昨日の続きです。
その代々木公園でストリートライブをやっていたりょうさんという人が、4月1日(日曜日)に立川の「YAMAS Follies」というところで歌うということが、HPで判りました。ただですし、暇なので娘を誘って行ってきました。
立川なんてめったに行ったことはなく、この会場も知りません。絵などの展示もあるとのことで開放的な造りのところかと思い適当な時間に気楽に行ったところ、完全密室状態の会場だったので驚きました。その催し物は「俺★ショウ ボリューム6」というもので、若者が集ってそれぞれの自分が取り組んでいるものを表現、発表するという場であり、ちょっと文化祭のステージに似た雰囲気がありました。歌手や芸人・芸術家(?)の卵たちが自ら集って作り上げているものというのでしょうか。観客はおそらく友人知人家族ばかりで、私たちはちょっと異質な感じで、来るべきところじゃなかったかなと思ったのですが、なかなか面白い体験でした。
プログラムは歌ばかりではありません。ちょうど到着してから始まったのが、「講談」というものでした。講談なんて昔のものというイメージがあり、行く前に自宅でプログラムを見たときは、まさかおじいさんがでくるのでは・・と思ったりもしたのですが、登場したのは小野野球という若者で、講談とは何かとか、講談の台本の読み方(めりはりの付け方)などを教授してくれた後、「鉢の木」という講談の「源左衛門駆けつけ」というのをやってくれました。最初に解説がなかったらまるでわけがわからなかったと思いますが、NHK教育テレビの子供向け番組のように非常にわかりやすかったです。いまどき、このような古典的なものに取り組む若者もいるのだなあと感心しました。同時に日本語のリズムの面白さを再認識しました。
それにしても、りょうさんの歌を聴くのが目的だし、娘もあまり時間をかけたくなさそうだったので、実は歌だけ聴いて手っ取り早く帰りたいなあと思っていたのですが、思ったよりも日程が長くできていました。その上、ここで休憩が20分も入ってしまいました。
しかし、飲み物とお菓子まで出てきて驚きました。
次に「朗読」がありました。「ねむる梅、ねこ」(工藤直子著)を植松希実子さんという人が朗読しました。朗読などというものも、日頃じっくり聞いたことはなく、珍しかったです。作品を音から聞くっていうのは普段はあまりしないことですが、読むほうも聴くほうも読書とは違い、よりいっそう作者の言葉を大切に受け止めることになるものだと驚きました。逆に言うと、作者(著者)は朗読に耐える文を書く必要があり、朗読を聴いて場面が頭に浮かんだり理解できたりしなければ、それは良い作品とはいえないのでしょう。
この人の朗読もなかなか良かったです。ナレーションや声優などもできると思いますが、朗読で人を感動させるということは、なかなか地道な作業で、こういうものに取り組む人も少ないのではないでしょうか。
日頃忙しい生活の中で、腰を落ち着けて朗読を聴くということなどないのですが、たまにはこういうのもいいかもしれません。
作品の内容は、庭の梅の木と猫の会話で、そこの家でひとり暮らしをしていたおじいさんが亡くなり、そのおじいさんの思い出話を梅の木と猫が懐かしく話しているというものでした。おじいさんの家族はおじいさんが飼っていた猫がひとりぼっちになるので、ねこを引き取って連れて行くつもりのようですが、猫はおじいさんの思い出の詰まったこの家で梅の木とずっといっしょにいるよと話しながら眠るという内容。生前のおじいさんの温かい心とともに、なんともいえない気持ちが残る作品でした。
漸く、目的のりょうさんの歌が始まりました。1曲め「シャープペンシル」というのはHPでも視聴できますが、青春時代のころのことを思い出すような歌でした。2・3曲目は都賀則子さんという人の詩につけた曲で初めて聴くものでした。最後の4曲目はりょうさんの作詞作曲でしたが、曲名を書いたアンケート用紙を出してしまったので、何だったかわかりません。聴いているうち、やはり高音部の声が並並ならずきれいだなと感じました。低音のほうはちょっと雑な感じがする部分もあります。本格的にボイストレーニングなど受ければかなり上手になるんじゃないでしょうか。
しかし、一緒に行った娘は、あのくらい歌える人はいくらでもいるよ、とか、話すときの視線が悪いとか、なかなか厳しい評価でした。人を誘うっていうのはいろいろと難しいものです。自分が好きでもよほど確実なものでなければ人にはお勧めできないものだなと思いますね。
私としては、現時点で完成されたものを要求してはいないのです。というか、完成したものなら、プロの歌手の歌を聴けば良いわけで、完成されていないから面白いのかもしれません。
ここに出演した若者たちの中から将来有名人がでるかもわからず、「俺★ショウ」ってのは今回で6回目らしいですが、このようなことに取り組んでいる若者たちの存在を知っただけでもかなり面白い体験でした。少なくともこの人たちは、自分たちが取り組んだという事実と記憶を残してこれからも人生を歩んで行くのでしょう。
私にとっては、非日常的な日曜のひと時でしたが、これもどこかで人生の肥やしになるかもしれません。
その代々木公園でストリートライブをやっていたりょうさんという人が、4月1日(日曜日)に立川の「YAMAS Follies」というところで歌うということが、HPで判りました。ただですし、暇なので娘を誘って行ってきました。
立川なんてめったに行ったことはなく、この会場も知りません。絵などの展示もあるとのことで開放的な造りのところかと思い適当な時間に気楽に行ったところ、完全密室状態の会場だったので驚きました。その催し物は「俺★ショウ ボリューム6」というもので、若者が集ってそれぞれの自分が取り組んでいるものを表現、発表するという場であり、ちょっと文化祭のステージに似た雰囲気がありました。歌手や芸人・芸術家(?)の卵たちが自ら集って作り上げているものというのでしょうか。観客はおそらく友人知人家族ばかりで、私たちはちょっと異質な感じで、来るべきところじゃなかったかなと思ったのですが、なかなか面白い体験でした。
プログラムは歌ばかりではありません。ちょうど到着してから始まったのが、「講談」というものでした。講談なんて昔のものというイメージがあり、行く前に自宅でプログラムを見たときは、まさかおじいさんがでくるのでは・・と思ったりもしたのですが、登場したのは小野野球という若者で、講談とは何かとか、講談の台本の読み方(めりはりの付け方)などを教授してくれた後、「鉢の木」という講談の「源左衛門駆けつけ」というのをやってくれました。最初に解説がなかったらまるでわけがわからなかったと思いますが、NHK教育テレビの子供向け番組のように非常にわかりやすかったです。いまどき、このような古典的なものに取り組む若者もいるのだなあと感心しました。同時に日本語のリズムの面白さを再認識しました。
それにしても、りょうさんの歌を聴くのが目的だし、娘もあまり時間をかけたくなさそうだったので、実は歌だけ聴いて手っ取り早く帰りたいなあと思っていたのですが、思ったよりも日程が長くできていました。その上、ここで休憩が20分も入ってしまいました。
しかし、飲み物とお菓子まで出てきて驚きました。
次に「朗読」がありました。「ねむる梅、ねこ」(工藤直子著)を植松希実子さんという人が朗読しました。朗読などというものも、日頃じっくり聞いたことはなく、珍しかったです。作品を音から聞くっていうのは普段はあまりしないことですが、読むほうも聴くほうも読書とは違い、よりいっそう作者の言葉を大切に受け止めることになるものだと驚きました。逆に言うと、作者(著者)は朗読に耐える文を書く必要があり、朗読を聴いて場面が頭に浮かんだり理解できたりしなければ、それは良い作品とはいえないのでしょう。
この人の朗読もなかなか良かったです。ナレーションや声優などもできると思いますが、朗読で人を感動させるということは、なかなか地道な作業で、こういうものに取り組む人も少ないのではないでしょうか。
日頃忙しい生活の中で、腰を落ち着けて朗読を聴くということなどないのですが、たまにはこういうのもいいかもしれません。
作品の内容は、庭の梅の木と猫の会話で、そこの家でひとり暮らしをしていたおじいさんが亡くなり、そのおじいさんの思い出話を梅の木と猫が懐かしく話しているというものでした。おじいさんの家族はおじいさんが飼っていた猫がひとりぼっちになるので、ねこを引き取って連れて行くつもりのようですが、猫はおじいさんの思い出の詰まったこの家で梅の木とずっといっしょにいるよと話しながら眠るという内容。生前のおじいさんの温かい心とともに、なんともいえない気持ちが残る作品でした。
漸く、目的のりょうさんの歌が始まりました。1曲め「シャープペンシル」というのはHPでも視聴できますが、青春時代のころのことを思い出すような歌でした。2・3曲目は都賀則子さんという人の詩につけた曲で初めて聴くものでした。最後の4曲目はりょうさんの作詞作曲でしたが、曲名を書いたアンケート用紙を出してしまったので、何だったかわかりません。聴いているうち、やはり高音部の声が並並ならずきれいだなと感じました。低音のほうはちょっと雑な感じがする部分もあります。本格的にボイストレーニングなど受ければかなり上手になるんじゃないでしょうか。
しかし、一緒に行った娘は、あのくらい歌える人はいくらでもいるよ、とか、話すときの視線が悪いとか、なかなか厳しい評価でした。人を誘うっていうのはいろいろと難しいものです。自分が好きでもよほど確実なものでなければ人にはお勧めできないものだなと思いますね。
私としては、現時点で完成されたものを要求してはいないのです。というか、完成したものなら、プロの歌手の歌を聴けば良いわけで、完成されていないから面白いのかもしれません。
ここに出演した若者たちの中から将来有名人がでるかもわからず、「俺★ショウ」ってのは今回で6回目らしいですが、このようなことに取り組んでいる若者たちの存在を知っただけでもかなり面白い体験でした。少なくともこの人たちは、自分たちが取り組んだという事実と記憶を残してこれからも人生を歩んで行くのでしょう。
私にとっては、非日常的な日曜のひと時でしたが、これもどこかで人生の肥やしになるかもしれません。