Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

何を差し置いても弔いに参列

2012-06-15 | 生活
独日協会の中心メンバーの一人が亡くなった。先週の金曜日のことだったようだ。長い付き合いなので仲間と言ってよいかもしれない。67歳とのことだったが、十年近く前にハイキングに行ったときも息を上げていたので、心臓に来たのは驚かなかった。牧師女史の話によるとそのころから問題があったことが分っていたらしい。

昨晩の電子メールをDLして中身を見ずに今朝新しいものを除くと、葬儀のことが書いてあって驚いた。葬儀に参列するかどうかも明日までゆっくり考えようと思っていたら本日だと分った。

時間的に難しいかと思い断念して弔電かなにかでお茶を濁すべきかと考えていた。久しぶりに森を走りながら、参列者はどれぐらい集まるだろうかなどと考えているうちに、これは何が何でも参列しなければいけないと思うようになった。

彼と最後に言葉を交わしたのはいつだったか思い出せない。最後の印象は新年会で古いカメラを弄っていたときのことだった。ケミカーであるが、典型的な機械好きで、様々なことをPCで試していたのだった。その写真を以って日本の美しさを教えてくれたのも彼だった。

特に写真とその扱いは幻灯までを含めてとても熱心であった。CDROMも貰ったことも、幻灯機についての話も何度となくしたものである。そのように思い出していくととても時間がなくて参列できないなどと言える立場ではなく、寧ろ社会的な関係として一人でも多くの参列者として参上するのは当然であると考えるようになった。

そもそも葬祭は残されたものへの慰めだと言うのが基本理念であり、出来る限り参列しないようにしているが、矢張り参列者があまりに少ないと、何年も前に日本人の奥さんを亡くし子供もいない氏の生前の静かな活躍と愛顧に不釣合いである。実際に参列者数は我々の協会からも僅か五人ばかりで、全体でも40人を超えなかった。

晩年に熱心に活動していて、矢張りそこで倒れたフラインスハイムの劇団の女優さんの弔辞などがせめてもの華であったかも知れない。最後の最後まで静かに活躍した典型的な技術屋さんの生涯だったように思う。本人に、化学工場などに働いていると命が縮むから、それを計算して年金額が多いのだと話したことがあるのを覚えている。



参照:
新年会の食事あれこれ 2012-01-20 | 暦
シネマよりもテアタァーだー 2009-04-26 | マスメディア批評
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緩い傾斜と緩んだ気分

2012-06-14 | アウトドーア・環境
疲れが残っている。大したところを登ったわけでもなく、二日しか本格的に登っていないのにである。テント生活もひとりテントだったので比較的良く眠れた。手首の調子も出かける前よりも良くなったぐらいである。

しかし、眠く、上半身に凝りがある。車の運転のためか長い懸垂下降のためか、それとも家族ずれに付き合ってのクレッターシュタイクにゆえなのかは分らない。なるほど長い距離を登ったのは間違いないが、歩いて上から降りてくる距離も意外に知れている。上へ上へと攀じたので、昨年の秋の24ピッチの斜めに斜めに登っていくよりも高度差も出る筈だったが、やはり傾斜が緩いのだろう。

それでも疲れが残るのは強い陽射しや俄か雨などの天候の影響が多かったからに違いない。二日目の登り出しは急に疲れのようなものを感じた。その後陽射しに射さされて爪先が痛くなってきた。そして8ピッチほどまで上がると漸く調子が出てきたのだった。

なるほどその場所でアドレナミン放出的な気張るべき印象に残る場所が出てきたりするのだが、やはりそうしたメリハリのようなものが必要なのは間違いない。そこからするともう一ランク上の困難度が続いていたとすると丁度にわか雨が来た頃に疲れが出てきていたかもしれないのである。

偶々、そうした時点で初めて真剣味が出てきたような按配だったのだ。逆にそこまで熱心に登ってきていた者はあの時点で可也ショックを受けたのは当然であろう。とは言い乍、掌が水浸しになるような状況で登った経験はこうして徐々に過去を思い出すぐらいだけである。

兎に角、大きな壁を登り切る準備はまだまだ出来ていないと言う印象である。もう一つ登れるスポーツクライミングの難易度を上げると同時にやはりもう一息のパワーがつかないと駄目であろう。



参照:
メッカでのオペラプリマ 2012-06-11 | アウトドーア・環境
只管上へ上へと攀じる日々 2011-09-25 | アウトドーア・環境
永いフィットネスの精華 2009-07-17 | 生活
腰にぶら下げる山靴の重さ 2009-07-19 | アウトドーア・環境
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犠牲にした捨て縄を補填

2012-06-13 | 生活
山道具を注文した。先週イタリアで懸垂下降を繰り返すときに犠牲にした捨て縄を補填するためである。捨て縄にした二種類は、どちらも良いものであったが殆ど使うことが無く、これ以上持っていたくないと言って犠牲にしたものである。

一つは長さも中途半端で、重さもあるマムムート社製のものだったが、セントラルビレーシステム用にはそれより細いDMM社製のものを利用するようになって価値がなくなっていたのである。

今回ネットで同じマムムート社製の軽く細いのを見つけて、それが半額になっているので飛びついて二種類の長さを注文した。これでまた軽量化が進んだ。

もう一つは狙っていた楔セットである。楔は一連のセットが無いと意味がないので、より数の少ないオフセッツと命名されたDMM社製のものを注文した。聞くところによると通常のものを補うとされるオフセットの方が砂岩では使いやすいということで、期待出来るセットである。

その他、カラビナセットを結ぶエクスプレスシュリンゲも新たなブラックダイアモンド社製のナイロンのものを注文した。重さが10G以上重く24Gとなるのが難点だが、硬めなのでこれはこれで使いやすい。ダイニーマやポリメイドに比較すると耐久力はあるだろうか。



参照:
もう一足は裸足にするか 2012-06-05 | アウトドーア・環境
アストロとヘリウムの差異 2012-06-02 | 雑感
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トレントの銘酒に触手を伸ばす

2012-06-12 | ワイン
北イタリアのアロマティコ・トラミナーは素晴らしかった。アルザスやドイツで言うゲヴュルツトラミナーなのであるが、別物と言ってよいほど繊細なのである。

シャドルネも試したが、そのエチケットがクライミング向けとなっていても中身はフランスのそれに比較すると重く、典型的な思いつくりの南欧のワインとなっていた。樽で味をつけてもいるのだろうが、そこまでやらないでも、フランスのそれのように軽やかながらも香り豊かな白ワインが出来るはずなのである。

それに比較すると、遥かに軽やかさどころか酸が美しくて感心してしまった。3011年はドイツでも辛口のトラミナーが出来上がっているが、この北イタリアのそれに較べると仕方が無いのだろう。この場合はドイツのものの方がどうしても苦味成分が強く出て、綺麗な酸を感じることがないのである。

それどころかトレンティーノの今回飲んだLAVISに関しては、アルコールが14%にも昇ってもそれを気づかさないのである。これは危険だがとてもよい今までに経験した最高のトラミナーであった。因みに2010年産であったのでもしかすると綺麗に酸が出ていたのかもしれない。

さて赤ワインは、これまた良かった。重苦しいものでもなくカルテラゼーヴァインのような軽薄さも無くストラクチュアーのある赤であった。調べるとマルツェミーノと言う品種はイセラに自生している葡萄のようで正しく名物であった。またトレントの南のこの町はレーヘンと呼ばれる中世の封建制度によってリーヒテンシュタインに属していたのである。

我ながら何処に出かけても銘酒への触覚が伸びていて逃すことが無いものだと感心する。




参照:
ワイン祭りを逃れてティロルへ 2012-06-10 | 生活
メッカでのオペラプリマ 2012-06-11 | アウトドーア・環境
芳醇なバラの香りの白ワイン 2012-03-24 | 試飲百景
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メッカでのオペラプリマ

2012-06-11 | アウトドーア・環境
ガルダゼーから帰って来た。こちらから出かけると北チロルから南チロルへとブレンナー峠を越えて、ドロミテに行くのと同じぐらい遠い。よって岩登りには全く興味の無かった地域であったのだが、予想とは反して登る壁の大きさに驚き、ビッグウォールが存在することも知った。

初日の岩登りゲレンデに続いて、翌日は三本合わせて12ピッチ、翌々日は14ピッチのところを12ピッチで雨のために撤退した。団体で女性と少年一人を含む八人の三ザイルシャフトとしては良く登った。

個人的には、つるつるになった足掛かりの使い方を練習したのと、なによりも我々のセクションの若手のホープとザイルを組んだことであろう。ウクライナ系の23歳の父親もチェルノブィルの時は既にドイツにいたようで勿論本人は全くそれを知らない。クライミングをはじめて僅か半年なのだが、大きな壁を代わり番こに登っても違和感が無いのだ。もう一二年で八級もしくは5.12を目指せるのではないかと言われているのが良く分った。

噂を聞いていて軽薄に行ってしまうタイプかと感じていたが、それとは反対に難しい場所を登っているのを見ると落ち着いたヴェテランのようなのだ。それでいて学ぶ能力も尋常ではなく、砂に流す水のように吸収してしまうので、こちらはいい加減なことは出来ず、いい加減にヴェテラン面をしても意味が無いだろう。

雨に襲われて、摩擦登攀の岩肌が滝のようになったときは流石に不安を示したが、我々でもそれは同じで、順番を変わって、なんとか誤魔化しながら登るだけのことなのである。

さてスポーツクライミングのメッカと呼ばれているガルダゼーであるが、その可能性はウインドサーフィンやその他のスポーツと同じように無尽蔵に近い。但し、どのようにそれを楽しむか使うかは個人差があるだろう。ヨセミテのそれに比較できるほどのビッグウォールは改めて登ってみたいが、その価値があるのかどうか?

それにしても、二人だけで登った100M足らずのルート「オペラ・プリマ」、困難度5bなのだがとても短くコムパクトで、今回最も気持ち良く登れた素晴らしいルートであった。


写真:オペラプリマの核心部第二ピッチ
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ワイン祭りを逃れてティロルへ

2012-06-10 | 生活
地元のワイン祭りの第一週末である。今年は木曜日が休日で、週末へと掛けて俗に言う長い週末となる。偶々、この期間お誘いもあって出かけることになったので、折角の初夏の静けさを喧騒で邪魔されること無く、心静かに北イタリアで過ごせる。

その成果は帰宅後の楽しみであるが、気温は低めで、夏の行楽地もまだそれほど賑わっていないことを計算に入れてある。

往復1300kmほどの旅となるが、ワイン祭りを逃れて、それほど強くない日差しの中で快適に過ごせることを願っているのだが、さてどうなるであろうか?
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徐々に備えるように鍛える

2012-06-09 | 雑感
月曜日に雨の合間を走った。先週は一度も走っていない。バーデン・バーデンに行って疲れたのかもしれないが、コンサートはとても疲れる。

もしかすると気温のせいかとも、またどこか健康状態が悪いのかとも思い、気合を入れて走ってみた。走り出しから重心が上手く落ちて推進力を感じる。なにか走り方が改善されたようで、ふわふわしないのがよい感じだ。

いつもの計測点で予想通り11分しか経過しておらず、次のカーヴまで走り続けた。14分はとても良い通過記録であった ― そのまま峠まで走り抜ければ20分を割っていたかもしれない。

降りは、先日来痛む腰をかばってゆっくりと足を進めた。腰の痛みは、先週水曜日と金曜日にザイルにぶら下がったからだと原因は分っている。

新しい安全ベルトを使うようになってから、腰の痛みは大分改善された。それでもこうして腰が痛むというのはやはり限界があるというとことで、腰の筋力の一部を鍛えなければいけないのかもしれない。

少なくとも致命的に身体を壊さない限りは徐々に備えることは出来るのだろう。
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お取り寄せする価値の無い商品

2012-06-08 | ワイン
シュロース・ザールシュタイン醸造所のピノブランを試した。以前にも試飲したかもしれないが全く記憶に無い。

結論からすると、態々ザールまで取り寄せ注文する必要のない商品である。そもそも開発のコンセプトは、ザール流域のお客さんのために酸の強いリースリングではない、魚などにも合わせ易いブルゴーニュを提供することにあるのだろう。そのブルゴーニュでもピノブランであるから飲み心地がよければそれで良いのである。

なうほど、ここでもステンレスの樽と培養酵母で綺麗に清潔に造ってあって文句のつけようが無い。それ以上に酵母臭さを敢えて残しているようで、恐らく酵母に反応させている時間を長く取ってあるのだろう。これは無味乾燥な味となることを避けているようで、利点とも欠点ともどちらとも言えない。

逆にそうした醸造のノウハウがリースリングの醸造にも通じているようで若干しらけさせてしまう事があるかもしれない。酵母感はミルキーな感覚を漂わせるので、ブルグンダーには良いのだろうが、リースリングにはあるべきものではない。

これからお試しパックの中から上位のリースリングを開けていくのであるが、そのときに同じような酵母感があるのかないのかなどがどうしても感心事となってしまう。その酵母感が天然酵母の縁のものであるならばしばらく寝かせてから楽しむことが良いかもしれないが、培養酵母の味は矢張り御免なのである。そして最後の酒石でもない粉粉のなにかが残るのだ。あれは調整に使ったものではなかろうか。

価格8.50ユーロ、ヴァイスブルグンダー好きな人はそれで良いのかもしれないが、飽きずに何本も飲めるだろうか?一本や二本や美味しく飲めてもそれは美味いワインとはならない。ワインなどは最低半ダースを飲んでから評価をすべきである。



参照:
漸く届いたザールからの小荷物 2012-06-01 | ワイン
エコノミラートとは農業顧問官 2012-05-25 | ワイン
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ファイヴ・イレヴンへの道

2012-06-07 | アウトドーア・環境
先週の水曜日も南プァルツへと向かった。珍しく東から入り込んで来る寒気で東から落雷雲が発生して行った。その入る場所によっては南から崩れて行っていたので、午後には南プファルツで豪雨がレーダーで観測された。ここワイン街道は、まだ光が差し込んでいて完全に乾いていた。

午後二時ごろに南から電話があって大雨だと言う。やり過ごすまで待ってからもう一度話そうと言うことにした。再び電話が掛かってきた三時半ごろには最後の強い光が射していたが完全に乾いていたので、こちらで少し登ってみてはどうかと提案すると、南は降り止んだので行けると言うのだ。そこから急いで準備をして四時半に南プファルツのトリフェルツ近くで待ち合わせとした。出かけるべく窓を閉めると豪雨がやってきて、雨の中のお出かけとなったのだった。予想通り、道に水が溢れる状態で出発したが、南は完全に乾いていた。

いつもの如く、クラシックなルートを登った。二度目であるが、前回は只只管に後を追っただけだったので、いつ頃どのようにして登ったのかの記憶も薄い。確かなのは、自分で移動用の支点の楔等を設置した訳ではないので、今回が実質的に初めて正式の登攀となる。細かい形状などは記憶に無かった。

困難度五級のルートは全く技術的には問題が無い筈なのであるが、楔等を数個掛けるのが登るよりも仕事であり、場所を探して身体を固めて設置するのにはそれなりの体力とバランスが必要なのである。それでもまだ中間支点の数が足りないと言われると中々きつい。

30Mと30Mの二ピッチで岩峰を上がるので、アルプスの大岩壁とは異なり長く60M一杯ザイルを伸ばすのでなく、余計にその中間支点の数も多めに要求されることになる。やはり岩壁の摂理が小さいのである。

頂上から懸垂下降二回で降りてきて、トップロープで各々オヴァーハングや垂壁を試した。右手首の返しが厳しそうなのでオヴァーハングを辞めて垂壁に焦点を当てたが、結果とても難しくて手が出なかった。正しく足掛かりは小石の出っ張りなどに幾つか見つかるのだが、とても重心が取れないのである。正に手掛かりが無いと手が出ない。

厳しそうに見えたオーヴァーハングへの掛かりのルート以上に困難に査定されていて、個人的に今まで南プファルツで挑戦した最難関のルート取りとなった。7級プラスつまり5.11である。摩擦登攀はソウルのインスボンなどで経験しており通常の者よりは自信があるのだが、あの傾斜で手掛かりを押し付けて登るような技術は身につけていない。恐らく靴も今のものよりも重心がより壁に近くなるようにずり上がる風のクライミングシューズの方が可能性があるのだろう。そもそもファイヴ・テンでは駄目だったのだ。来年の目標が徐々に浮かんでくる。



参照:
岩峰に立つフリードリッヒ 2012-05-26 | アウトドーア・環境
雑食砂岩で新しい靴を試す 2012-05-14 | アウトドーア・環境
垂壁の5.10への米国製靴 2012-03-22 | 雑感
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核後進国の苦悩と悲哀

2012-06-06 | 歴史・時事
金曜日の車中、連邦政府でアセの核廃棄物最終処理場の埋め戻しの話題が政治課題としてニュースとなっていた。SPDのガブリエル前環境大臣がイニチャティヴを取っている。

なによりも問題となっているのはアセの炭鉱が水没化していて、そこに埋められている中程度までの核廃棄物を再び掘り返して移動させる世界でも初めての試みに迫られている事件とその対応処置である。

連邦共和国は原子力の発見から最先進国であり続けていて、核廃棄物の処理に関しても最先端を走っているとしても構わないであろう。そこにはNATOの枠内で核権益を捉えることが出来た背景が、現在の日本政府の驚くべき魂胆から、逆に演繹的に浮かび上がるのだった。

こうした現実問題が政治議題化しているベルリンと、未だに核廃棄物の具体的な処理すら十分に議論されていない東京の国会ではその先進性が遥かに異なる。矢張り、あらゆる面において日本は後進国であることを、有権者自らが選択しているのである。

そのように考えてくると、広島・長崎に最初の原爆が投下されたこと、その直後にドイツの各地では反核デモンストレーションが起こったこと、全て歴史の一幕一幕が継続的に密接に絡み合って進行しているのが見えてくる。歴史化とはそうしたプロセス指すのであろう。



参照:
非核を推し進めるのか、否か? 2012-06-04 | マスメディア批評
秘密外交の達人を驚かす 2012-03-25 | マスメディア批評
二十五年前の市民の連帯 2011-08-13 | 歴史・時事
現実的エネルギー政策 2006-10-18 | アウトドーア・環境
福島の最終作戦に固唾を呑む 2011-03-12 | アウトドーア・環境
プルトニウム爆弾の特許申請 2011-11-23 | 歴史・時事
ベルリン、原子力の創世と終焉 2011-07-07 | 歴史・時事 
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もう一足は裸足にするか

2012-06-05 | アウトドーア・環境
先の金曜日、石切り場で一部気になっていたところを登った。最後の出口の所がどうも難しいのだ。そのルートの名称ティームアルバイトが示すようにザイルの助けで被り気味の所を突っ張って立ち込めないといけないのである。恐らくザイルの助け無しには立てないであろう。

そこに立ち込めてからが本当の課題なのであるが、それは一手で上のエッジに手が掛かるので、手が掛かれば最後まで放さなければ棚の上に立ち上がれるのである。つまり戦略的にほかの方法が無ければそれしかないのである。

しかし最初の課題箇所は寧ろ他の可能性もあるように見えるので逆に時間が掛かった。結局他の方法はなかったのであるが、こうした戦略を選びかねる場所が可也この程度の困難度の場合には多い。

よく言われるように三級のルートの方が何処でも登れそうなのでルートファインディングが難しいように、六級の箇所の方が七級の箇所よりも可能性があるのでその選択が難しく、より安全で確実な方法を決断するのに骨が折れるのである。

その隣の七級マイナスのルートをトップロープで登った。久しぶりの挑戦であったのでとても難しく感じたが、戦略が分ると次は登れるかもしれない。三回目に登れれば十分である。

問題は矢張り足場の作り方であって、点ではなくて上手に面で加重できる靴の方がよい場所がここでも見つかった。靴の種類や性格によって使える技術が変わってくるので、クライミングシューズは間違いなく補助道具である。ザクセンのクライマーのように裸足で登らなければいけないというのは本当は理があるのだ。

そもそも道具に拘るのはスポーツ精神に反すると言う考え方は当然であるのだが、道具を使わなければいけないならばそれを使いこなさなければ意味が無い。それを教えて貰ったのはスキーとスキー靴への拘りからであったのだ。スキー靴に関しては世界の先端のその一端を見るようになって尚更良く分るようになった。クライミング道具への拘りはそれとなんら代わらない。シューズなどでもまともなブランドの商品は、そのコンセプトがはっきりしていて第一線の運動家のノウハウが詰まっている。それを使いこなせるかどうかが求められているだけなのである。


写真:既に話題とした今年最初の克服した大きな課題であった大きなクラック。左右のずれこそがここに走る断層のずれそのものなのである。ライン平野の沈みである。



参照:
只管上へ上へと攀じる日々 2011-09-25 | アウトドーア・環境
災い転じてプレートを発見する 2010-04-07 | アウトドーア・環境
割れ目を攀じ登る楽しみ 2012-05-07 | アウトドーア・環境
危険と背中合わせのスピリット 2011-08-22 | アウトドーア・環境
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非核を推し進めるのか、否か?

2012-06-04 | マスメディア批評
野田首相が選挙に打って出ると言う観測をFAZが報じている。その二つの条件は消費税と核政策の保持である。核政策の保持とは、大飯原発を再稼動さすことで今後とも日本は核エネルギーを使い続けることを世界に示すことであると新聞は解説している。

このことは、MBS「たね撒きジャーナル」にて原子力反対の弁護士でありかつ「大阪府市エネルギー戦略会議」の特別参与の河合弘之が語っていることと符合している。つまり、夏の期間の電力不足を補うための一時的な稼動などはそもそも政府の核政策にとって受け入れられるものではなく、決して暫定的な再稼動と脱原子力発電の最終期限などを決定しないことは、先ごろの今後のエネルギー政策の「不決定の決定」で後押しされた形になったと新聞は書いているのである。

日本国民は、もはやこうした政治の駆け引きや事実を伝えないマスメディアを当てにしてはいけないのである。田中龍作ジャーナルは、そうした事象を伝えている。フクシマで起きていること、不安な人々の動きを見て、もはや「あの時は知らなかった、知らされてなかった」などと、当時のナチの政権下で知らぬ顔で日常生活を送っていたドイツ人たちのような態度は取れないのである。

強い意思を表明するしかないのである。非核を推し進めるのか、否か?もはやそれ以外の選択は無い。民意を代表しない政府や立法府や行政府などにその正統性が存在する筈が無い。なんとしてでも阻止をするべく蜂起するしかないだろう ― まさかこれほどまでに核への強い意志が日本に存在しているとは思わなかった。



参照:
Japan steuert auf vorgezogene Wahlen zu, Carsten Germis, FAZ vom 1.6.2012
[1/2]たね蒔き「大阪府市エネルギー戦略会議って、なに?」 (YOUTUBE)
【福島県健康調査】 山下副学長のおふれ 「カルテ見せず」「再検査2年後」 
【大飯原発再稼働】 官邸前 怒りの2,700人「民意は明らかだ」 (田中龍作ジャーナル)
☆ 橋下市長は関西財界との打ち合わせどおり、再稼働に寝返りした! (風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句)
日本を照らす原子力! 2012-03-11 | 生活
強い意思と「努力」あるのみ 2012-03-12 | 文化一般
自由の勝利を自ら掴め! 2012-03-27 | マスメディア批評
核政策へのレクイエム 2012-04-06 | アウトドーア・環境
それでも生きていたいのか? 2012-04-09 | 文化一般
秘密外交の達人を驚かす 2012-03-25 | マスメディア批評
さようならは言わないで 2011-09-20 | アウトドーア・環境
起死回生への自転車行脚 2009-08-30 | 歴史・時事
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労働に対する適正な報酬

2012-06-03 | 文化一般
ドイツのプロの重量挙げ選手キミコ・イシザカの弾いた「ゴルトベルク変奏曲」がネットで話題となっているようだ。ベルリンのテルデックスタディオでベーゼンドルファーの協力でプロフェッショナルに録音されたものがキックスターターズのクロウドでオープンソースとして提供されているからだ。営業用にも何に使っても全く問題ないという。

勿論乗用車一台分の通常の費用をかけて制作されたものであるから、YOUTUBEで紹介されているようなアマチュアーのそれではないが、イシザカはグレン・グールドではないのは当然で、強い打鍵とあまりに直裁的な些か暴力的なものであるようで、プロフィールが語るように普通のピアニストでないことを証明しているという。

この事象は、先日来から話題となっている海賊党の主張やとりわけその著作権法への懐疑に密接に関わっている。具体的には、本来の著作権とパフォーマンスなどによる隣接権の話となる。当然のことながら録音制作などで稼げる演奏家などは世界に数えるほどしかいないのであり、多くの巷の演奏家の例えば廉価レーべル「ナクソス」などの制作に無料で寄与する無報酬録音制作でも自らの演奏活動を世間に広く知らしめたいという欲求に叶うなのである。

その一方で、この記事やそのネット公開へのカンパのありようが示すように、「芸術家」の自己宣伝の目的には全く寄与することの出来ない「技能者」としての職人的な制作の裏方が存在して時間当たりの報酬を得ることでしかそうしたプロフェッショナルなプロジェクトが成立しない経済の掟を示している。その経済の掟の中での労働を、只の金儲けで芸術に寄与しないとするのは、そもそもの創作への保障を意味する著作権の根本理念において矛盾しているのは当然なのである。

演奏家によって無料で演奏される楽曲が、著作権の生きている比較的新しい楽曲の場合は、自動的に著作権が徴収されるのは当然なのだが、バッハなどにはそうした権利はもはや存在しない。そこで再現芸術家の演奏家が隣接権を主張するのだが、そしてそれも放棄された場合、制作されたものならばそこに新たな隣接権が発生する。

要するに著作権と呼ばれるものは、過去の名曲の上演やそうした名曲を披露する場所では一切発生しないのであるから、興行として大きな経済的な効果があるときは必ずエンターティメントとして扱うのが当然であり、芸術活動とは一切関係ないとすることも出来る。



参照:
Was ist dieser Bach wert?, Jonathan Schaake, FAZ vom 1.6.2012
The Open Goldberg Variations, by Kimiko Ishizaka
アドルノ先生とすべき議論 2012-05-12 | マスメディア批評
海賊党が問題提議したもの 2012-04-22 | 文化一般
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アストロとヘリウムの差異

2012-06-02 | 雑感
注文したカラビナ二種が届いた。ネットショッピングの問題点は手にとって見なければ分らないことがあることで、クーリングオフがその場合は有効だ。

しかし、ある程度は予想していていたことを確かめるだけのこともあり、返品までにいかないこともある。先ずは軽量化と高品質化を兼ねて、ワイルドカントリー社の軽量カラビナエクスプレスセットを注文した。現在使用しているものと比較して、カラビナ二つ1セットで62Gなので、30Gほど軽い。つまり3セットで90G軽くなる。つまりもう一つ購入したHMSカラビナを足してもまだ軽くなるのだ。

HMSとはハールプマストジッヒャールングの略で、これは幾つあっても重くなるだけで邪魔になることは無い万能カラビナなのである。使用中の軽量のマンムートカラビナと同じシリーズであるが、軽量のものとは異なって、大振りなので大変使いやすそうである。因みに色はバサルトつまり玄武岩色となっている。スクリューの安全環もとても良いもので回し難く感じた事がない、流石にメードインスイッツャーランドの品質である。

さて肝心のワイルドカウントリーの「アストロ」であるが、以前にも人が使っているのを握った記憶がある。そのときも小ぶりで握り難いと感じたのだが、数年前はカラビナを結構握ってしまうことが多かったことを今更ながら思い出した。しかし、今回の購入の目的も支点に掛け易く、軽量化であるからその点は全く問題がない。あるとすれば後続者がこれを握ろうとしたときに少し掴みにくくてがっかりすることぐらいだろうか。

あまり評判の良くない製品であるが、従来から使っている少し大振りの「ヘリウム」と比較すると、明らかにその差異は大きさだけでなく形状にも表れている。開口の鼻先のフックが中に隠されている「ヘリウム」は最高品質であることは明らかで、微妙なバランスを取りながらハーケンにカラビナを掛けるのが容易となる。しかしその一つ辺りの重量34Gに対して「アストロ」は28Gと重量差は6Gほどであるが、それを二つペアーにして数を重ねるとやはりそれなりの長短所はあるのだ。要するにカラビナを握ることなく所謂レッドポイントで困難度6級以上の所を登るとすると、この二種類のカラビナの使い方は明らかに異なるのである。

ヘリウムは欧州製、アストロは台湾製、価格も倍ほど異なる。そして以前から移動用中間支点用に使っているキャムプ社の「ナノセット」とは異なり通常の中間支点に使えるのだ。注文したシルヴァーとレッドの組み合わせでなくシルヴァーのペアーを受け取ったが公称よりも3Gも軽くセットで62Gとなっている。


写真:左から、ナノセット、ヘリウム、アストロ、マアムートHMSカラビナ。



参照:
限りある本当に熱い日々 2009-07-03 | 生活
価値あるダイエット効果 2009-07-02 | 女
四半世紀ぶりの買い替え 2006-06-03 | テクニック
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漸く届いたザールからの小荷物

2012-06-01 | ワイン
漸くザールからワインが届いた。払える金は早いうちに96セントの割引があるうちにと思って中身を確認して試飲する前に送金した。47ユーロ4セントである。間違いなく一ユーロ近くする立派な六本入りの箱に入っていたので、それでは割れる筈は無いのだが、最初は違う箱で送ったのだろうか?

先ずは醸造所で最も単純なリースリングであるリッター瓶を開けた。南プファルツから帰宅後の十時前の夜食であるから口も変わっているかもしれないが、目的に沿った味筋で、前回に2007年産を飲んだ印象からすると格段に濃くもあり香りもあり優れている。2011年の気候の有利さ以上にこの間に醸造技術的な進展があったように思われる。

それを感じるのは、ややVDPの協会の中では時代遅れになりつつあるが培養酵母の使い方上手な香りのたてかたと、ステンレスタンクを上手に使い、尚且つ炭酸を綺麗に処理しているからである。それらは20世紀から21世紀にかけてのドイツにおけるモダーンな白ワイン醸造法の最先端を行った技を示している。

それはこのクラスのワインの造り方と結果としては十分過ぎるほどであるが、その結果としての価格8ユーロ50セントとアルコール12%には驚く。彼の地域において例外的に許されている加糖無しにアルコールをそこまで上げられたとしたらそれは天晴れであるが、いずれにしてもその価格は些か厚かましい。なるほど飲み口は良いがそれ以上のものではないことは最初の一口から分る。要するに日常消費のリースリングの価格としてはどうだろう?

なるほどこの醸造所はグーツリースリングと呼ばれるベーシックなそれを出していないのでリッター瓶でそれを代えている。要するに酒場などでシュロース・ザールシュタインのリースリングがグラスワインとしてサーヴィスされるときはこのワインである。勿論食事と共に十分に楽しめ満足なのは間違いない。

但し吟味して飲むと残糖感もあり、サッカリン的なケミカルな残り香があるのだ。なるほどスレート的な旨みとそれが旨く合わさっているのであるが、どうしても味筋が重くなる。折角健康に収穫したであろう葡萄もこのように醸造されているとすると些か残念である。

上位のリースリングなどに期待したいが、しかしこのお試し価格でこれ以上文句のつけようが無いのは確かである。



参照:
スパイシーな相互感応 2008-05-26 | ワイン
香りの文化・味の文化 2008-06-07 | ワイン
昼から幾らでも飲める味 2008-08-11 | ワイン
継続的に体で覚えるもの 2008-08-28 | 生活
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