林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

てれすこ

2007-12-05 | 重箱の隅

 

 出演者は名役者揃い。美術は念入り。晩秋の街道風景はお見事。
音楽はガーシュインを取り入れ、和楽器を使ったスチャラカな日本調で、こういう趣向は大賛成である。
粗筋もぶっ飛んでいて大いによろし。明るくて気分も良い。

冒頭から、白髪のおさんと茂兵衛の近松心中舟。溝口健二の「雨月物語」と「ジョーズ」をパロッて奇天烈で、大いに期待したのだが......。

何故か爆笑出来ない。 客席からも笑い声は殆ど出なかった。
どうも、監督が真面目過ぎたようである。

例えば、酒乱の歌舞伎役者喜多さんが酒場で大暴れするところを見たかったのに、見せたのは落花狼藉の跡なのである。
品川遊郭での豪華絢爛などんちゃん騒ぎなども、ジャズ風音曲付きで観たかった。

この手の映画はもっとハメを外して、笑わせなければダメだ、と思う。
主題歌くらいは拵えて、映画館を出る時には思わず口ずさんでいるくらいでなくちゃあね。

久し振りにバカ笑いをしたくて「てれすこ」を観に行ったが、ガッカリしました。
勿論、良く出来ていますよ。
芸達者な役者たちの活躍と、音楽等は最高である。
美術、ロケハンと撮影の美しさは感動もの。

 

でも、友だちに勧める気にはならい喜劇映画でした。
期待し過ぎたのかもしれないね。



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