
『別離』(2011)でアカデミー賞を受賞したイランのアスガー・ファルハディ監督が初めて海外で作る作品。フランスを舞台にした家族の物語。今回も離婚を巡るお話になっている。男女が別れ、それぞれ別々の生活を送っている。彼女は再婚するため、イランに帰った元夫をパリにの呼び出す。正式に離婚手続きをしてもらうためだ。冒頭の空港での再会シーンから、実にミステリアスで、別にこれはミステリーなんかじゃないのに、こんなにもドキドキさせられる。映画自体は実に静謐な映画で、特別な事件なんかないのだけど、徐々に明らかになる彼らの置かれた状況が、僕たち観客を彼らの抱える心の闇へと連れていく。
主人公である元夫婦。彼女の今の家にいるふたりの娘たち。でも、彼女たちは前夫の子供ではない。では、誰の子なのか、というと彼女の更に前の夫(だから、今回の結婚は3回目となる)の子供たちなのだ。でも、彼女たちは血の繋がりはないのに彼にとても馴染んでいる。さらに、もうひとり、男の子がいる。彼は今度結婚する予定の男の連れ子だ。当然、彼らにその彼女の今の恋人も絡んでくる。
それぞれの抱える問題が徐々に浮き彫りにされてくる。知らない事実が(当然だ)少しずつ見えてくることで、彼らの今、未来が明らかになる。隠していたこと、わからないで、推測していただけのこと。更には、意外な人物がお話をややこしくしていく。彼女の恋人には妻がいて(ということは、不倫だ)、ある事情から今、植物人間状態にある。その「ある事情」には主人公の彼女も(さらには、彼女の上の娘も)絡んでくる、かもしれない。さらには、もっと意外な人物が浮かび上がる。恋人である男の経営しているクリーニング店の店員である女だ。
この映画は謎ときが目的ではないけど、いろんなことが見えてくる中から、彼らそれぞれの事情が複雑の絡み合い、さらなる次元へと僕たちを導いてくれる。このそれぞれの抱える心の迷宮が絡み合いその顛末に震撼させられる。何が正解で、どこに向かうのか。それで、どうなるのか。単純ではない。映画は安易な答えを用意するわけもない。ただ、呆然とさせられるばかりだ。
主人公である元夫婦。彼女の今の家にいるふたりの娘たち。でも、彼女たちは前夫の子供ではない。では、誰の子なのか、というと彼女の更に前の夫(だから、今回の結婚は3回目となる)の子供たちなのだ。でも、彼女たちは血の繋がりはないのに彼にとても馴染んでいる。さらに、もうひとり、男の子がいる。彼は今度結婚する予定の男の連れ子だ。当然、彼らにその彼女の今の恋人も絡んでくる。
それぞれの抱える問題が徐々に浮き彫りにされてくる。知らない事実が(当然だ)少しずつ見えてくることで、彼らの今、未来が明らかになる。隠していたこと、わからないで、推測していただけのこと。更には、意外な人物がお話をややこしくしていく。彼女の恋人には妻がいて(ということは、不倫だ)、ある事情から今、植物人間状態にある。その「ある事情」には主人公の彼女も(さらには、彼女の上の娘も)絡んでくる、かもしれない。さらには、もっと意外な人物が浮かび上がる。恋人である男の経営しているクリーニング店の店員である女だ。
この映画は謎ときが目的ではないけど、いろんなことが見えてくる中から、彼らそれぞれの事情が複雑の絡み合い、さらなる次元へと僕たちを導いてくれる。このそれぞれの抱える心の迷宮が絡み合いその顛末に震撼させられる。何が正解で、どこに向かうのか。それで、どうなるのか。単純ではない。映画は安易な答えを用意するわけもない。ただ、呆然とさせられるばかりだ。