赤川堤に新しい桜並木の一本一本が植樹されてから、もう30年ほど経つなあ。
厳冬期の風雪には耐えられないと思ったほど、どれもこれも華奢な幼木だったのにね。
ボクが赤川堤を走るようになってからだと、50年ほどかなあ。
おそらく、ここでボクが行き交うランナーのうち、今はボクより年上はいないだろうな。
いつかはボクもここから足を洗う時が来るんだろうね・・・
癒えない腰の痛みを気にしながら走っていると、今まで思いもしなかったことが浮かんでくる。
何のために・・・と自嘲気味に走り出しても、走り終えた後はいつも清々しいんだよね。
いつまでもその気分は味わいたいよ。サボりっ気のあるボクには楽なことではないけどね。
もうじき赤川堤を離れ、白い道を走るようになるんだなあ・・・冬が来るよ。
その時も、何のためにって考えながら走っているんだろうけど、春まで走り切れるかい?
走るよ、走るさ。
盛岡から帰った日の翌日、バイクを三代目んちの玄関に納めた。
来春、再び安全なツーリングを楽しむためにも、この冬も頑張って白い道を走らなきゃねえ。
今夜は、愛車と一緒、三代目んちに泊まり込むことになっちまったな。
なかなかこっちの家業は身につかないねえ、たぶんこの先もずーーーっとだね。
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