夕方、いつもより少し早めの時刻、チビを赤川堤へ連れ出した。
もちろん、チビは満開の桜並木のことなんて眼中になし。
くっきりすっきりの霊峰月山を背景にパチリ・・・、遠く月山を眺めるでもなし。
チビは、こういう広い場所はあんまり好きじゃないみたいだね。
チビの視界も良好というわけでもないし、尚更かな。
シェルティのクッキー姉さんは、ここでよくフリスビーを追いかけていたんだぜ。
オレは狆(チン)だぜ、お座敷犬なんだ。牧羊犬じゃねえよ・・・・
拗ねたのかい、チビよ。
そこの匂いじゃないよ、おまえの頭の上だよ。
ボクに分からないけど、桜の香りがしてこないかい。
桜並木の表情が、ボクが走った朝の時間帯とはまるで違うね。
なんか、とても優しい表情をしている・・・、穏やかな日の光のせいかな。
月山もそんな優しい表情をしている。
ボクが走っている時にも、そういう姿を見せてほしいよねえ。
ワタシはあなたの心を映す鏡です。もっと楽しく走りなさいよ・・・って言うかあ。