林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

里山シンポジウム

2010-03-10 | 床屋放談

多峰主山と天覧山は、他所からハイキングに来る人が多いのに、よく整備されて歩き易く清潔である。
それは山の周囲に、進んで塵を拾い歩く人、道や土留めを修理する人が何人もいるからだ。
車が入れる道路が無いのも荒廃と塵投棄防止に役立っている。

この一帯を、大地主である西武鉄道が「飯能西武の森」として整備を始めた。
役所や大企業が行なう「整備」は大金を投下し業者を潤すだけで、却って環境や景観を破壊する不安もあるが、この山系では大丈夫かもしれない。
それは、ボランティア団体が進化した「展多の会」というNPO法人が見張っているからだ。

西武鉄道が宅地開発を断念したのは不動産不況のためだろう。
お役所同然のUR都市機構が美杉台に続く丘陵地帯で大造成工事を継続しているのとは大違いである。

しかし、開発中止をしたままでなく、企業の森林公園として整備する方針に転換したのは、宅地開発に反対してきたNPO法人「展多の会」との長年にわたる緊張関係があったからでもあろう。
東京電力が所有する尾瀬ヶ原のように、企業イメージを高めるために有効と判断したこともあるだろう。
また植林に社員家族を大動員したのは、社員の帰属意識を高めるためだったはずだ。

先日、飯能市役所で開催された「里山づくりシンポジウム」に行ってみた。
主催者は飯能市、はんのう市民環境会議、飯能市林業振興対策協議会である。

亀山章東京農工大名誉教授の講演は分り易かった。
飯能住民が明治時代に本多静六を招き、その提言を実行していた史実に吃驚した。
自然環境調査報告では、埼玉県では絶滅したと見られていた種の発見がったそうで、嬉しくなった。
原稿棒読みの市幹部氏以外は熱い発言が続き、時間超過で討論ができなかったほどである。

意見を述べた一人は多峰主山で知り合った人だった。山で遇う時には見せない迫力で、「人々がさまざまなことを始めているが、話し合い、整備方針を決めよう」、との提案に大賛成です。
この人は、よれよれの森生が吉祥草をほんの少し移植したのを知り、若い力で大量に移植した人だ。応援したいね。

日和田山で埼玉県と日高市が実施したウッドチップ舗装は、維持修繕費が予想どおり続かない。
道を自力で修理していた先輩は、西武社員から登山道のバリアフリー化案を聞かされ呆れていた。
アロエやマリーゴールドを移植する人もいる。全く手を加えないことが里山保全だ、と誤解している人も多い。

雑多な意見を調整し適切な方針を定める人が、棒読み幹部氏ではなぁ.......。
やはり展多の会を中心に西武鉄道や市が加わり、時々、多峰主山常連のじじばばの意見を聞いて欲しいですね。

展多の会の主な活動は、今のところ、谷津田の復活、ビオトープ作り、野山遊びなどのようだ。
今後は是非、多峰主山と天覧山の山系全般の監視観察と提案をお願いしたい。

この有意義な会には他の市の住民も来ていたが、日高市の住民を見かけなかった。市職員に関心が無いのは諦めているが、議員や環境団体の人くらいはなぁ..........。
官民共に井戸の中の蛙は冬眠中だ、と思いながら時々覗いている「野良の風・街の風」を確めた。
流石に横山氏は参加していて、詳しく真面目な報告がありました。良かった。ご覧下さいね。

写真は「展多の会」が主に活動している谷津田跡です。2月23日に撮影しました。 



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2 コメント

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まもなく (小肥り)
2010-03-10 13:58:28
昨日の雪は重たい重たい牡丹雪。
すぐに融けました。今日は午後からすばらしい天気。
西武鉄道が地主ですか。
もうすぐ春か・・・
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ショック (森生)
2010-03-10 14:09:16
小肥りさま
こちらは予報が外れ 晴れもせず 空気は冷たく 雪は明日まで残りそうです
鎌倉の八幡様の大銀杏が 雪で倒れたのはショックです
子どもの頃から慣れ親しんでいた 母なる大樹でした
森生が植えた椿が倒れたのもショックです
雪はまだ融けないけれど 見てられないので これから救出作業に向います
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