まだまだ映画!
『あしたのジョー』である・・・
あの『あしたのジョー』の実写版、主演がジャニーズと聞いただけで普通の人は見に行かないだろう・・・
でも丹下役が香川照之と知って興味が沸いてきた!
香川照之といえば俳優としてそれほど有名じゃないときからボクシング雑誌で連載を持っていたほどのボクシング通である。
私自身、ボクシング雑誌を読んで香川照之の存在を知ったぐらいなのです・・・
そんな香川が関わっているボクシング映画なんだから、もしかするとガッカリ映画じゃないかもしれない・・・
そんな淡い期待とガッカリならガッカリでも良いやという気分で観に行った!
とある出張先の映画館のレイトショー
平日の九時過ぎ
今回ばかりは貸切かと思っていたら始まり間際にもう一人入ってきた
おっさん二人のレイトショーである
以下、批評!
もうね
オープニングからゾクゾクしてしまうのです!
なんか雰囲気がよく出来ていましたよ!
やっぱりボクシングシーンはさすが香川が出てるだけあってイメージ通り!!
ロッキーのような下手な猿芝居ではない、ちゃんとしたボクシングシーンがありました!
数あるボクシング映画の中でも一番の出来ではないでしょうかねぇ~
ジョー役の山下智久、力石役の伊勢谷友介そして丹下役の香川照之がすばらしい!!
少し残念なのが白木葉子役・・・ちょっとイメージと違うんですよねぇ~・・・なんというか、お嬢様の勝気な部分と弱い部分がうまくあらわされていないような・・・
とはいえ、俳優さんたち、演出家はよくがんばったと思うのですが、やっぱりだめだったのがところどころ変えられているストーリーとエンディング!
ジョーが力石と試合をするためにした苦労がまったく描かれいない!
力石がジョーとバンタム級で試合をするのは少年院で引き分けたという借りがあるだけではなくて、自分とは違う方法でのし上がってきたことに対する敬意や嫉妬なのである。
ジョーの苦労が描かれていない中では意味の浅い試合になってしまうし、バンタム級で戦う意味自体が薄くなってしまうのではないのか・・・
なんか大事な部分がところどころ抜けているように思えるのです。
エンディングも力石の死後、一年たって唐突に戻ってきたジョーと丹下が抱き合い、ジョーが力石の亡霊に誘われるように練習を始めるところで終わるのですが、これでは原作を知っている人はこの後のジョーの苦悩を考えるはずですが、原作を知らずにこの映画だけを見た人は良かった良かったと胸を撫で下ろしたはずで、原作を読んだ読まないでエンディングに対する印象が変わってしまうのではないでしょうか?
私は力石が死んで絶望感が漂うところで終わってよかったんじゃないかと思う。
最後の場面を無くしてもう少し細かなエピソードを描いて欲しかったというのが感想です。
エンディングの宇多田ヒカルの曲は映画全体の雰囲気に合っていて良かったんですけどね・・・
こんなストーリーにした脚本家は誰なんだろうと気になってエンドロールを見ていたら、女の人だったんですよね・・・
あのね、別に女性差別をするわけではないんですが、あしたのジョーはやっぱり少年マンガなんですよ!
男のマンガなんですよ!
サウナでジョーや力石を思い浮かべて痩せ我慢をする男の気持ちが女の人にわかりますか?
メタボのおっさんになってもそんなことを思い浮かべながらサウナに入っているんですよ!男は!
この映画の欠点はそこだと思います!
やっぱりあしたのジョーになると熱くなってしまいますよねww