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映画・演劇のレビュー

『モンスターズ・ユニバーシティ』

2013-08-31 07:42:25 | 映画
夏の初めにこの映画を見た。前作はわりと好き。でも、今回は「ちょとなんだかなぁ、」と思った。たくさんの新作映画に埋もれて、このブログで書くのを忘れていた1本だ。この夏外国映画の一番人気の映画らしい。80億円を突破した。これは『風立ちぬ』に並ぶ収益だという。(だが『風立ちぬ』はきっと100億に達するだろう。でも、その成績は『千と千尋の神隠し』には及ばない。当然の話だ。) 数ある大作映画を差し置き . . . 本文を読む
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小川智子『ストグレ!』

2013-08-31 07:40:02 | その他
「小学校上級から」と書かれてあるけど、十分に大人も楽しめる。どちらかというと子供は厳しいのではないか、と思うくらいだ。でも、大人向けの小説でもちゃんと子供にも読めるものがあるのだから、これは確かに子供のための本なのだろう。小学校5年生の女の子が主人公なのだが、僕なんかよりずっと大人だし、彼女に教えられることばかりだ。この本を読んで、小学生たちからたくさんのことを学んだ。侮れない。  もちろんこの . . . 本文を読む
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『スマイル・アゲイン』

2013-08-31 07:36:33 | 映画
こんな地味な映画も今劇場では公開されている。昔なら、こういうのにもそれなりに注目が集まったのかもしれないが、今ではまるで誰も見向きもしない。でも、ひっそりロードショーされているのだ。監督は『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ。あの映画も地味な作品だったが温かい気分にさせられる作品で、当時そこそこヒットしたはずだ。ウィル・スミス親子が共演した最初の映画だ。だが、あれからほんの数年で映画を巡る状 . . . 本文を読む
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空晴『理想の、あとかたづけ』

2013-08-31 07:34:28 | 演劇
いつもながらの岡部尚子さんの新作。シリーズというわけではないのだが、でも、完全にそんな感じ。いつも同じパターンをくりかえす。そこで描かれるのは家族の絆だ。最初はこういうホームドラマって、芝居で見せられてもなぁ、とか思っていたくせに、今では完全に癖になっている。見ているだけで心が落ち着くほどだ。いつもかわりないくせに新作が待ち遠しい。まるで『寅さん』を見る気分なのだ。なんてことを、前回も書いたよう . . . 本文を読む
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『ホワイトハウス・ダウン』

2013-08-28 21:20:32 | 映画
 先に公開された『エンド・オブ・ホワイトハウス』とまるで同じ題材とストーリー展開をもつ映画である。競作というよりも、どちらかが盗作だと言われても仕方ないくらいのそっくりぶり。原作があるのなら、後出しのほうは、その見識を疑われる。オリジナルストーリーならば、普通なら後から制作される方が遠慮すべきだろう。たまたま同じ企画が同じ時に出た不幸がこれらの映画だ。だから、アメリカではどちらも先に公開を望んだ。 . . . 本文を読む
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小川洋子『いつも彼らはどこかに』

2013-08-28 21:05:33 | その他
小動物と人間の物語。「無力で内気で賢明な彼らのための物語」と帯で作者は書いている。彼らとは小動物だけではなく、人も含むことは明白だろう。ここに描かれる人たちの姿はなんだか痛ましいけど、でも、そういう痛みを抱えて人はみんな生きている。しかも、それがなんだかとても美しいし、彼らが精いっぱいに生きている姿を見ていると、それだけで、僕たちも頑張らなくてはならない、と思わせてもらえる。元気をもらう、という . . . 本文を読む
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『スタートレック イントゥ・ダークネス』

2013-08-26 20:54:23 | 映画
 こういう大作映画は、ハリウッドの定番になってきたようだ。ある種のパターンからまるで逸脱しない。製作費はどんどん高騰するが、内容では頭打ち。大体どんな凄いアクションや、SFXであろうとも、もう驚かない。驚異のビジュアルなんかどこにもない。CGで何でもできる時代になってしまったからだ。夏の大作映画は全部見たけど、確かにいずれも凄かったけど、それだけ。この後、夏休みの最後にスーパーマン(『マン・オブ・ . . . 本文を読む
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『ワイルドスピード EURO MISSION』

2013-08-26 20:27:43 | 映画
シリーズ6作目。どんどん派手になる。きっと7作目も作られるだろう。さらなるエスカレートは、やがてどこに行きつくのか。ちょっとしたサーガにもなってきつつある。これってそんな大袈裟なものではなかったはずなのに、気づけば凄いことになっている。それって面白い。最初から計画していたなら、つまらないけど、思いもしないことから、思いがけなくこんなことになり、無理やり辻褄合わせする。その強引さが好き。大体、3作 . . . 本文を読む
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木皿泉『昨日のカレー、明日のバン』

2013-08-26 20:25:05 | その他
 ラストのエピソードが素敵だ。タイトルはそこから来ている。主人公のテツコが夫となる一樹と再会するシーンである。17歳になった彼女がそこにいる。  なんとも切ない。でも、幸せな気分になる幕切れだ。一樹が死んでしまい、ギフ(義父のことだ)と2人で暮らす日々。彼のことを忘れるわけはない。だが、彼のいない時間を生きなくてはならない。いつまでも彼との思い出に浸っていきるわけのはいかない。しかも、徐々に記憶 . . . 本文を読む
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劇団息吹『みかんによろしく』『人を食った話』

2013-08-23 20:54:06 | 演劇
 2本立興行である。中編2本なのか、と思ったら、『みかんによろしく』は1時間20分ほどの長編作品だ。普通ならこれ1本で上演しても、問題ないだろう。だが、敢えてこれの同時上演として45分の中編作品を併演する。そういうサービス精神がうれしい。なんだか得した気分にさせられる。しかも、『人を食った話』がとても面白いのだ。50年ほど前に劇団で上演した作品の再演だという話だ。50年って、もうそれだけで凄くない . . . 本文を読む
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『ガッチャマン』

2013-08-23 20:04:30 | 映画
 SFXを駆使したヒーローものは、アメリカ映画が続々と作っていて、もうお腹いっぱいなのだが、そんな時代に敢えて日本映画がその戦列に加わる。予算や技術面ではハリウッド映画は凌げない。ならば、何を目指すのか?   とても難しいところだが、ストーリーの面白さと発想の意外性、そこにしか対抗手段はないのではないか。そこで、ガッチャマンである。これはある種の戦隊ものだ。5人のヒーローが悪と戦う。だが本家の東 . . . 本文を読む
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水盤舞台2013

2013-08-19 23:59:16 | 演劇
今年も水盤舞台が上演された。  今回のメインは江戸川乱歩の『人間椅子』。これを演出構成は佐藤香聲(銀幕遊学◎レプリカント)、 出演は青山郁彦、久保田寛子(IQ5000)で見せる。20分ほどの作品なのだが、おもしろい。一応はテキストを使い、ちゃんとした芝居仕立てになっているが、ストーリーで見せるのではなく、この特異な話の骨格だけからイメージで膨らませる。大体この話を水盤舞台で見せる必然性なんかな . . . 本文を読む
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柚木麻子『ランチのアッコちゃん』

2013-08-19 23:08:36 | その他
 とても幸せな気分になれる。4話からなる連作なのだが、どの話も、なんだか困った女の子が主人公である。  だが、三智子が主人公で、それをアッコちゃんが助ける話。というわけではない。最初の2話はそういう話だったのに、後半2話はアッコちゃんと三智子の話ではないのだ。このバランスの悪さ。ネタが尽きたのかな。でも、後半の2つの話も悪くはない。退屈なOLになった主人公とかつての高校の先生が、不良少女を追って . . . 本文を読む
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『よく知りもしないくせに』『次の朝は他人』

2013-08-19 23:07:01 | 映画
ホン・サンス4作品一挙上映の1作。先日まず『ワハハ』をレンタルしてきたが、今回はさらに2作品見た。相変わらずの作品で、面白いけど、だんだん飽きてきた。いつも同じことばかりだ。酒を飲んで、どうでもいい話をして、酔っぱらって、セックスして。 つまらない人間ばかりが出てくるから、共感もしない。前はここまで酷くはなかったけど、最近の作品はダメダメ度がエスカレートしている。しかも、いつも主人公は映画監 . . . 本文を読む
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『少年H』

2013-08-18 21:13:19 | 映画
 かなり素直に感動した。正攻法で見せる少年の成長物語。子供の頃、戦争があった。その事実を特別なこととして描くのではなく、たまたまそんな時代に生きた。小学5年生から、中三までの多感な時代が、戦争の時代と重なる。終戦で価値観がまるで違うものになる。それまで教えられてきたことが、意味を為さなくなる。大人も戸惑っているのだが、彼にはそんなこと、まだ理解できない。おかしいとしか、言いようがない。言うてること . . . 本文を読む
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