Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

技術と頭脳を駆使して解決

2014-07-17 | アウトドーア・環境
雨が上がって久しぶりのボールダリングである。前回が七月三日のようだから十日ほど登れなかったようだ。火曜日もまだ完全に乾いていなかったが、懸案の課題に挑むには問題無かった。雲が比較的多くても乾いていたので陽の高いときでも暑くはなく比較的気持ちよかった。

この課題に既に二日掛けて解決していなかった。前回から時間が経過したので感覚的には課題の内容を忘れていた。そこで、懸案の大きな手掛かりでの手の架け替えを試してみた。中々うまく行かない。基本は身体を左に振って。右手の手掛かりを上手に使うことなのだが、その前に左手をその下半部に掛けて、その上方に交叉させて右手を掛けて重心を更に下げながら右手への加重を強くしていき、更にその右手だけでは手掛かりが十分ではないので左手を肩口の細い縁に掛け直すところが難しいのだ。

ピアノの左右の手の交叉とは異なり、全身の体重を左に移動させて右手に加重する移行が難しいのだ。しかしそれでしか登り切る可能性はないので、その架け替えを練習する。そのために最初考えていたように、足掛かりを上に挙げてくると、更に後ろに引かれるので不可能なことが分った。クライミングは基本的に上に登る動きなので、出来る限り早いうちに足掛かりを上げていくのであるが、ここでは上げてしまうと手掛かりが使えなくなってしまう。

そこで、左右の交叉が終了して、右手に完全に加重してしまうまでは下部の足掛かりで我慢することにする。そこで、左手でぶら下りながら、出来る限り左足に加重を増やしていくのである。左足が比較的奥に入っているので、正直下腹部が刺激されて便意を催すような動きである。そして手が替えられたときに、登り切れることは分った。

しかし、座った姿勢から左手をその手掛かりに掛けるまで、先ずは右足を下の足掛かりに掛けて、縁を両手で掴んで、次に左足を庇の下の足掛かりに押し付けて、両手でぶら下りながら、、抜重出来た左手を伸ばすのもそれほど容易ではない。不思議なことに右手をその手掛かりに掛けるのは右足の二つ目の足掛かりが確りしていて角を右膝で挟み込むような体勢になるのでので静的に動けるのだが、左手を掛けるには角より少し右奥にまで伸びる縁の右手で十分に身体を引きつけて、左手を自由にしなければいけないので、若干動的な動きになる。

そして、左手を上の手掛かりの下半部に掛けて、更に左に重心を移動させるためには右足を最大限内側に挟み込む感覚で圧すような動きが必要となる。その状態でいよいよ右手を上部に掛けて、出来る限り掌や親指の形に合わせた場所を選んで加重るのである。通常のクライミングではなかなか練習不可能な高度な技術の核心部である。

最初の座った形から縁に指を掛けて、重要な手掛かりに移ろうとすると、どうしても右手を掛けてしまうのだ。それではそのあとが繋がらないことが分っていても、余程肝に銘じないと自然と右手が出てしまう。そして左を掛けて、重心移動をさせようとしてもとんでもない加重が左手の下腕に掛かり、これでは怪我のもとと、翌日を期待する。そもそもその次の右手が上部に上手に掛かってくれないのだ。

久しぶりのクライミングで、下穿きの靴下を忘れていたので、直にボールダー用の靴をはじめてはいた。やはりその方がしっくりくる。大きめなので問題なく足が入ったことも大きい。時々は直に足を入れてみるのも悪くはないと思った。翌日を考えたが、帰る前にもう一度試した。手に新しいチョークボールの粉をつけて、座って足を押し付けるときちっとした体勢が取れた。そして手の架け替えまで問題なく進んだ。初めてである。こうなればどんなことをしても登り切るしかない。その右手がよく効いている感じだったので、足掛かりも綺麗に上の掛けられた。終に解決した。

いつものように写真撮影をしようと思うと電池が切れていた、一週間以上使っていなかったのだ。ボールダーリングのもっとも至極素の時である。この課題、「美しいブロック」のバンリューアンフーつまりフランスの荒れた郊外の火事と称する。更に、横からトラヴァースしてきてここを登りきる次の課題が待っている。次はそれを試してみたい。

僅か三日を掛けたに過ぎないが、最初の見通しから、それを分解して試行錯誤の上試してみて、それを繋げていく。そして核心部に狙いをつけて繰り返し練習して克服する。最後に分解した行程を最初から最後まで通してみる。これまで試してきた課題の中で最も合理的にそして頭を使って解決した課題である。試すときに最も力を使ったが、解決策は必要最小限の力しか使わずに、高度な手の交叉や架け替え、庇の下の足掛かりへの加重や、同じ足掛かり上でので挟み込んだり押し付けたりの多用な使い方などとても勉強になる課題だった。明らかになにかが身について来ている。



参照:
煩わしさから開放される 2014-07-05 | 雑感
焦らずにこつこつと片付け 2014-07-03 | アウトドーア・環境
コメント
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