3月31日かねてより計画していたこの日、山も数日前に行って下見をしておいた。
11時に山ふもとで会えるよう連絡を付け、カバナスのキャンプ場の英国人4人、アイルランドの夫妻で朝1時間半かけてレイゴスのキャンプサイトから来てくれた2人。タヴィラに居る私達4人の日本人で合計10人がこの日のために集まってくれた。
朝は青空の良い天気だったのに、11時頃には黒雲が空を覆ってまずい。タヴィラの山は高速道路の北側で様相も一変する。
山は100メーターほどの急坂で荒れた坂道の両側は春の花でいっぱい。特に白いバラの花に似たシスタスは周囲の山全体を覆っている。ワイルドラヴェンダーはこの辺りしか見られない。
山頂で持ってきたジュースとお水で乾杯、皆が チアーズ・ポール と言って乾杯してくれた。
私とN子は遺灰を持ち撮影の後、人の歩かないお花の根元を探して
ここに決めた。
皆交代で灰を撒いてもらい、あっという間に散骨は終わった。この時小雨が降り出し風も強くて、灰はなるべく地面近くで撒かないと、風に吹き飛ばされてしまう。小雨が降ったのはこの時だけで、山を下りる時にはやんでいたから、まるでポールが何か言いたかったのかしらと思ってしまった。
12時にタヴィラの焼き魚専門店に予約をいれておいたので、3台の車でレストランへ向かった。
このレストランは塩焼き魚専門、好きなだけ食べて良し。魚が焼けるまでにパンやゆでたジャガイモ、サラダなどでてくる。ワインも2リッター頼んだのに、男性は車の運転、一人は心臓が悪くドクターストップ、女性軍は私とスコットランドのSさんだけしか飲まない。でも日本人のミスターS氏は彼のフラットがすぐ近く、3人で2リッターの白ワインを全部飲み干した。
皆大きな魚(鯛やはた類)を2匹は食べ最後にモンコイカをリクエスト、2回も持ってきてくれ大いに頑張って食べた。
途中に私のスピーチのリクエスト。 ポールがまだ寝着いたばかりの頃、”あなたの死後、遺灰をタヴィラの山に撒いて、その後あの焼き魚のレストランでみんなでお食事するからね” と言ったら ”うん、とっても面白そうだね、僕も来ていいかい?” と言った。その約束を今日果たすことができて、皆さん来てくれてありがとう。
すっかり満腹した後、かごいっぱいの果物やコーヒーもでて、お勘定が合計135ユーロ一人分11ポンド(約1650円)信じられない値段で大喜び酔っぱらって、帰って3時間も寝てしまった。
ポールさんの散骨やっと終わりましたね。お疲れ様でした。
ドイツのキャンピングカーでボーダーコリー犬と日本の海を旅していた友人のワンちゃんが先日虹の橋を渡り、私は今そのワンちゃんの写真を持ってキャンピングカーで旅行中。今朝から海辺の町に滞在しています。
友人はワンちゃんの体調不良でキャンピングカーを手放したので、私が代わりにワンちゃんを連れてキャンピングカー旅に出かけたことに、とても喜んでくれています。
道中、結構沢山のイギリスからのキャンピングカーに出会いました。
ポールさんもあんな自然の美しいところに散骨してもらったら、喜ばれているでしょうネ!
玲子さんのこれからの人生に幸あれ‼️
私のキャンパーの旅は16年で終わりました。
それでも思い出深いタヴィラや、カバナスへは来年も行こうと思っています。
ポールの遺灰は1.5㎏だけ持って行って撒きました。あとの3分の2は今年7月彼の育ったホーヴの海で家族や幼馴染の友達を集めて撒こうと計画しています。
今回はポールとの約束を果たし、あとは今年7月、彼の死後2年目にしてやっと遺灰を全部、海に返すつもりです。彼は昔から俺が死んだらお葬式はいらない。ダイヴィングの腰の重りを付けて海に投げ込んでくれと言っていました。海の男として死後を全うしたかったのでしょう。タヴィラのすべてにポールの思い出が詰まっていました。