ポルトガル南部では雪が降らないから英国や日本で言う真冬という感覚は一切なく、12月や1月でも野生の花や各家庭の庭先には花が絶えない。ブーゲンビリアは一年中色とりどりに花盛り、と言ってもブーゲンビリアの派手な色はガクであって花は小さな白いのがガクの真ん中から突き出している。冬じゅう咲いているのがバラの花で道路の中央線を飾るのがこの花。
上の写真で黄色の花はバミューダー・バタカップと呼ばれる雑草で12月ころから咲き始め1月ー2月は道端や野原を埋め尽くす。地中海沿岸でしか見たことがなく、初めて見たのがシシリー島だった。次の白い花は日本では食料の春菊と全く同じ花だし葉も春菊にそっくり、しかし春菊のような香りはしないから、試しに食べてみようとは思っていない。
この小さな黄色の花はキンセンカ(マリーゴールド)の原種で花の大きさも直径1-1.5cmぐらい、ギリシャからポルトガルまで地中海沿岸の野原を埋め尽くす。家庭栽培のキンセンカはこれの改良種。
1月半ばから咲き始めるのがアーモンドの花で、2年前に行ったモロッコも1月はアーモンド林が花盛りだった。フランス南部やスペイン、ポルトガルでは、アーモンドの実は農家の大事な収入源で、マーケットにもアーモンドの剥き身からお菓子になったアーモンドまでいつでも売っている。ピンクとやや白っぽい花があるが、ピンクは早咲きで実が苦いとのこと、白っぽい花は派手さがないがおいしい実がなる。
野生の水仙はこれもギリシャからポルトガルまで分布していて、この花がギリシャ神話で言われるナルシシス、美男の若者が水辺に映る自分の容姿に惚れぬいて溺れ死んでしまった。その後にこの白い水仙が咲きだしたといわれる。自己愛(ナルシスト)はこの花の花言葉。右側の白っぽい花はスペイン、ポルトガル、モロッコ以外で見たことがない。球根草で背丈も50㎝から1mにもなる。これも1月から2月が最盛期、残念ながら名前を知らない。
この紫色の花は道路わきに植えられていたもので、ローズマリーにやや似た花だけれど、花や葉にも香りが一切ない。右側ピンクの花は多肉質の葉で日本にも多く分布する。海岸線や砂地に這って広がっている。
二日前に散歩に行って、草薮に迷い込み見つけたこの小さな青い花は、今まで見かけたことがないが、小さいながら青色が特に目立つ可愛い花。それと対象なのがこの食虫草のような花。地面から直接花が咲いている。お世辞にも可愛いと思えない。