Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

緑カリフラワーカレー

2013-11-02 | 料理
必然的に重くなりそうなリースリングを開けて行っている。特に2010年でなければ購入しなかったようなものは早く開ける。その筆頭がイーディック2010年産である。VDP会長のクリストマン醸造所の目玉グローセスゲヴェックスであるが、良いと思ったことは一度もない。それでも、購入したのは強い酸が効けばどうだろうかという期待があったからである。

鳥胸肉と緑のカリフラワーのカレー煮をしたのでそれに合わせた。緑のカリフラワーは初めて料理するが、おまけに八百屋で貰ったものである。やはり白い通常のものと比較すると売れにくいようで価格も倍以上する。しかし栄養素は、アスパラガスとは反対に光を浴びている分白いそれよりも豊富なようだ。調理してみて感じたのは煮崩れし難くて、最後までサクサクとした感触が楽しめる、ブロッコリーのような独特の味を持っていないので使える食材であるということである。

さて、ワインはカレー味には予想通り悪くは無かった。本来は、シェーンレーバ―醸造所のフリュ―リングㇲプレッツヘンを開けようかと思っていたのであるが、あまりに繊細過ぎて勿体ないと思って、ハーフボトルのイーディックにしたのである。今まで新旧合わせて最も良かったイーディックであった。それでもハーフでもその価格は殆どPC級に等しい。13.5%のアルコールがどのように効いているかはわからないが、例年に比較するとコムパクトな味筋で、酸も量感はあっても丸くなっている。明らかに石灰の減酸の影響其の儘で、偶々土壌との相性が良いので、違和感は感じなかったが、もはや置いておけば色だけが濃くなっていきそうな勢いである。クリストマン醸造所の醸造では2010年はあまりもたないに違いない。

食事との相性も良好で機嫌よく、どってりした味筋ながら楽しんだのだが、翌日人に試して貰うと苦いと言い出すのである。なるほど後味が正露丸とまでは言わないが苦汁である。食事のときには酸との相性で全く感じなかったが、土壌のミネラルというよりも明らかに醸造法の問題であると確信した。果実風味が豊などというような評価も一部ではあるようだが、実際はその正反対の還元醸造法からくる苦汁系のリースリングがここの特徴である。

甘辛の日本の食生活に何故か好まれ、本来ならば苦味に弱い日本の舌にもその点が問題となっていなかったのは不思議なのであるが、恐らく酸とのバランスのとり方でそのような印象を与えているのがここのリースリングの特徴なのであろう。残糖の後味に弱い私自身、人に指摘されなければ分からなかったのであるが、天然酵母での綺麗で繊細なリースリング醸造が如何に難しいかを改めて教えてくれたハーフボトルであった。



参照:
黒い森の新旧エコシステム 2012-02-15 | 料理
虫歯なしのお祝い事 2013-04-23 | 雑感
コメント
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