前日とは打って変わって、お持ち帰りしたいほどの晴天。
美味しいコーヒーと朝食をご馳走になった上、先輩の車で、駅まで送って頂いた。
8:59発盛岡行きで北上まで。そこから、一両電車横手行きに乗り換える。
薄らと積もった雪がまぶしい「ほっとゆだ」駅で途中下車。次の横手行きまでは三時間半。
車中、温泉だけでは持て余す時間の使い方をずーっと考えて、ふと、妙案が浮かんだ。
駅裏の川尻神社から始まるトレッキングルートを、十何年ぶりに歩いてみよう。
JR東日本「駅からハイキング」にも載る、錦秋湖を望む『かもしかコース』全長4km。
計算違いだったのが、想定外の雪。今さら、後戻りしたくない。天気も最高だし。
雪は10センチ程度、この先もこの程度であることを川尻神社に祈願して、出発。
いきなり「きつい坂」ときたか。どっこい、ただの六十路ジジィじゃないぜ、ボクは。
でも、これは、ほんの序の口。この先、いろいろありました。
雪で迷いそうになることもありましたが、雰囲気を頼りに歩を進めました。
圧倒されるような真っ青な空と冬木立の美しさに感動!!「来てよかったあ!!」
こんな感じの尾根道が続いています。あちこち、立ち止まっては、パチリ。
他に人の歩いた形跡はありませんが、この雪の程度なら、問題なさそう。
登り始めて20分ほどで、木立の先に「錦秋湖」が見えてきました。
葉が落ち切った、この時季ならではの冬木立と錦秋湖の眺望が、なんとも、美しい。
案内板には、1548mの焼石岳を最高峰とする錦秋湖南側の山々。
防寒着はリュックの中。上着を脱ぎ、更に、ラグ・ジャーを脱いで、シャツ一枚。
結構、いい運動です。 登り始めて45分ほど、ここで、ちょっと小休止。
門外漢ですが、これは「ブナ」ですよね。その存在感に思わず、「お、おっ!」。
登り始めて約一時間。北に眺望が開ける展望台。
スタート地点の案内板にあった標高447mは、多分、ここ。
眼下に湯本温泉、更に、沢内村かな。遠方の白い頂は、和賀山塊最高峰の和賀岳1439m。
天気は最高、カモシカコース最高の眺望に、ボクの感動も、最高峰!!
靴に入った雪をこまめに払っていましたが、途中から諦めた。靴の中は、びしょ濡れ。
この程度の不快感は、この素晴らしい体験に比べれば、どうってことない。
青空に映える冬木立の美しさを体感するのは久し振り。
スキー場から遠ざかって以来、こんな冬の風景とも、ご無沙汰になっていた。
実は、少し恐怖感を抱え、びくびくしながら、歩いていたのです。
ウサギと思しき足跡ばかりと思っていたところに、「デカい・・、まさか、クマか?」
クマ除けの鈴の代わり、♪♪ ここラグビー部に 栄あれ 栄あれ・・と、歌いながら歩いた。
「ガサッ!!」という音がするたび、肝を潰しながら。
後半の下り坂は難所が多く、頼りなく張られたロープでも、助かりました。
登り始めて一時間半、疲れを感じ始めた足腰。早く、温泉入りたい。
これは珍しい。 分水嶺・・、いや、分雪嶺??でしょうか。
二時間足らずで、川尻保育園側の登り口に到着しました。
思えば、少し無茶だったかもしれませんが、好天気に助けられました。
でも、暖冬のこの時季、クマって、どうなんでしょ・・、もう、起きてますか?
横手行きの時刻まで、一時間ちょっと。温泉で疲れを癒すには十分です。
駅向かいの「湯夢プラザ」で、湯上りに飲んだ、自販機のブレンドコーヒー120円。
ナント、美味しかったこと!!。
さあ、あとは帰るだけ。14:23発の横手行きを待ちます。
横手で奥羽本線に乗換え、新庄へ。陸羽西線余目行き18:30まで、二時間の待ち。
駅近くの飲み屋を物色。チェーン店ばかりで足が向かず、駅待合室で、ちびり・ちびり。
温泉に浸かってから、ずーっと裸足。靴の中も濡れたまま。
でも、楽しかったなあ。
最後の乗換え駅 余目(あまるめ)。鶴岡到着は19:35の予定。
コン先輩・キクちゃん、大変お世話になりました。
おかげ様で、とっても素敵な二日間になりました。
神様が導いてくれたとしか思えない「絶景」。
すばらしい命の洗濯ができた。