てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

岡山県立図書館

2008-07-22 12:37:35 | 暮らしと生活





岡崎さんから山火事の一部始終を教わるくだり

 昨日の音楽発表会の会場となった岡山県立図書館は、県の財政状況が厳しい中で約140億円の巨費を投じて2004年(平成16年)9月に旧丸之内中学校の跡地に開館した。全国に誇る大きな中央図書館である。
 日本図書館協会の調べによると2005年、2006年度の入館者数および貸出冊数は全国トップである。特に2006年度の入館者数は100万9337人であり、全国で唯一100万人を越える入館者を記録している。休日には入口から近くの道路に行列ができるほどの大盛況であると聞いていた。

 昨日はコンサート開演前を利用して初めてのぞいてみた。早速試しに『スガレ追ひ』(井伏鱒二)を検索し、カウンターで待つこと10分ほどでお目当ての本が出てきた。
 小欄「2008/5/23 黒い雨」でも触れたこの本、ネット検索ではヒットするものの、何処の書店でもあった例がない。30年ぶりに念願の本を手にして、真っ先に件の岡崎さんが登場する数箇所を見出し懐かしく拝見した。ふとしたきっかけで、思いがけず探しものが見つかった感がする。

 病気療養のため牛窓を訪れた井伏鱒二氏が、一番に“新聞取次所”に出向く。そこで岡崎さんから地元の菅田内科や調停委員を紹介され、さらに調停委員からは牛窓近辺の見物に連れ出される。
 牛窓を引揚げ帰京してから、牛窓・阿弥陀山で起きた山火事を案じて岡山の親戚に問い合わせるが詳報が分からず、業を煮やして岡崎さんに電話で一部始終を教わる。
 『四月三日、牛窓の岡崎さんから來た手紙には、山火事の址は赤茶けて、ヤマザクラの木が芽を出してゐるだけだと書いてあつた。(昭和五〇・六「新潮」)』でこの章が括られている。

 同図書館の人気の高い理由として、蔵書の多さを挙げる人が多い。発売される書物の約7割に当たる年間5万冊を購入しており、蔵書数は85万冊で全国16位となっている。
 我が家から同図書館までは距離にして約5㎞。これまで本を借りて読む習慣はあまりなかったが、活用しないてはない。とても重宝しそうだ。
コメント (8)
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