林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

がんばる民意

2013-11-01 | 先輩のお言葉

朝日新聞「論壇時評」の頁の端っこに載った小熊英二慶応大学教授の「明日を探る」。
「脱原発を実現しつつある日本」は大変分かり易く、読み終わるとほっこりするご意見だった。
以下、抜粋します。

  福島原発事故後、ドイツは脱原発を宣言したが、実際には多くの原発を稼動させている。
  政府は脱原発を宣言していないが、今、日本では一基の原発も動いていない。

  この状況を作ったのは誰か。
  政治家がリーダシップをとったのか。賢明な官僚が立案したのか。財界やマスコミの誘導か。アメリカの外圧か。
  答えは「原発反対の民意が強いから」で、これ以外に何かあるなら挙げてほしい。

  民意は脱原発を望み、政官材界の抵抗を押し切り、実質的な脱原発を実現しつつある。
  この平凡かつ明白な事実を認識したがらない人々がいる。政財界など狭いムラ社会の住人たちだ。

  彼らは「脱原発は極論だ」と嘯くことはできる。
  しかし強い権力を持っている彼らが原発再稼動でさえ進められないのは「反対の民意が強いから」である。

どうです、分かり易いでしょ。
以下、大切なことが書かれておりますが長くなるので割愛し、最後の結論です。

  「日本には偉大な指導者はいないが、民衆の実行力は凄い」。
  と言うのが高度成長期から一貫した日本評価だ。

  脱原発を宣言したドイツとは異なり、実質的に脱原発を実現している震災後の日本はこの評価がよく当て嵌まる。
  あとは政治家がこの明白な趨勢を認識し応えられるかの問題だ。

10月31日朝刊のこのご意見は、割愛した部分も含めて、図書館へ行ってでも是非お読み下さい。

小泉純一郎元総理が突然の脱原発である。
言い分に全面的に賛成ですが、こんな明白なことが、わざわざフィンランド訪問をするまで分からなかったとは。

民意の大半は、そんな遠くへ行かなくても分かっていた、のでありますね。

       同じ紙面で作家・高橋源一郎氏による「皇后陛下の言葉・自分と向き合って伝える」。
  なるほどね、だった。反省を促されズキンと胸に来る論壇時評だ。
これも是非お読み下さい。


       ただまぁ、それはそのとおりだけれど、それはあの方のお人柄と、滅多に聞けない偶のお言葉だからそうなのではないだろうか。
       「林住記」を毎日更新なぞしていたら、そうはいかないですって

131101



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2 コメント

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変身 (森生)
2013-11-02 21:11:34
読者ばーばさま
学者の文章は よく分からない場合が多いけれど 小熊教授は違いますね
こういう先生がホンモノなのでしょう
小泉元総理の変身 鮮やかです 流石ですね
脱原発が実現すれば は郵政民営化以上のお手柄です
それにしても 安倍さんの古臭いこと
いくらカタカナ語を多用しても 古色蒼然は隠しようがありません
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全く同感 (読者ばーば)
2013-11-02 08:13:03
私も朝日の小熊英二教授の「明日を探る」を
読み心の中がスカッとしました。
原発問題は
民意が反映されているのですね。
日本国民は、
フィンランドに行かなくても前々からわかっていた・・・・。
全くその通りですね。拍手!!!
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