以下は将棋の升田幸三名人のお言葉を紹介した茨城大准教授(歴史学)磯田道史先生の孫請けです。
升田名人の随筆集「勝負」に「上手と名人」という一節があるそうで......。
上手は秀才。物事の処理が上手な人。頭がよければ上手の段階まではゆける。
上手は今まで習い覚えた理論に執着し、それを羅針盤にして動く。
上手は「理詰め専門」で将棋でいえば定跡の枠内、政治なら現制度の枠内で考えるから、ここ一番で決断が出ない。
名人は頭が悪くてはダメだがいいだけじゃ名人になれない。
名人は理論を超越し、理論を破り、その自由性を保つ。政治家も将棋指しと同じだ。
役人出身の国会議員が賢く見えるのは上手だからだ。
しかし一国の総理だけは、理を破れるだけのものを持たないと困る。つまり名人でなくてはならない。
部下には理論派の秀才をうんと揃えてもいいが、そういう理論を破る能力者でないと、局面打開が出来ない。
と升田名人の随筆を紹介した上で、磯田先生は、
いま総理の人材がいないと歎く声が高い。5年でも10年かけてもいいから「理を破る力」のある名人政治家を探して選びたい。
国民の目が政治家を作る。
と締めくくっている。
マスコミの報道や、町の中の選挙準備用ポスターを眺めると、辛いお言葉ですね。
本当は、「国民のあなたが選挙で政治家を選ぶ」、と書いて欲しかった。
このままでは10年かけてもダメでしょう。
▲写真は「自民主党」のどっちが名人か、ということではなくて、
どっちもおキラクでトホホなポスターだ、ってことです。
ま、「下手」ですかね。
イケメン売り君は党首じゃなく、美形局アナ奥様とのツーショット。舐めてるんだかKYなのか。
「チルドレンファースト」連呼オジさんはどうせ「自民主党」。
ゆう貯厄病神のお弟さんの方がエネルギッシュで頼りになるよ、
ってことです。
参考記事は3月21日朝日朝刊土曜版連載「磯田道史の歴史ごよみ」です。
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