
なんと今頃、マジンガーである。まさかの映画化。しかも、シリアスタッチの大人のマジンガーではなく、僕らが子どもの頃に見たあの日のTVアニメ『マジンガーZ』の再来なのだ。今時、こんなアニメ映画はなかろう。主題歌もあのままだ。最初はすこしドン引きした。こんなお子様マンガ映画を90分、今から見ることになるのか、と暗澹たる気分。だけど、諦めたらだんだんこれはこれで快感になってきた。絵もあまり動かない。昔のTVアニメ。
子供だましの漫画映画にドップリ浸ろう。作り手もその覚悟だ。バカバカしいお話を本気で作るから、テンションが上がる。単純でわかりやすい勧善懲悪。熱くなるドラマ。ラストではマジンガーZがちゃんと昔のようにプールの下から出てくるのもいい。毎週アニメを見ていた。兜甲児の「マジーンGO!」のかけ声で登場。
なんだかなぁ、と思いつつ、こんな映画もありかも、とも思う。単純明快、勧善懲悪。今風のリアルな展開をせず、昔ながらの世界観で子ども向けの映画として再生する。だけど、劇場に来ているのは、みんなおっさんばかり。50代が中心で、若い人もいない。当然子どもは全く。映画の後で、周囲を見回して愕然となる。まぁ、自分も同じ世代のおっさんなのだから、驚くに値しない。