11月10日日曜日はリメンバランス・デイと呼ばれる戦没者慰霊祭が英国中の各町村の慰霊碑であった。 テレビにはロンドンのホワイトホール前で、11時ビッグベンの鐘の音と同時に黙祷を捧げた王室の面々と整列していた陸海空軍の面々が映った。
これはテレビの画像からお借りしたもので、王室の主要人物たちは花輪(ポピー)のささげは終わっていて、上の写真は陸海空軍のキャプテンたちが花輪贈呈。
毎年必ず招待されるのが、チェルシー・ペンショナーと呼ばれる退役軍人で、102歳を筆頭に今もチェルシーのホームで生活している老人たち。
わが町ベッケンナムの街の中心地にも慰霊碑があり此の日にはポピーの花束が捧げられた。
バッキングハムシャのナショナルトラスト・ストウガーデン(Stowe Garden)では1475体の黒いシルエットが立てられ、30万人の人々が訪れたと新聞に書かれていた。
10月5日土曜夜にアメリカ・メトロポリタンのオペラ・ホフマン物語が上映された。いつもメトのオペラは世界一と思ってみているが、本当に舞台装置は素晴らしい。歌手も揃っているが主人公ホフマンになったフランス人の若いテナーが細くて見栄えしなくて、悪魔になったかっこいい大男にくわれてしまってちょっとがっかり。
結構コメディで、舞台いっぱいの人たちが一斉に傘を広がると大きな目が描いてあり、みんな見ているよ。見たよ、見たよ の映像化したもの。思わず笑ってしまった。
第3幕目は売春宿のシーンでここでかの有名なホフマンの舟唄が歌われる。私の高校時代此の歌が音楽の教科書に載っていたからよく覚えている。歌も曲も素晴らしいが、これが売春宿あたりというのはオペラを知らない人にはいいけど。
11月10日日曜日ロイヤル・オペラハウスでホフマン物語が演じられた。メトとどれだけ違うだろうかと興味があって見に行った。
主人公ホフマンは白髪のおじいさんで、声を聞いているうちに、もしかしてと持っていったバードウオッチ用の望遠鏡でみたところ、かの有名なホアン・ディエゴ・フローレッズだった。此の人は彼が随分若い頃、未だ20代後半か30代初め、バービカンのリサイタルで、前から2列目の席で見聞きしたことがあって、大ファンなのだ。此の時は風邪を引いていてカーネギーホールをキャンセルして来たと行った。此の夜はバービカン、明日からオペラハウスと言っていたが、喉が痛いらしく水を飲みながらそれでも3曲もアンコールに歌ってくれた。
ROHの舞台はメトよりもずっと簡素化されていたし、ストーリーがスッキリ分かるようになっていて、とっても良かった。何しろおじいさんのホフマンが過去に恋をした3人の女性の話をする訳で、まだ若い男の子のようなホフマンが恋をする相手が人形だったという笑い話。此の人形オリンピアになったソプラノ女性(ロシア人のオルガ・プドーヴァ)の声が素晴らしい。満場拍車喝采だった。
ということでどちらのオペラも文句なしに良かった。そして日本には1っヶ月後にメトのオペラを日本語に翻訳して映画館で見せるからと、従姉妹に言っておいたら、昨夜スカイプで連絡してきて、見てきた、とっても良かった、と大感激していた。
残念なことに観客が10人ほどしかいなかったという。多分あまり宣伝されないから知らない人が多いのだろう。今から1週間ほどは上映されるらしいからぜひ見に行ってほしいものだ。
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