外国映画は本当に少ししか見ていない。大作映画は軒並み公開延期や中止になったけど、上映される映画はあまりに膨大すぎて、なかなか見に行くことができない。ついついDVDにまわしてしまうことになる。ミニシアターでは凄い本数の映画が公開されている。
だけど、公開期間は短かく、気がつくともう上映が終わっていることも多々ある。知らない間に公開済みなんてことも。マメにチェックしていない自分が悪いのだけど。それに . . . 本文を読む
今年劇場で見た映画はたったの64本。コロナ禍で映画館が閉鎖されていた時期もあるけど、解除後もなんだか劇場に行くことが億劫になってしまったからこんなことになってしまった。そんな中でのベストテンだけど、10本を選ぶのは意外と簡単だった。無駄な映画を見ていないからだ。だけど、無駄ってなんだ? いろんな映画があり、いろんなものを自在に見ることで、得るものは大きいはずだ。だけど、今年はそれがなかった。いろん . . . 本文を読む
このささやかなタイ映画を見ながら、やっぱり映画っていいな、と思えた。ひとりの女の子が断捨離する話なのだ。溢れかえる家の中のモノを全て捨て去り、理想の場所にしようとするお話なのだけど、なかなかうまくいかない。それどころか、捨て去れない思い出に引き摺られて、忘れていたいろんなことを思いだし、大変なことになる。そんなお話。
昔付き合っていた恋人や、友人たち、思い出の品を通して、再びつな . . . 本文を読む
ふたりの女子高生のお話なのだけど、よくある「友情もの」の枠には収まらない広がりがある。彼女たちが立ち向かうのは周囲のクラスメートたちではない。先生や大人たち、そして、この社会、この世の中と向き合う。彼女たちは怯まない。でも、立ちはだかる壁は大きいし、強固だ。でも、ちゃんと自分の力で、自分の考えを持ち、立ち向かう。
痴漢に遭ったところから始まり、まず、目の前の痴漢と戦い、教師と戦い . . . 本文を読む
タイトルには「朗読劇」と銘打たれるが、これは安易な作品ではない。想像する力が世界をどこまでも広げていく、そんな素晴らしい作品だ。小さな作品だけど、その小ささを逆手に取り、とても自由で、大きな世界を手に入れた。「演劇」だから出来ることを実現している。よくあるリーディング公演とは違う。これは朗読というスタイルから発想された演劇作品なのだ。
テキストを手にして舞台に立つ。正面を向いて話 . . . 本文を読む
2020年の今を描く芝居を作る。コロナ禍の時代を背景にして、困難な時代をどう生き抜くのかを描く。とかいうような、芝居なら凄いのだけど、そうはならないし、そんな大胆なことを描くわけではない。でも、結果的にそういうことにもなっているのが面白い。
では、何が描かれるのかというと、ロンドンオリンピックが中止になった1944年、戦時下の動物園で、殺される動物たちが描かれる。そして、同時に東京オリンピックが . . . 本文を読む
この冬一番の超大作である。この手の映画は新春第一弾のお正月映画(クリスマス映画)として大々的に宣伝されて鳴り物入りで公開されるというのが今までの日本のしきたり(!)だった、はずだ、った。だが、これだけの大作なのにまるで宣伝もなく、ひっそりと公開され消えていく。作品の完成度がいまいちだから、ではない。時代が変わってしまったのだ。きっと。
東京がテロの標的になり、パニック状態になる、というスケールの . . . 本文を読む
ラブホテルの映画とストリップ劇場の映画を、たまたま同じ日に見た。どちらの映画も、その場所が舞台になるという映画ではなく、その場所自体がなんと、主人公となる映画なのである。そのラブホテルがなぜ出来たのか。どんな経過をたどり、今に至ったか。そのストリップ劇場がどうしてできたのか、そして、今の時代にあってどういう風になっていくのか。
そして、どちらも最後にその場所がなくなる、というお話になる。性風俗を . . . 本文を読む
いつもの橋本さんの世界とは異質な作品に仕上がったのは、台本の力であろう。イトウワカナさんの書き下ろし台本はミステリアスな展開なのだが、ストーリーラインが明確でそこには何の不思議もない。だけど、この雨の夜に、何処とも知れぬとある地方の町からさらに山の方に向かっていく最終バスというだけで、なんだか不思議な気分にさせられる。これはそこに乗り合わせた4人のお話。彼らが何者なのか、なぜここにいるのかという、 . . . 本文を読む
『キネマの憂鬱』というタイトルが舞台奥のスクリーンに出てくるのは芝居が始まって80分くらいがたったところだ。95分の芝居のほぼ終盤。芝居は4人の女の子たちの姿を追いかけ、やがては、自分のために映画を作るというところへとようやくたどりつく。それなのに、そのタイトルは『キネマの憂鬱』である。
AV女優だった自分の体験を綴った告白本の映画化をインディーズの映像作家に委ねる。ベストセラー . . . 本文を読む