ベルギーのキャンプサイトから100マイルちょっと走ってお昼前にモーゼル河畔のキャンピング・プラッツに着いた。キャンピングプラッツというのはキャンパーしか停まれないキャンプ場で、管理人が居なくてすべて機械で管理されている。まず入る時にゲートで出てくるカードを機械に入れて10ユーロまたは20ユーロのお金を入れる。そのカードを電気の柱につけると引き込んだキャンパーに1ユーロや2ユーロと表示された電気がつながる。水も必要な場合はカードで1ユーロ分が何十リッターか出てくる。
宿泊した翌日カードを機械に入れて滞在した金額が表示され足りなければ入金し多ければおつりが出てくる。さすがドイツ、効率よくできている。そしてこの全長200kmのモーゼル河畔にいったいどれだけのキャンピングプラッツがあることか。おまけにこんなに多くのキャンパーを見たのも久しぶり。まるでドイツの全キャンパーがモーゼル河畔に集合したみたい。
トリヤーはモーゼル河の中ほどにあるローマ時代の主要地でドイツで一番の古都と言われる。ローマを除くヨーロッパ最大のローマの門のある町、世界遺産指定が7か所もあるという。キャンピングプラッツの地図をカメラで撮って川渕を歩いて町の中心へ向かった。この日は秋晴れの良い天気になり川辺は自転車道と歩道が作られている。自転車道は上流から200kmコブレンツでライン川に合流するまで続いているという。
ドイツの建築物は素晴らしい。特にこの街は観光に力を入れているらしく町の中心からローマの門までの2kmくらいがどこもかしこも絵葉書になりそう。そして観光客の多いこと。
町のマーケット広場では野菜・肉ソーセージ、花などのストールが並んでいた。通りの一角でバス(男性の低音)でカリンカを歌っていた人があまりに素晴らしく彼らがロシア人であることが分かった。もう一人はテノールで二人の合唱に聞きほれる人たちがいっぱいだった。
この街の門であるポータニグラ(Porta Nigra)は2世紀に建設されたもので、世界でも一番保存状態がいいそうだ。もちろんこの門は世界遺産の第一に挙げられる。
世界遺産の第二が聖ピーター大聖堂で4世紀に基礎が作られた。内部は今まで見たいろんな大聖堂と変わりないが、キリストの着た衣服があるというので有名だそうだ。しかし考えてみれば、キリストが貼り付けの刑で死んで400年後に作られた聖堂にそんな服があるというのがおかしいと思わないのだろうか?
大聖堂の隣にChurch of our Lady という13世紀の教会がありこれも世界遺産、中のステインドグラスが素晴らしくきれいだった。
ほかに世界遺産としてはローマ橋…といっても残っているのは橋の土台だけでその上には現代まで作り直された橋が架かっている。それでもここの橋はアルプスの北では一番古い橋(2世紀)として世界遺産に指定された。その他、円形劇場や皇帝の風呂、ローマ皇帝の戴冠の間などが指定されている。