習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『愛唄』

2019-01-30 20:59:22 | 映画
久々に映画を見た。忙し過ぎて2週間も映画館に行けなかった。今日だってようやくレイトショーに滑り込んだ。少し疲れていたし、心が弱くなっているから、こんな時には、優しいラブストーリーがいいかも、と思い、これを選んだ。甘い映画である。「それはないわぁ」というようなお話である。でも、そんなこと作り手も十分に理解した上で、敢えてやっている。彼らは確信犯だ。だから、気持ちよくこの世界に漂えるように丁寧な作業を . . . 本文を読む
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アカズノマ『夜曲』

2019-01-30 20:28:11 | 演劇
横内謙介のこの戯曲を今取り上げるのか、という驚きがある。最初、チラシを見たときにはこのタイトルなのに、あの戯曲だとは当然思わなかった。まるで想起させるものがないからだ。石塚朱莉という女の子(というか、女性が)があの放火魔の少年ツトムを演じる。この30年くらい前の台本を今頃よみがえらせるのはなぜか。これは彼女のプロデュースなのだろうが、それにしても、作品選定があまりに渋すぎて、そこに何を見たらいいの . . . 本文を読む
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いちびり一家『アオイツキ』

2019-01-30 19:55:01 | 演劇
まるで夢の中にいるような気がした。噛み合わない会話がなぜかこんなにも心地よい。ひとりひとりがそれぞれの想いを抱えて生きている。(死んでいる)ここがどこで、あなたが誰で、自分がどこにいこうとしているのか、それすらわからない。でも、目の前にあなたがいて、話をしている。そして、山の向こうへと向かっていく。前作『ポラーノ 夜風に忘れて。』に続いて同じようなスタンスで今回は『雨月物語」に挑んだ。 突然歌い . . . 本文を読む
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くじら企画『海のホタル』

2019-01-25 22:31:23 | 演劇
  大竹野没後10年記念公演として、くじら企画が再演したのが、この作品だったということに驚きを禁じ得ない。なぜ、『海のホタル』なのか。これはあまりに暗すぎる。しかも、わけがわからない。大竹野は、たった2作品だけ、女性を主人公にした作品を書いている。その2本のひとつだ。もう1本の作品『夜、ナク、鳥』もすでに再演したが、いくらなんでも、こちらはしんどい。   だが、今回数ある . . . 本文を読む
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メイシアター・プロデュース『少年王國記』

2019-01-25 22:22:11 | 演劇
笠井友仁の作、演出による作品。笠井さんのオリジナルなんて珍しい、しかも、エイチエムピーとしてではなく、外部でのプロデュースで、というのも興味深い。   『蠅の王』と『十五少年漂流記』が下敷きになっている。殺伐としたお話になる。見ながらとんでもなく暗い気分にさせられる。未来がない。少年たちが対立し、破滅に至るまでのお話だ。緊張が高まり、この後のラストはどうなるのか、と一瞬は思わせるけど . . . 本文を読む
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『蜘蛛の巣を払う女』

2019-01-20 19:30:52 | 映画
  『ドント・ブリーズ』の監督が抜擢された、というところに興味を惹かれた。フィンチャーの『ドラゴンタトゥーの女』の続編だけど、まるで別種の新作だと思う方がいい。キャストが変わっているし、お話は続きではない。1話完結だ。   映画を見ながら、なんと少し居眠りをしてしまった。ショックだ。ストーリーがわからない、とオロオロする。だけど、どうして寝てしまったのか。9時からのレイト . . . 本文を読む
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『クリード 炎の宿敵』

2019-01-20 19:27:05 | 映画
  70年代の終わりに始まった『ロッキー』が21世紀になっても続いていく。スタローンは、(というか、ロッキーだ!)引退しても、彼の人生は終わらない以上映画もまた続く、ということなのか。前作『クリード』を見た時、実に新鮮な感動があった。あれは、ロッキーの第1作を見た時の感動に似ている。ありきたりなお話なのに、それがあんなにも新鮮で感動的だったのは、普遍の中に真実があるという証だったのか。 . . . 本文を読む
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劇の虫『かかす』

2019-01-20 19:21:16 | 演劇
  今年のウイングカップの最後を飾る作品なのだが、なんともつかみどころがない。見ながら、困惑する。そこに何らかの意味を取ろうと、模索するのだけど、ダメだった。ストーリーに頼らない芝居はなんだか心許ない。しかも、シーンシーンのインパクトが弱いので、ついつい眠くなってしまう。見ながら少しうつらうつらしてしまった。でも、あまり気にすることはない。ちゃんと見ていた所もわからないし。わけのわから . . . 本文を読む
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夕暮れ社 弱男ユニット『サンクコストは墓場に立つ』

2019-01-20 19:16:47 | 演劇
  この集団の芝居は初めて見る。「死体運びにまつわる不条理青春劇」というパッケージングがなんとも言えず、興味深い、僕には、わけのわからないものを見たい、という願望がある。この芝居はそこにぴったりとあてはまる。ふつう死体なんか運ばない。しかも、これはそれが仕事として描かれる。バイト君たちは実に割り切ってこの仕事をする。気味が悪いとか思わない。さばさばしていて、どうして? と思うほど。彼ら . . . 本文を読む
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1980年代映画ベストテン 外国映画

2019-01-13 22:36:14 | 映画
日本映画の10本は、80年に集中したが、外国映画は、89年(80年代後半)に集中した。80年代は映画祭の時代だった。中国映画祭や台湾映画祭、ドイツ映画祭とか、そんな感じのイベント上映で、今まで知らなかった監督の映画と出会う。ホウ・シャオシェン、チェン・カイコー、ヴェルナー・ヘルツウォークはまずそこで見て衝撃を受けた。その後、彼らの映画は一般公開されるようになった。それまでは外国映画といえば、アメリ . . . 本文を読む
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1980年代映画ベストテン 日本映画

2019-01-13 22:15:51 | 映画
キネマ旬報の特集で80年代日本映画、外国映画のベストテンをやっていたのだが、リストを見ながら自分もやってみることにした。80年代は自分にとっては怒濤の10年間だった。ちょうど20代のスタートから30歳までの10年間で、選者が選んでいる映画のほぼすべてをリアルタイムで劇場で見ている。毎年200本以上の映画を見ていた時期だ。学生時代は怒濤のように見ていたし、就職してからも時間が許す限り見た。結婚もした . . . 本文を読む
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『ピザ!』

2019-01-13 15:53:37 | 映画
  こういう小さなお話を、90分程度(91分)の小さな映画として無理せずちゃんと収めるのは上手い。小さな寓話として気持ちよく見られる。インド映画のはずなのに、よくあるマサラムービーのこってりとした商業映画とは一線を画する。だからといってアート映画では断じてない。ジャンル的には児童映画ということになろうか。昔よくあったイラン映画。キアロスタミの『友だちのうちはどこ?』の路線に近いけど、ラ . . . 本文を読む
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かしこしばい『河童ライダー』

2019-01-13 15:46:49 | 演劇
  3人芝居、1時間15分というコンパクトなサイズ。舞台装置も中央に河童が出てくる井戸があるばかりのシンプルなもの。ただ、この井戸は、最初は机になっている。原稿用紙が 散乱している。主人公がここで小説を書く。劇中劇としてその小説が演じられる。まぁ、よくあるパターンなのだが。   軽快なメロディに乗って、(芝居が終わってもずっと主題歌がちゃんと頭に残っている!)爽やかに疾 . . . 本文を読む
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『アリー スター誕生』『ボヘミアン・ラブソディー』

2019-01-03 21:25:09 | 映画
レディー・ガガ主演の映画である、とかいうことは僕には関係ない。4度目の映画化になる。なぜ、今これを再映画化するのか、そちらのほうが気になる。バーバラ・ストライサンド主演の前回からももう何十年も経つ。今更これを映画にしてどうなるのか、とそこから疑問符。なんで今、これを、という興味から映画を見ることにした。 映画はとてもよくできている。2時間16分と少し長い映画だけど、飽きさせない。彼女の魅力に引き . . . 本文を読む
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『斬、』

2019-01-03 20:53:23 | 映画
公開から1か月、やっと見ることができた。塚本晋也監督最新作。前作『野火』の続編のような映画になっている。時代劇なのだけど、戦争映画だった前作と同じテイスト。どちらも極限状態の人間の姿が描かれる。極限はどちらも「戦争」によって形作られる。 しかも、今回の作品は塚本版『七人の侍』でもある。ならず者たちから農民たちを守る男の話だ。だけど、彼は戦わない。人を斬れないのだ。凄い剣の使い手ではある。だが、そ . . . 本文を読む
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