の背戸際なのですから、皮肉なものです。長野高専校長の椅子と名誉教授のお土産をくれた大事なお友達なのですから、石原祐志もお礼と友情の証に退職金を山分けしてやり、見捨てずに助けてやるべきではないでしょうか。

■石原への名誉教授授与問題について、法人文書開示請求による経緯解明の試みは、今回おおかたやり尽くされたという見方でおります。したがって本件追及は新たな局面を迎えたといえます。当会では引き続き、別角度から調査と追及を行っていく構えです。

 もちろん、この前代未聞の悪事の片棒を積極的に担いだ土居信数校長と鈴木宏副校長の責任追及も急務です。あわせて、石原祐志が長野高専に残した負の遺産の数々についても、ひとつひとつ丹念に掃除の手助けを図ってまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局より】

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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…当会の上告理由書と上告受理申立書を最高裁第三法廷が棄却!

2021-01-15 23:56:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東日本大震災で発生した福島第一原発事故による未曽有の放射能汚染からまもなく10年の節目を迎えるこの時期。東電と行政と自民党群馬県連関係者らが仕組んだ県民の安全安心な生活環境を無視した無謀な木質バイオマス発電事業に対して、日本の司法の最高機関が、三権分立の機能を保てるのかどうかを示すかを判定する意味でも、注目された本件裁判の最終結果ですが、誠に遺憾ながら、年明けの1月12日付で、当会の上告が棄却されたとの決定調書が簡易書留で送られてきました。


 2019年10月31日に前橋地裁で全面敗訴となった東電グループの関電工による前橋バイオマス燃料・発電施設の差止を求める住民訴訟は、2020年1月6日付で控訴理由書を東京高裁に提出しました。その後、控訴審第1回期日が2020年3月9日(月)14時30分から東京高裁4階424号法廷でひらかれ、即日結審しました。その後、コロナ禍の影響で判決が遅れ、言渡しが行われたのは同6月22日(月)でした。一審判決全面支持の判決で原告敗訴が決まりました。そのため、地元住民の皆さんと相談の上、上告を決意し、7月6日に上告手続きを取り、2020年8月28日に上告理由書と上告受理申立書を提出していたところ、2020年11月5日付で最高裁第三小法廷から到着通知が届きました。それからわずか2カ月で、早くも上告審で、門前払いの棄却決定が通知されてきたことになります。

 なお、2018年4月25日(水)午後4時30分に開かれた第8回弁論準備以降、これまでの本件裁判に関する情報は次のブログ記事を御覧下さい。
○2018年6月15日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…6月20日前橋バイオマス補助金返還第9回弁論に向け原告が準備書面(8)提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2669.html
○2018年8月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月5日前橋バイオマス補助金返還第10回弁論に向け被告が第7準備書面提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2716.html
○2018年8月28日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月5日前橋バイオマス補助金返還第10回弁論に向け原告が準備書面(8)提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2737.html
○2018年10月2日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10月26日前橋バイオマス補助金返還第11回弁論に向け原告が証拠申出書を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2767.html
○2018年10月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10.26前橋バイオマス補助金返還第11回弁論に向け被告第8準備書面が届く
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2772.html
○2018年10月27日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10.26前橋バイオマス補助金返還第11回弁論準備でついに証人尋問決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2795.html
〇2019年1月22日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…1.30前橋バイオマス発電訴訟第12回弁論準備に向けて被告陳述書2通が到来!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2864.html
○2019年2月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金返還第12回弁論準備で4月24日に尋問決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2876.html
○2019年7月17日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金返還訴訟が7月17日に結審!判決は10月31日(木)14時!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2980.html
○2019年10月31日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス訴訟の10月31日14時の判決を傍聴しよう!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3061.html
○2019年10月30日:【速報】東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス訴訟で原告住民全面敗訴判決!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3065.html
○2019年11月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…原告住民全面敗訴判決のこれが全文!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3066.html
○2019年11月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…原告住民全面敗訴判決から見える裁判官の一分(いちぶん)とは
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3067.html
○2019年11月14日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス訴訟一審敗訴を受け原告が控訴状提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3073.html
○2020年1月18日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…控訴審第1回期日が3月9日14:30東京高裁424号法廷で開催
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3113.html
○2020年2月26日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…控訴審第1回期日3月9日が迫り群馬県から控訴答弁書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3120.html
○2020年7月7日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…6月22日の控訴審敗訴判決により、7月6日最高裁に上告!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3178.html
○2020年8月8日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…なんと福島県でも除染を隠れ蓑にした木質バイオ発電計画が進行中
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3188.html
○2020年8月28日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…当会が上告理由書と上告受理申立書を東京高裁第22民事に提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3197.html
○2020年11月9日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…当会の上告理由書と上告受理申立書が最高裁第三法廷に到着
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3235.html

■2021年1月14日に最高裁第3小法廷から届いた記録到着通知書の内容は次のとおりです。

*****決定調書*****ZIP ⇒ 20210112.zip
                     裁判長認印 ㊞
          調書(決定)
事件の表示  令和2年(行ツ)第260号
       令和2年(行ヒ)第298号
決 定 日  令和3年1月12日
裁 判 所  最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 戸  倉  三  郎
   裁判官 林     景  一
   裁判官 宮  崎  裕  子
   裁判官 宇  賀  克  也
   裁判官 林     道  晴
当 事 者 等  別紙当事者目録記載のとおり
原判決の表示 東京高等裁判所令和元年(行コ)第316号(令和2年6月22日判決)
裁判官全員一致の意見で,次のとおり決定。
第1 主文
 1 本件上告を棄却する。
 2 本件を上告審として受理しない。
 3 上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。
第2 理由
 1 上告について
   民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ,本件上告の理由は,明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。
 2 上告受理申立てについて
   本件申立ての理由によれば,本件は,民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。
       令和3年1月12日
           最高裁判所第三小法廷
             裁判所書記官  山之内 憲 二 ㊞

これは正本である。
 令和3年1月12日
  最高裁判所第三小法廷
    裁判所書記官  山之内 憲 二
**********

■前橋バイオマス発電事業を巡る東電グループの関電工とトーセン、さらに群馬県森林組合連合会等、さらにそれを支援する群馬県行政とその政治的圧力を加える自民党群馬県連、これらの政官業の癒着により、この亡国事業は計画されました。そして、群馬県北部等の放射能汚染地帯である森林地域から間伐事業の名目で、緑の県民税などを源資とする補助金により切り出した木材をチップ化してバイオマス発電燃料にし、発電された電力を東電がFIT制度で高く購入すると言う、まさに東電の原発事故の除染作業を補助金漬けで賄うものです。

 本来であれば、バイオマス発電は、健全な森林管理の副産物として小規模に成り立つべきものです。しかし、前橋バイオマス発電事業は、東電の福島原発事故で広範囲に放射能汚染された群馬県北部や西部の除染を行うとともに、補助金漬けの森林行政に群がる関係者にも寄与することを目論んだものでした。

 そんなことは全く知らされていなかった赤城山南麓の風光明媚な静かな環境にある住宅地を購入して住んでいた住民のかたがたは、2015年5月連休中に、突然響き渡るボーリング機械の騒音に驚かされたのでした。それが、関電工が主導する前橋バイオマス発電事業を、周辺住民の皆さんが初めて気づかされた瞬間でした。

 2015年6月24日、前橋市内在住の方から当会に、「2か月ほど前から杭を打つような騒音が町中に木霊し、2週間ほど前から業者の担当者が一部の住民に資料を配り始めた。調べてみると、電力中央研究所赤城試験センターの敷地内に関電工が木質バイオマス発電所を9月から建設を開始する計画があるという。建設場所は赤城ニュータウンからわずか100mであり、大気、水、土壌など環境汚染や騒音等が極めて心配だ。住民への説明会も開かれていないので、なんとか計画内容を知りたいがどうすればよいか」との相談がありました。

 それ以降、当会のこのブログで地元住民の皆様の活動について紹介しはじめました。最初の記事は次のブログに掲載してあります。
○2015年9月8日:放射能汚染木材の大量燃焼で環境汚染をまき散らす関電工バイオマス発電計画の背後に見える政官業の構図
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1714.html

■以来、5年近くに亘り、当会は地元住民の皆さんに寄り添い、建設阻止、そして操業停止を求めて粘り強く反対運動の活動を続けてきました。しかし、補助金漬けの森林組合の組合長が自民党県連の重鎮で、国策会社の東電が筆頭子会社の関電工を起用して、放射能汚染木材のいわば焼却処理による廃棄物処理施設を、FIT制度を利用し、関電工が親会社の東電の福島原発事故の森林汚染の除染を行い、併せて、FIT制度で高額で電力を買い取り、その尻拭いを電力料金に転嫁すると言う本件事業の構図は、まさに政官業がスクラムを組んだ鉄壁の布陣が生み出したものでした。

 そのため、本来であれば、裁判で、正しかるべき正義がまかりとおるはずですが、またもや、ヒラメ裁判官(魚のヒラメは目が上ばかり見ている。 そこから政治権力の顔色ばかりうかがう裁判官を意味する造語。 この言葉を2004年、当時の最高裁長官が新任判事補への訓示で使っている)らによって、「正しかるべき正義がまたもや盲(めし)いられた」ことになります。やはり国策会社の東電に関わる事業は、「なんでもあり」で、裁判でも「不敗神話」が現実のものとして、安心安全な生活環境を守ろうとする住民に立ちはだかります。

 前記の「ヒラメ裁判官」について解説している西日本新聞の2020年7月4日社説・コラム「ヒラメが泳ぐ裁きの海」では、憲法で身分を保障された裁判官が公正に判断するはずの「裁きの庭」が、ヒラメにならないと生きていけない「裁きの海」になっているとしたら、この国の三権分立は危うい、と締めくくっているが、最高裁がこの有様では、既にこの国の三権分立は崩壊し切っているのが現実です。

 住民の皆さんからは、「残念な結果になりましたが。まだ諦めた訳ではありません。今後ともよろしくお願いいたします。」「こんな簡単な言葉で片付けられてしまうのでしょうか。しかし、憲法違反の議論の機会さえ門前払い。許せません。」「残念無念ですが、ずっと隣接地に住み続けなければならないので、引き続き騒音や放射能問題など、行政とのコンタクトは継続しつつ関電工の亡国事業を注視していきます。」などとする遺憾と不屈のコメントをいただいています。

■不合理な実態を肯定してしまった我が国の司法のトンデモ判決ですが、それだけにこの結果がもたらすさまざまな矛盾について、関電工や行政に説明を求めていく必要性を感じているところです。

 県内外でバイオマス発電という名のもとに再生可能エネルギーを装った亡国事業がいろいろ計画されています。今回の活動の経験を活かして、そうした事業計画に警報を鳴らす関係住民との連帯にも取り組めたらと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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