運河沿いのキャンピング・プラッツは日が暮れると物音もせず、快適な夜を過ごした。
早朝6時には目覚め、家に居ればそんなに早く起きることは無いが、朝食を食べてサイトを出発したのは7時半過ぎだった。
一番近くのガレージでディーゼルを満タンにして、ドイツへ向かう。
ヨーロッパはガソリンよりもディーゼルが安く、特にスペイン、フランス、ベルギーが西側ヨーロッパでは安い。ディーゼル、ガソリンとも一番高いのがイギリスで、最近1リッターで1ポンド40ペンス近くはする。
この日ベルギーのディーゼルの値段はポンドにして1ポンド12ペンスくらいだった。
先週からロンドン近辺は天気が悪く毎日どんよりとした曇り空で寒く気温が上がらない。それで出かけるときに一体どんな服が必要になるか判らないから、真冬のコートからティーシャツまでいろいろ取り揃えた。
昨日フランスに上陸した時から青空が広がり直射日光は熱い。この日も一日中青空でベルギー、オランダの高速道路を走ってゆくのは気持ちのよいものだ。このあたりの高速道路は全部無料で、特に網の目のように張り巡らされたドイツのアウトバーン(高速道路)は休憩設備も優れ何時来ても感心する。
ベルギーからオランダの高速道路の中間帯や道路わきには真っ赤な芥子の花が咲いていたり、野生の石楠花林やハマナスの花が咲き乱れていたり目を楽しませてくれた。
この日エッセンの北、Haltern am See(ホルターン・アム・シー)のキャンピングプラッツに停まる。道路の片側はきれいな住宅が連なりその向かい側が林の中の駐車場になっていて、一泊5ユーロと電気代は8時間で1ユーロ、それにしても住宅地の前にあるキャンピング・プラッツとはドイツ人は何と心の大きい民族だろう。
すぐ近くに大きな湖が広がり湖畔の散歩道はサイクリングする人達でいっぱいだった。
湖畔と反対側へ行くと、きれいに整備された墓地の前に出た。ドイツの墓地は初めてみるが、カソリックと違ってプロテスタントの墓地は機能的でポーランドやポルトガル、スペインとはずいぶん違う。金曜日の午後相当の人達が墓地の掃除や墓参りに来ていた。
町は歩いて1km、タウンセンターは高い尖塔を持つ教会と広場の真ん中に立つメイ・ポールが印象的。広場に着いたときがちょうど4時で高い建物のうえに下がっているたくさんのベルがメロディーを奏でる。ビデオにして音楽を録音したら、何時までも鳴っていて一体何分続くのかと心配になった。
この広場に面したレストランやパブは石畳の広場にテーブルやイスを並べてたくさんの人達がくつろいでいた。ドイツの町は落書き一つ無くごみ一つ落ちていない清潔な町で生活水準の高さを思わせる。ドイツへは何度も来ているがスラム街というのを見た事がない。
またこうしてキャンプ場からゆったり散歩に来れるほど、町が近くだったのも今回が2度目だ。一回目はドレスデンのキャンピングプラッツだったから。
ドイツのパンは多種類と美味しさで有名だが、この日パン屋の店先で見た巨大パンもライ麦パンだろうか。1KGで3.6ユーロと言うから量り売りなのだろう。
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