矢口史靖監督最新作。なんと初の原作もので、あの三浦しをんの傑作『神去なぁなぁ日常』の映画化。いつものようにコミカルなタッチで、「林業」を描く。だが、ただのコメディーではない。都会暮らしの高校を卒業したばかりの若者が、たまたま手に取ったチラシを(そこにかわいい女の子の写真が写りこんでいた)通して、和歌山の田舎へとやってきて、林業に従事することになる。研修生としての1年間を通して、彼がここで生きていくことの喜びを実感することになる。
よくあるようなお話なのだが、原作がとても面白く、矢口監督は、今回それを忠実に映画化した。そうすることで、この世界をリアルなものとして立ち上げることにも成功した。特別笑わそうとはしていない。ただ、普通に描いているだけで、こんなにも笑える映画になる。しかも、ただ笑うだけではなく、地方の実情、林業を巡るさまざまな問題を考えさせることにもなる。
ラストのスペクタクル(お祭りのシーンだ。ちゃんと原作にもある。)にはド肝を抜かれる。そこまでの山での日常を描いた話と、祭りのシーンの高揚。緩急が実に上手いから、話に引き込まれて行く。試写会なのに、映画が終わった瞬間、盛大な拍手が起こったのにも驚く。それくらいに、この映画は観客の心を捉えたのである。なかなかこういう映画はない。
今、僕たちが何をなすべきなのか。そういうことにまで、この映画は切り込んでくる。ただの娯楽映画のはずなのに、これは、遥かその先にまで、たどりつくことになる。
よくあるようなお話なのだが、原作がとても面白く、矢口監督は、今回それを忠実に映画化した。そうすることで、この世界をリアルなものとして立ち上げることにも成功した。特別笑わそうとはしていない。ただ、普通に描いているだけで、こんなにも笑える映画になる。しかも、ただ笑うだけではなく、地方の実情、林業を巡るさまざまな問題を考えさせることにもなる。
ラストのスペクタクル(お祭りのシーンだ。ちゃんと原作にもある。)にはド肝を抜かれる。そこまでの山での日常を描いた話と、祭りのシーンの高揚。緩急が実に上手いから、話に引き込まれて行く。試写会なのに、映画が終わった瞬間、盛大な拍手が起こったのにも驚く。それくらいに、この映画は観客の心を捉えたのである。なかなかこういう映画はない。
今、僕たちが何をなすべきなのか。そういうことにまで、この映画は切り込んでくる。ただの娯楽映画のはずなのに、これは、遥かその先にまで、たどりつくことになる。