三日月を彫った判子? 丸棒のサイズは 8Φ
先月の紅葉見物の旅からの帰り道、 Aちゃんの家に立ち寄った際に沢山の殻付きのクルミと小袋に入った殻から取り出したクルミの実を貰って来た。 それは自宅に戻ってからケーキ作りが趣味の妻の友人などに分けてあげたりしたけれど、 我が家にはまだまだ沢山残っている。 殻付きのクルミを食べるには殻を割って、 中から実を取り出さなくちゃならない。 今日の話題はクルミの実を取り出す工具を作った話です。
殻を割ること自体はそんなに問題は無い、 焼き肉の肉や炭火などを扱うトングを左手に持ち、 それでクルミの殻をはさみ、 尖った先端を硬いコンクリートに当て、 右手に持ったハンマーで上面を適度な強さで打撃を加えれば綺麗に2つに割れます。
問題はその先。 今年拾ったばかりで乾燥が不十分なためかも知れないとの話だが、 クルミは殻と実の間に空隙がほとんど無くて、 指先で摘んでクルミの実を大きな固まりのまま取り出すのがとても困難。 それでAちゃんところでは中身を取り出すのにどんな方法を用いたか聞いてみた。 そしたらどこかで買ったくるみの実を取り出すための工具を購入して、 それを使っているとの話で写真も送ってくれた。
写真を見たところ、 それは取手が付いた幅の狭い半丸の彫刻刀の如き形状をしたものだった。 我が家の近くではそんな工具を売っているのを見た事ないし、 しかし簡単に作れそうな気がしたので作ってみた。
材料 : 長さは10cmほどの M4 の鉄製ネジ。
使用工具 : ハンマー、 鉄床、 万力、
電動手持ちグラインダー、 グラインダー用荒砥
加工 第1段階 :
M4 ネジ頭とその根本のネジ部分を叩き潰して平坦な棒状に加工。
加工 第2段階 :
平坦加工した部分をグラインダーの円周部分を押し当て
U字溝 状態に加工
U字溝 の外側を研削し、 彫刻刀の半丸の如き形状に加工
加工 第3段階 :
ネジ材の棒状部分を緩やかなカーブとなる様に加工
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製作を終えた工具の形
Top写真はこうやって作った工具の先端形状を見るために、 メルトガン用熱可塑性プラスチック 8Φ に押し当てて撮影したものです。
実際にクルミの実を取り出す作業をした結果 :
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取り出したクルミの実
左側 本工具を使用して取り出した固まり部分 重量 14 g
右側粉状部分 小型マイナス時計ドライバを使用し、
溝の奥に詰まった残りの実の全部を掘り出した。 重量 6 g
大きな丸のままの実を取り出す事は出来ませんでした。
でもまあ、 作った工具はそれなりに役立ったとしておきます。