
大分県九重町松木にある二日市洞穴は、
耶馬渓溶結凝灰岩が松木川の侵蝕によって二つの巨岩に分離され、
形成されている。
その時期については明らかではないが、数万年前と推定される。
現在の松木川と洞穴までの直線距離は約100mで、
河床面との比高は9mを測ることができる。
洞穴で生活していた縄文人も、
また野山に生息していた動物にとっても、
松木川の水は生きていく上での重要な役割を果たしていたものと考えられる。
洞穴の西側には大分県指定の文化財である 瑞巌寺の磨崖仏 が溶結凝灰岩に刻まれている。
二日市洞穴は東に向かって開口し、開口部の幅は約6m。
現状の奥行きは約20mの細長い形状を呈している。
北と南の二つの巨岩に挟まれているが、
天井に一部は細長く吹き抜けになっており、
同様に奥の方も巨岩同士が接してなく、厚い土の堆積が見られる。
洞穴を形成している南側の壁は、
天井から地山までほぼ直線に傾斜しているのに対して、
北側の壁は下部で大きく湾曲し、
洞穴の空間を広げながら岩盤へと続いている。