日本の異能?

2011-01-25 14:15:19 | タナカ君的偏見
2011年 1月24日(月)NHKの番組「クローズアップ現代」では  飛び出せ!“異能”   ~日本の閉塞感を打ち破れ~

と題して IT関係の業界の中でなにやら蠢いている人達にスポットを当てた内容だった。 ベンチャーキャピタル側の人間も選考者側に含まれているようなコンテストがあって、そこでプレゼンする“異能者”達のアイデアに順位を付けたりする良く解らんマイナーな大会では、 世の中の様々な情報を解析して株式市場の値動きを予測して金儲けにつながるシステムの提案者をベスト・アイデアとして表彰する風景も映し出していた。 番組はグーグルやフェイスブックを立ち上げた人々の経済的・社会的成功例と番組に登場させた“異能者”なる人々への期待感を述べたりして締めくくっているのだが... ハッキリ言ってお粗末。

 だいたいにおいて、ベストアイデアに選ばれた株式市場で利益を出せるシステムなる物が完成したとして、そのシステムをあまねく世の人々に使ってもらい、大勢のシステム利用者が売買による利益を得られるか? 普通に考えたら、そんな事は実現出来るはずがない。 そのシステムの導きだす情報を利用する人々が市場に関わる資金量が相場全体に渦巻いている資金量と較べて無視出来るほどであれば、もしかしたら利益が出せるかもしれないが、 株式市場への参加者のほぼ全員がそのシステムの言う事を信じて投資行動を起こしたら・・・結果は見えていますね・・・、 そうです、その情報の裏をかく投資行動によって確実に利益を物に出来るのです。

 株式市場予測なんかじゃなくて、膨大な変数を入力して意味のある結果を安いコストで実現できるシステム構築方法の具体化案なら、 僕も少しは金を出してみても良いと思います。 今は国家プロジェクトとして大量の開発資金を投入して作ったたスーパーコンピューターの様な物を以てしても、入力変数の質と量の問題なのか、台風の進路や明日の天気もそれほどの精度で予測なんか出来てませんからねー。 しかしコンピュータが登場した初期の頃、マシンタイムを待つ利用者の行列が有った時代は、あくまでも計算機であったものが、PC登場以降のの各分野への進出と機能の拡張には目を見張るものがあります。 だからこれから、スーパーコンピューターが持つ機能を誰でもが利用可能な環境が出来たら、新たな分野での発展があるかも知れないぞ! と少しは期待をしてみます。

 ところで、今をときめくGoogleやFace Book、 彼らの創りだした物は、利用者の共感を呼ぶ便利さや楽しさを備えていた。 だから利用者が増え、その利用者あるいは開発者が目論むデータベースの拡張は、ある程度まで自分たちが利用出来る資源で拡張し、それを追い越す勢いで利用者が増えていった。 そして必然的に、その後の資金提供者や経営的手腕を持つ人材を惹きつける魅力も出てきたと思えるのです。
 それに引き替えて、繰り返しのボヤキになりますけれど、 大勢の人間の期待を担える可能性なんてコレッポッチも無い、多変量解析などと数学的化けの皮を被せた株取引システムの開発提案に期待を寄せて見せる(あるいは、振りをしてみせる)番組だったなー。 日本に住む特殊能力者の本当の姿はあの番組の登場人物で無い事を祈っちゃいます。 
コメント