習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『破・地獄』

2024-12-31 22:38:00 | 映画
東京国際映画祭で先行上映されたこの作品が今台湾でロードショー公開中だった。今回の旅行では既に名画座で2本映画を見たが、これが3本目。『おくりびと』の香港版。監督は陳茂賢(アンセルム・チャン)。とても丁寧な作りをしているから好感が持てる。コロナ禍から失職してウエディングプランナーから葬儀屋に転職した男(ダヨ・ウォン)と、彼に葬儀を教える老師(懐かしのマイケル・ホイ)。このふたりを中心にして、父親を尊 . . . 本文を読む
コメント

『愛情城事』

2024-12-30 21:38:00 | 映画
この夏台湾で公開された作品が、全球影城で上映されている。先日『危機航線』と天秤にかけてあちらを見ることにしたが、これも捨て難いので、もう1日この劇場に通う。ドラマは会話劇の場合、日本語字幕なしはさすがに苦しい場合があり不安だったが、大丈夫だった。シンプルなストーリーだから、会話の細部がわからなくても概要はなんとなくわかるし、細かいことは気にしない。オールスターキャストの不思議なラブストーリー&am . . . 本文を読む
コメント

中原中也ほか『教科書で読む名作 一つのメルヘン ほか詩』②

2024-12-29 05:53:00 | その他
定番になっている名作選ではなく、まさかの作品もここには収録されている。前回は個人的な想いと何度も授業でやった作品のことを書いたが、実はここには挑発的で、授業展開が難しい作品が多数収録されている。これらを教科書で取り上げた教科書編集者である先生たちには呆れる(褒めてるよ!)が、現場で子どもたちに教えた先生たちの苦労も偲ばれる。僕がたまたま出会えなかったそれらの詩を取り上げるならどんな風に授業をしたか . . . 本文を読む
コメント

『危機航線』

2024-12-28 21:47:00 | 映画
全く昨日まで、こんな映画があることも知らなかった。だけど今日たまたまこれを見ることになった。ほんとは国立台湾美術館に行くつもりだったけど、疲れたから、映画を見ることにした。台中文学館の近所にある映画館、全球影城でこの映画は上映されていた。アンディ・ラウ主演のアクション映画である。だから日本語字幕がなくても大丈夫かなと思って劇場に。するとここは名画座だった。2本の映画が交互に上映するから二本立てか? . . . 本文を読む
コメント

中原中也ほか『教科書で読む名作 一つのメルヘン ほか 詩』

2024-12-28 04:54:00 | その他
なんと教科書に取り上げられている詩のアンソロジーである。戦後から今に至るまで、高校の教科書に掲載されてきたさまざまな詩を網羅した。確かにいずれも授業で何度か(何度も)やったことがある作品ばかりだ。最初に掲載された年、掲載した教科書名が明記されている。なるほど、と思う。(何が「なるほど」だか?)時代の気分とその詩の世界を勝手にシンクロさせてしまう。そこから妄想までする。中原中也の『一つのメルヘン』を . . . 本文を読む
コメント

『ツイスターズ』

2024-12-27 17:38:00 | 映画
これはヤン・デ・ボンの『ツイスター』の続編なのか? 竜巻を描いているから同じような話だけど、お話的にはつながるところはない。しかもあれから何十年経ったことか。あの映画を現代風にしたリメイクという感じに近い作品。竜巻を追いかけて旅するロードムービー。『ミナリ』のリー・アイザック・チョンの監督作品、ということで実は少し期待もした。ただのスペクタクル映画ではなかろう、と。それからこれは劇場公開時に大スク . . . 本文を読む
コメント

2024 小説ベストテン

2024-12-27 07:22:00 | その他
326冊読んだ。その膨大な中からのベストテン選びなんて不可能だ。100冊くらいなら余裕でベストテン候補がある。それから内容を忘れている本が200冊くらいある。毎日1冊のペースで読んでいたから仕方ない。そんな中からの暫定ベストテン。1位 代替伴侶(白石一文)2位 うらはぐさ風土記(中島京子)3位 女の子たちは風船爆弾を作る           (小林エリカ)4位 方舟を燃やす(角田光代)5位 明日晴 . . . 本文を読む
コメント

2024 配信映画ベストテン

2024-12-27 07:18:00 | 映画
配信で見た映画、ドラマのベストテン選びは難しい。ドラマ、映画、さらには旧作、新作、未公開作とごった煮だ。それらを並べて今年のベストとか言ったって意味はない。劇場で見た映画が151本、それに対して配信で見た映画(ドラマ)は160本とほぼ同じくらい。(ドラマは全話で1本扱い)難しいというよりそこには意味はない?というか、ベストテン選びはただのお遊びだ。だけど、真剣に考えると悩ましい。楽しい。さて、はえ . . . 本文を読む
コメント

鯨井あめ『白紙を歩く』

2024-12-27 07:09:00 | その他
今回は高校生のふたりの女の子の友情物語。天才ランナーと作家希望のふたりが学校図書館司書室で出会う。何気ない出会いから始まるさらりとした関係。まるで違う世界にいたふたりが何故か惹かれ合い、お互いを教え合う。怪我からインターハイを辞退して治療に励む風花。自分が何故走るのか、を考えるために本を読む。その本が何故か『走れメロス』。笑える。内容ではなくタイトルから手にしたみたいだ。たった20ページほどの短編 . . . 本文を読む
コメント

2024 外国映画ベストテン

2024-12-26 18:09:00 | 映画
1位 お坊さまと鉄砲2位 コット はじめての夏3位 瞳を閉じて4位 緑の夜5位 青春6位 ジョイランド 私の願い7位 莎莉 サリー8位 燈火は消えず9位 ボーはおそれている10位 憐れみの3章11位以下はゴッドランド、オールドフォックス11歳の選択、エルガルドモルターナ、哀れなる者たち、マッドマックス フュリオサ、フライミートゥザムーン、時々私は考える、夏の終わりに願うこと、ソウルの春、シビルウォ . . . 本文を読む
コメント

2024 日本映画ベストテン

2024-12-26 18:08:00 | 映画
1位 デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション2位 夜明けのすべて3位 ブルーピリオド4位 バジーノイズ5位 アイミタガイ6位 悪は存在しない7位 違国日記8位 青春ジャック    止められるか、俺たちを29位 きみの色10位 再会 長江 11位以下はキングダム大将軍の帰還、ぼくが生きてるふたつの世界、傲慢と善良、八犬伝、大いなる不在、ぼくのお日さま、若き見知らぬ者たち、十一人の賊軍、愛に乱 . . . 本文を読む
コメント

2024年 演劇ベストテン

2024-12-26 16:10:00 | 演劇
今年もなんとか100本を越えた。劇場での観劇本数は109本。コロナ後以前ほどは見ないようになったけど、昨年に続いて100本をキープできたのはよかった。その中からのベストテン。例年通り1劇団1本にしようとしたけど、今年は例外でマシュマロテントの作品を2本選んだ。『蛇含草ホテル』は上半期1位からそのまま年間1位に。『みえない』も素晴らしかった。それくらいに2本とも素敵だったので例外。ベストテンに高校演 . . . 本文を読む
コメント

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』

2024-12-26 09:15:00 | 映画
配信が始まった『デッドデッドデーモンズ(以下略)』の0話から2話までをとりあえずまず見た。映画同様素晴らしいスタートだ。0話で8年後が描かれる。門出の父親の話である。大阪が舞台になる。道路標識に「蒲生4」の文字が。梅田から東京を目指して旅する。エピソード0がいきなり終わり、ここから1話に戻ってお話が始まる。2話までの46分は映画のおさらいだ。そうそうこんな話から始まった。門出とおんたんの物語である . . . 本文を読む
コメント

東海大学付属大阪仰星高校『79セレナーデ』

2024-12-26 06:46:00 | 演劇
『はかないものがたり』とサブタイトルにはある。79は戦後79年のこと。それを「泣く」と読ませる。これは3人の女学生の終戦までの日々を描く小さな物語。3人はバレエが大好きで女学校のクラブ仲間。チームメイトは疎開やさまざまな理由でばらばらになり今ではここには3人しかいない。芝居は彼女たちと(時には顧問の先生とも)のおしゃべりが中心になる。今年の仰星高校のコンクール参加作品。惜しくも本戦出場を逃し見るこ . . . 本文を読む
コメント

神戸遥真『嘘泣き女王のクランクアップ』

2024-12-25 09:44:00 | その他
中学生の映像研究会(たまたま先日見た芝居覇王樹座の『最後はハッピーエンドで!』も映像研究会が舞台だった。映研って今はもう「映画研究」ではないんだなぁと実感する)による映画撮影がお話の背景になる。お話の各章最初には撮影中の台本が提示される。お話自体と、ここで作られていく映画がシンクロする。神戸遥真の新作はなんと男の側から描かれる。今までのパターンはいつも(ほとんど?)女の子から描かれていたからこのパ . . . 本文を読む
コメント