鉄砲や大砲製造のために造られた反射炉
階段状になった底部の石積み
壁面基礎部には亀腹石と呼ばれる石を用いている
柔らかなアーチでかたどられた機械工場の玄関
凝灰岩を丁寧に削り積み上げた壁面
硬い感じの壁面にやさしいカーブを用いた窓枠
機械の出し入れに使ったと思われる大きな扉
尚古集成館の入り口
百五十ポンド砲
■ 鹿児島市吉野町
■ 旧・集成館 / 国指定史跡
■ 竣工 機械工場 / 1865年 ( 慶応元年 )
国指定重要文化財
反射炉 / 1857年 ( 安政4年 )製造
尚古集成館は、歴代の島津家当主が愛した
風光明媚な磯の別邸 ( 仙厳園 ) に隣接する施設で、
ここには西洋式の産業・科学導入に先鞭をつけた日本近代化の聖地でもある。
鋳鉄・ガラス・紡績・機械などの生産に果敢にチャレンジした
我が国最初の工業コンビナートである。
薩摩藩はいち早く近代化の必要性を自覚し、
西洋の技術を学びながら各種工業への挑戦をはじめる。
そこには連錦と培われた日本の、そして薩摩の伝統的な技が基礎として根付いていた。
藩主となった島津斉彬は洋式軍艦の造船に着手する。
そこで磯の別邸近くに反射炉を設け鉄製鋳造砲の製作にも乗り出した。
他にガラス・紡績・印刷・通信などさまざまな分野の実験、製造に着手し、
集成館という我が国初めての多分野工場群を形成したのである。
薩英戦争で工場や事業の拡大につながったが、西南戦争によりその多くは廃燼に帰した。
尚古集成館関連施設へのアクセス
尚古集成館関連施設へは国道10号線を北に進み、
稲荷町の浄水場を過ぎてから300mほど行った左側に仙厳園がある。
その入り口に集成館があり、反射炉は仙厳園の中にある。
駐車は、入り口に有料駐車場がある。
なお仙厳園への入園は1,000円が必要である。