Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

漸く届いたザールからの小荷物

2012-06-01 | ワイン
漸くザールからワインが届いた。払える金は早いうちに96セントの割引があるうちにと思って中身を確認して試飲する前に送金した。47ユーロ4セントである。間違いなく一ユーロ近くする立派な六本入りの箱に入っていたので、それでは割れる筈は無いのだが、最初は違う箱で送ったのだろうか?

先ずは醸造所で最も単純なリースリングであるリッター瓶を開けた。南プファルツから帰宅後の十時前の夜食であるから口も変わっているかもしれないが、目的に沿った味筋で、前回に2007年産を飲んだ印象からすると格段に濃くもあり香りもあり優れている。2011年の気候の有利さ以上にこの間に醸造技術的な進展があったように思われる。

それを感じるのは、ややVDPの協会の中では時代遅れになりつつあるが培養酵母の使い方上手な香りのたてかたと、ステンレスタンクを上手に使い、尚且つ炭酸を綺麗に処理しているからである。それらは20世紀から21世紀にかけてのドイツにおけるモダーンな白ワイン醸造法の最先端を行った技を示している。

それはこのクラスのワインの造り方と結果としては十分過ぎるほどであるが、その結果としての価格8ユーロ50セントとアルコール12%には驚く。彼の地域において例外的に許されている加糖無しにアルコールをそこまで上げられたとしたらそれは天晴れであるが、いずれにしてもその価格は些か厚かましい。なるほど飲み口は良いがそれ以上のものではないことは最初の一口から分る。要するに日常消費のリースリングの価格としてはどうだろう?

なるほどこの醸造所はグーツリースリングと呼ばれるベーシックなそれを出していないのでリッター瓶でそれを代えている。要するに酒場などでシュロース・ザールシュタインのリースリングがグラスワインとしてサーヴィスされるときはこのワインである。勿論食事と共に十分に楽しめ満足なのは間違いない。

但し吟味して飲むと残糖感もあり、サッカリン的なケミカルな残り香があるのだ。なるほどスレート的な旨みとそれが旨く合わさっているのであるが、どうしても味筋が重くなる。折角健康に収穫したであろう葡萄もこのように醸造されているとすると些か残念である。

上位のリースリングなどに期待したいが、しかしこのお試し価格でこれ以上文句のつけようが無いのは確かである。



参照:
スパイシーな相互感応 2008-05-26 | ワイン
香りの文化・味の文化 2008-06-07 | ワイン
昼から幾らでも飲める味 2008-08-11 | ワイン
継続的に体で覚えるもの 2008-08-28 | 生活
中華料理でも作ろうか 2009-10-14 | ワイン
野趣に富む低繁殖への道程 2010-07-21 | ワイン
待降節の漣のような忙備録 2010-12-18 | 暦
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