山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

趣味について

2007-05-06 17:05:13 | 未分類過去
どうも、世の中は趣味のある人の価値が高く、趣味のない人はつまらぬ人間であるかのような捉え方が多いと思う。
芸能人などは、魅力的な人が多いわけだが、俳優や歌手などの仕事以外に絵を描いていたり、料理がプロ級だったりする人もいる。
そんな中で、与えられた仕事だけしかしていないなどという人はあまりいないようだ。
会社員でも、もし仕事だけが生きがいだなどと言う人がいたら、それは「会社人間」であって、家庭では家族も顧みず、家庭にいるときは家族からは粗大ゴミ扱いされるような人間に違いないというようなイメージをもたれがちである。
会社員が、競馬・パチンコ・麻雀が趣味などというと、これもまた軽蔑の対象となる。
ドライブ・ゴルフ・音楽鑑賞くらいは無難なところだろう。

このあいだ、日本語ボランティアで知り合った外国人が私に趣味を聞いてきた。「特にないし、そんなことしている暇はない」と、つまらない返事をしてやると、「えっ趣味ないの?うそでしょ。人生楽しまなくちゃだめだよ。カラオケ行って歌でも歌わない?僕の国ではみんなダンスが好きだよ。ダンスはしないの?」みたいな反応が帰ってきた。そして、ボクが人生の楽しみを教えてあげるヨと言いたげに、しきりにカラオケだのレストランだのに誘ってくるので、断わるのに苦労した。
こういうテンションの高さが本当に苦痛だ。家で布団をかぶって寝ていたほうがマシだ。

人から趣味を聞かれると困る私であるが、にもかかわらず趣味は何ですか?と人に聞くこともある。
以前、中国人の学者に趣味は何ですか?と聞いたら、返事がなかった。趣味はないということだ。しかし、そのひとは当然ながら専門分野では研究者として第一線の人だった。つまり、自分の専門分野の研究に明け暮れているのであり、仕事で日本にきたら、自分の研究を人に教えることと、自分が日本語や日本文化を知ることにエネルギーを費やしていた。そのような人に趣味を聞いた私がナンセンスだったと思ったしだいだ。

そのひとは、非常に日本のことに関心を抱き、私に日本の習慣やしきたりなどを聞いてきた。たとえば、日本に言い伝えられる七夕の話はどのような内容か、などということだ。
それは、中国や韓国、その他のアジアの国の七夕と比較してみたいということでもあろう。
私はそれに答えるべく、いろんな古い文献を探したりして、とても楽しかった。
そのことは、その人の専門分野に多少の関連はあるものの、直接的なものではなかった。だから、そういうことに関心があるのなら、それがその人の趣味といえば言えなくはないのかもしれないが、その人は、外国に住む者としてその国のことを知ろうとするのは当然の関心事だと思っているようだった。
それで、そのひとはものすごく教養があり、様々なことに関心もある活動的な人なのだが、「趣味は○○だ」というものはなく、趣味は「無い」と言うのだった。

しかし、「僕には趣味がいっぱいある」という者よりも、「趣味はない」と言ったこの人のほうがどれだけ内容が深く、私にとって有意義で面白かったかと思うわけである。

だから、私は趣味のない「仕事人間」でも一向に構わないような気がする。仕事一筋で何が悪いのかと思う。
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人に言う趣味

2007-05-06 13:29:40 | 未分類過去
専門学校に入った娘が、自己紹介の宿題とやらに考え込んでいる。
「自己紹介」とは、「自己PR」でなければいけないのだそうで、つまり、自分を人に紹介するのに、ネガティブなことを言ってはならず、ポジティブなアプローチでなければいけないのだそうだ。
ある人が趣味を「寝ること」などと言ったら、先生から怒られたそうである。
寝るなどということは、自分でしようと思ってしなくてもできることである。何の工夫も努力もいらないことだから、そんなものは趣味とは言えない。何もしないことが趣味だなどという人間はろくな人間ではないということなのだろう。そんなものは自己PRにはならない。
だから、単に「テレビを見ること」とか「食べること」などというのもダメである。つまらない人間だという第一印象をもたれたらもうダメなのであって、この人面白そうだと興味をもたれるような人間でなければいけないということなのだろう。

そうなると、娘の打ち込んでいるものは何なのか?と思うに、親が見てもよくわからない。
まあ、ファッションの研究などには、雑誌を買って見たり、バイトをして服を買ったりして、力を入れているように思えるが、そんなのも最近の若者には普通のことだろう。映画を見るとは言っても、とくにこだわりがあるわけではなく、適当に友人と見に行く程度である。わざわざ自己紹介で言うほどのこともないだろう。

では、自分はどうなのか?と考えてみると、やはり人に言うようなことはない。
私がよく自己紹介をする場面に出くわしたのは国際交流協会の日本語教室だった。みんなは海外旅行だとか茶道だとか料理だとかいろいろと趣味があるのだが、私にはない。強いて言えば「これ」つまり「日本語のボランティア」であり「外国の人と接することです」というようなことを言ったことがあったが、聞く人にとってはなんだかぴんとこないもののようだった。そんなものは、そこにいる人間全てにいえることだから、言う意味がないだろうということだ。

それで、「毎日忙しいので、楽しみはテレビを見るくらいですね」などと、自分でもつまらないコメントだなあ~と思いながら、そんな事を言うしかないのだった。
旅行は好きだが趣味というからには、行かなきゃ話にならないだろう。映画も好きではあるが、見なきゃ話にならない。花も好きだが、ガーデニングに力を注いでいるわけでもない。写真も撮るが、ただ適当に撮っているだけだ。
「趣味だ」と言いながら、そのことに関して何も力を入れず詳しくもなければ、それは「趣味」ではないのだ。
そういうわけで、実際上、趣味は「ない」としか言いようがない。

「ブログ」とか「放送大学」とか、自分なりに多少力を入れていることはあるが、趣味として人に言えるようなものではない。というか、人には公言したくない。
オタクだとかマジメだとか敬遠されるのが関の山という感じだ。

だから、そのような趣味は「秘密」であり、やはり、「家でぼんやりしていること」「寝ること」「テレビを見ること」「おいしいものを食べること」が趣味ですとしか、言えないような気がする。
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