プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

秋山重雄

2023-10-06 21:59:55 | 日記
1980年
渋いプレーヤーとして鳴らした秋山重雄氏は、倉敷工時代に二度甲子園に出場。立教大学に進学後、2年からレギュラーに定着して、3年で小川享と中軸を打ち、44年に近鉄に入団した。秋山氏の現役時代での一番の思い出は、50年後期に優勝した事で、今でも忘れられないそうである。解説者としての秋山氏は、常に近鉄を思う心で満ちている。退団後、神戸板宿の兄の元でブティック経営を学んでいたが、現在は仕入れから販売戦略まで一人で切り回している。商売熱心であり、各種のセミナーに出席して販売作戦の研究をする毎日である。このセミナーで得たものが心理学。これを野球解説に生かしたいという抱負をもって、プレーをしている選手の人柄・心理状態を分析したうえで、マイクに向っている。お洒落な秋山氏は、お酒に強いほうだが、野球談義に花を咲かせる事もしばしば。本当に野球が好きで好きでたまらないといった好青年である。宴会の席でのお得意の曲は「思い出のサンフランシスコ」。野球一筋の青春を過ごした近鉄時代のコーチ、広田順さんとの送別会で、同氏とデュエットした。これを歌うと、いつもスタッフや女性たちを惹きつける。近鉄が日本一になるように、板宿の氏神様に参拝に行くことがあるという、近鉄を愛する秋山重雄氏なのである。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

田中和男

2023-10-06 21:59:55 | 日記
1961年
田中の四兄弟といえば野球界ではあまりにも有名である。長兄の武智文雄は近鉄のA級十年選手、次兄田中幹雄投手は東洋レーヨン、三兄田中照雄投手も、元近鉄で活躍した現在常磐炭鉱、末弟が今度東映入りした和男一塁手である。四人のうちでも和男一塁手が素質は一番だといわれるから有望だ。田中は岐阜商で投手兼一塁手として働き、村瀬(早大)清沢(慶大)たちとともに甲子園で準優勝、法大でもレギュラーの三番打者として打ちまくった。長兄の武智投手は、「もっとも素質がありながら、もっとも気をもませるヤツ」と批評する。田中は末っ子にありがちな無欲なところがマイナスとなっているからだ。投手として法大に誘われそれを果たせず、打者に転向してまだ一流になれないのがそのためだ。だが、田中はプロ入りに踏み切るに当り、今までに無い強い態度を見せ、長兄の薦める松下電器を断り、プロでやりたいと譲らなかったそうだ。ようやく欲が出てきたようである。水原監督を迎えて東映も気分一新の年で、田中にとっては絶好のチャンスとなろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

川端英文

2023-10-06 06:48:07 | 日記
1965年


三日の夕方父親富次さん(46)が合宿の玄関にボンヤリ立っていた。静岡県伊東署の刑事という忙しい仕事柄、めったに寄れないのだが、所用のあいまちょっと長男の顔が見たかった。丸子橋で降りたナインが川端君を見つけるまでに二十分もかかった。合宿と練習場を往復するマイクロバスが満員で歩いて帰ってきたものだった。おみやげのミカン箱を受け取る川端君はまたひと回り大きく、たくましくなっていた。二年間で身長は7㌢伸び、現在179㌢、体重も72㌔にふえた。「でも学校がきらいで、プロ選手への道を歩く決心をした英文の気持ちを大事にしてやりたいですね。まだ十七歳、先のことを心配せず思う通りにやらせてきているんです」と富次さんはいう。午後七時半起床。練習が終わればすぐ川向こうの東京高校(大田区鵜ノ木町)定時制へ。合宿にもどるのは午後十時近い。「授業を受けていてもねむいし、キャンプで休んでいる間に、どんどん進んでいてわからなくなっていることも多いんです。こんど三年ですが、あと二年間も耐えられるかな」と今の苦しさを語る。テスト生として紹介した荒川コーチがほめる通り、バッティングはシャープで、足も速い。希望ポジションも外野だった。だがバッティング練習を思うようにさせてもらう時間はない。この日もわずかな時間フリー・バッティングに混じったが、約一ヶ月ぶりのことだった。テスト生の後輩佐藤優君(15)と幼いグチをもらすこともあった。しかし、この川端君に最近、正式契約の話が持ち上がってきた。まだしばらく先になるかもしれないが、学校を休んでも練習したい気持ちはまた強くなった。球団から約二万円のおこづかいは出るし、女学生の声援も多い。キャンプから帰ってきたら千通もファンレターがたまっていた。だが川端君は「ばからしい」といい捨てるだけ。練習台から選手への道に十七歳の負けん気を注いでいる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする