いつもの駅前とは違う異様な空気を感じ、多少パニックっているチビ。
視力が衰えているから、尚更、何のことやらだよね。
花火会場までのシャトルバスへの乗車待ちの人たちの列だ。
大会当日の夕方に駅前広場に来たのは初めてのことで、ボクもここまでとは・・・
一年で唯一、この町の歩道が歩道らしく思えるぐらいの人が歩く一日・・・いや、時間だ。
いつもはあっちブラこっちブラと歩いているボク等だけど、今日ばかりは気を使ったよ。
どうなってんだよと言いたげなチビ。
チビよ、用が済んだらお前を家に送って、ボクは三代目んちに戻らないといけないんだ。
ブラインド越しの花火でボクは十分さ。
それに外は結構な雨が降っているしね。
三代目んちに泊まる日は、土曜日が多いんだよね。
土曜の夜は、寺さん・・・いや、寅さん。
当時、劇場では一度も観たことがないし、そんなに好きだったわけでもない。
今になって、何故か、映像を通して盛岡時代の色んな感情がこみ上げてくるんだよね。
寅さん映画に、ボクは何を観ているんでしょうね。