NHKを見ていたら,僕でも知っているDDTの歴史を放送していた。
なにより感慨深かったのが,DDTでノーベル賞を受賞していたこと。
そして,「生物濃縮」という言葉を僕は高校生物で習っていまでも記憶に残っているのだが,その恐ろしさが暴かれていく。
父や母のように,昭和10年代生まれだと,この写真のようにDDTをふりかけられた記憶もあるという。
とにかくシラミやらなにやらすごかったそうだ。
詳細は番組でも紹介しているが,生物濃縮の恐ろしさは水俣病,イタイイタイ病で日本でも認知されている。
懸念するのは,被害者救済の問題でなく,科学の運用の仕方である。
戦後,とくに日本は科学万能主義に陥っている。いまは,そこにインターネット万能主義が蔓延っている。
そこで聞き直したい・見直したいのがこのアニメ「ミクロイドS」である。
ミクロイドS~OP~(ミクロイドS)ED~(ヤンマだアゲハだマメゾウだ~アップテンポ盤)~(SE付き)~フルHD
歌詞に「こころを忘れた科学には 幸せ求める夢がない」というくだりがあるが秀逸だ。作詞者は,やはりの阿久悠である。
そう,DDTはまさに「こころを忘れた科学」だったのだろう。いや,開発者に悪意はなかったが,検証が不十分だった。
なにより,ノーベル賞を授与させてしまったことが最大の失敗である。
最後に,万能主義などという「原理主義」はあり得ない,ということを再確認させてくれたとてもよい番組とNHKに感謝する。