これはないわぁ、というようなシンプルにも程があるようなタイトル。さいとう市って、どこじゃ、と思わず突っ込みを入れたくなるけど、まぁ、架空のとある地方の町ですわ、とか、言われるのがオチで、どこにでもあるような、でも、どこにもないような、不思議な野球部が、なんだかよくわからないけど、確かに甲子園(というかほんとは有馬温泉ツアー)を目指して適当にがんばる話。
あさのあつこは『バッテリー』を書き上げた . . . 本文を読む
これがたぶん(僕にとっては、という意味だ)最後の作品になる2015HPF作品。今年も工芸の芝居を見ることが出来てよかった。
今回のテーマは、クローン人間。なんと、スペアとしてクローン人間を作りキープしておく。本体の人間が病気や事故等に会った時のための臓器移植のためだ。よくある設定で、キープのためのクローンを閉じ込めておくための施設での、とある部屋での5人の男女の日々を描く。
なんのために、ど . . . 本文を読む
さぁ、第4回目に突入だ。なんと、今回の作品で25本を達成する。9か月連続、50本のショートショートの上演という自分たちに課したノルマのターニングポイントを早くも4ヶ月目で実現した。怒濤の8本立である。しかも、今回は2時間10分の大作になった。(先の3作品は、いずれも1時間50分に収めてある)
本当を言うと、今回は途中で抜けさせてもらって、HPF北摂つばさ高『弱法師』を見に行くつもりだった。(Z . . . 本文を読む
ジョン・ウーの大作『レッドクリフ』に諸般の事情から参加できなかった無念を晴らすかのように主役として曹操を演じたチョウ・ユンファが渾身の演技を見せる大作歴史劇。
『三国志』をどう料理するのか、は、誰もが頭を悩ませるところだろう。あまりに壮大すぎてどこにどう手をつけるべきか、悩む。ピンポイントで攻めることが成功の秘訣だ。ジョン・ウーもまたそこは熟知していた。だから「赤壁の戦い」に絞り込んだ。しかし . . . 本文を読む
なんとオリジナルであるいのうえひでのり作品(今回は「NEXT歌舞伎」として染五郎主演で東京公演がなされる。大阪は9月松竹座にて上演。今、盛大に宣伝がなされている)との競作ということになった金蘭会のHPF公演。
久々に金蘭がその持ち味である壮大なスケールの作品を30数名のキャスト(本来ならもっと必要なのだが)を総動員して描く超大作。本来なら2度ほどの休憩を入れて3時間半ほどに作品として見せてもよ . . . 本文を読む
こういう「刑事もの」なら、この世の中にはごまんとある。だが、これが新しい点は犯罪都市ケープタウンを舞台にしたことだ。昔ならニューヨーク。せいぜいロスというパターンだった。しかし、今の切実なリアルは南アフリカにある。どうしようもない現実の中で、それでも正義を貫く刑事。アル・パチーノ主演『セルピコ』の時代から汚職刑事というのは、警察の必要悪で、どこにでもいて幅を利かせている。(はずだ) しかし、それ . . . 本文を読む
先日『呪怨 ザ・ファイナル』を見た時、こういう昔ながらの怪談を夏休みに上映するって、貴重な出来事だ、なんてことを書いてみたけど、またぞろ怪談映画が登場した。希少価値が損なわれた気がしてちょっとがっかりだ。『呪怨 ザ・ファイナル』は改めて考えると新種の怪談ではなく、あれこそが昔ながらのお化け映画のパターンを踏襲したものだった。わけのわからないものに祟られて翻弄される美男美女のお話である。
さて、 . . . 本文を読む
今年のHPFのラインナップを見た時、最初に目についたのは信愛女学院の『スパイクレコード』と北かわち皐が丘の『しまうまの毛』だ。この2本だけは何があっても見たい、と思った。理由は明白だ。樋口ミユの作品を信愛が初めて取り上げるという無謀な冒険に参加しないで、今年のHPFの何を見るか、ということであろう。このHPF史上最高最大のチャレンジをなんとしても目撃したいと切に願った。
それだけに、劇場に行っ . . . 本文を読む
極彩色の映画『熱帯魚』、『ラブゴーゴー』で知られる台湾映画界のヒットメーカー(のはず、)チェン・ユーシュン監督がなんと16年ぶりに放つ新作である。これだけの長いブランクを吹き飛ばさんばかりの快作である。しかも、この内容なのになんと2時間半に及ぶ大作。ありえん。
それにしても、どうしてこんなにも長いブランクが出来たのだろうか。映画が作れなくなる原因なんかいろいろあるし、僕たちにはわからない事情が . . . 本文を読む
なんで数ある映画の中でこんなものを見るのか、と言われそうだ。もっと見るべき映画はある。山盛りある。にもかかわらず、誰からも見向きもされないようなこういう映画に手を出す。つまらないことは見る前からわかっているのに、である。でも、なんだか、バカバカしいそうだし、疲れた体に優しそう、とか、なんとか。そんなこんなで、たまたま見てしまった。(このポスターもいかにも、って感じでしょ)
バカンスでの恋。イタリ . . . 本文を読む
これはまるでウディ・アレンの映画のような作品だ。でも、今のアレンには、こういうしっとりとしたラブストーリーは撮れそうにない。そこで、ジョン・タトゥーロの登場である。アレン映画のテイストを引き継ぎ、ちゃんと本家である彼を担ぎ出し、ウデイ・アレン自身のナレーションで綴る。アレンがよくやるパターンを踏襲する。でも、これは断じてものマネではない。アレン映画へのオマージュだ。
アレン・テイストを生かして、 . . . 本文を読む
清水崇監督の生んだ最高の恐怖。最初の劇場版(2002年)を見た時の衝撃は忘れられない。心から怖いと思った。理由もない恐怖がどこまでもやってくる。逃げ場はない。そのあと、すぐに後追いでオリジナルビデオ版の2部作も見た。確かにこれは怖い、と思ったが、最初のインパクトが大きすぎた。
夏は怪談映画というのが、昔ながらの定番のはずなのが、今の時代はもうそういのは関係ないようだ。そんな時代だからこそ、たまた . . . 本文を読む
5年間限定での活動ということでスタートした劇団大阪によるシニア演劇大学の最終公演である。(ただし、この後もスタイルを変えて継続されるようだ。めでたい!)この超大作を2班編成(ほぼすべてにおいてダブルキャストだ!)なんと総勢40名以上のキャストで送る。熊本一さん演出による渾身の力作。
大阪、新世界が舞台となる。(ちょうど、この芝居の舞台となる場所にある一心寺シアター倶楽で上演された)明治36年第 . . . 本文を読む
なんで後編を見てから(後から)前編を見るかな、と自分でも思う。ちゃんと前編を見てから、劇場に行けばいいのに。でも、仕方なくそういうことになった。そして大方の(もちろん、僕の、だが)予想通り、この前編は実に素晴らしい出来だ。
特に冒頭の子供時代のエピソードが秀逸だ。100年が過ぎた。壁が巨人たちから彼らを守り、幸せに暮らしていた。しかし、この壁の向こうに行きたい。狭い世界から飛び出して、広い世界を . . . 本文を読む
こういう青春小説を読みたかった。これは典型的なボーイ・ミーツ・ガールなのだが、彼らの関係性がとても素敵で、誰かと(もちろん一生を、ともに過ごしたいパートナーと)こんなふうに出逢えたら、どれほど幸せか、とため息が出るほど。
高校二年生の男の子。バンドをやっていたけど、メンバーが脱退してひとりぼっちになる。いまさらだけど高校の軽音部に顔を出すと、そこで凄い美少女と出逢う。なんてベタな展開。しかし、そ . . . 本文を読む