50年前の11月25日。
三島由紀夫が防衛庁総監室で割腹自殺した日でした。
河童忌・桜桃忌・菜の花忌などがあるけれど、三島の場合は憂国忌。
おどろおどろしく、好きじゃありません。
朝日新聞は三島文学や生き様について、大勢の人に語らせました。
しかしながらじじぃには珍紛漢紛。さっぱり分かりません。
当時、後に都知事になった青島幸男の問題発言、
おかまのヒステリー
が、今でもいちばん分かり易いですね。
しかし、三重県県議会議員だった森田治氏91歳の言葉に共感しました。
森田氏は三島の首を刎ねた後割腹した森田必勝、当時25歳の実兄です。
以下は朝日新聞11月13日付オピニオン&フォーラムから要約した。
必勝は大学を占拠する左翼学生に反発、
三島さんに大きく影響された。
三島さんが立ち上げた「楯の会」の活動は、
充実していたようです。
事件後、三島さんの遺族が来て「弟さんを巻き込み申し訳ない」と。
しかし私は「弟は主体的に行動した」と否定しました。
でなければ、弟があまりに哀れです。
弟と私は思想信条が違います。だから深い議論は無かった。
でも日本のため、人々のため、という基本は相通じていたと思う。
三島作品は難しく取っつき難く、読めていません。
事件現場で播かれた檄文は読みました。
戦後日本が真に独立していない事を嘆き、変わるべきだと訴えた。
三島さんの問題提起は、半世紀を過ぎた今なお色褪せていません。
隣国との関係改善は大切です。
米国一辺倒から脱却しなければなりません。
独立国に他国の軍事基地があるのはおかしいです。
前回衆議院選挙の時、
候補者にこの問題を国会で議論して欲しいと要望した。
しかし彼は「難しい」と言葉を濁すだけでした。
現代日本は効率や利潤追求に明け暮れ、
経済第一主義が加速している。
道義心は薄れ飽食と消費に明け暮れている。
三島さんはそうした社会の荒廃に警鐘を鳴らしたのでしょう。
弟が今の日本を見たら、ひどく嘆くに違いありません。
三島の作品で読んだ記憶のあるものは、
潮騒・宴のあと・午後の曳航・仮面の告白・複雑な彼・
青の時代、不道徳教育講座。
どれもが面白かった。
流行語になった美徳のよろめきも読んだはずですが、
鏡子の家ははっきりしない。
金閣寺は難解でしたね。
最晩年の長編三部作は、三島の行動が奇怪で、読む気にならなかった。
芸術新潮の今月号は三島特集です。
こちらは図版が多く、執筆者は多士済々。
年末年始はブログを休み、読もうか、と思っております。
瀬戸内寂聴さんが12月10日朝日朝刊・残された日々に
懐かしい。二人だけの思い出は自分が書き残しておくべきか
と書いている。期待しよう。
挿絵は新潮文庫「yonada?」から。
201218
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