NHK教育TV「クラシック音楽館」日曜日夜9時から。
武満徹がTVドラマのために作曲し、指揮者の尾高忠明が演奏会用に纏め、自らN響を指揮した「波の盆」を聴いた。
演奏前に尾高が解説したとおり、稀に聴く美しい曲だった。
この曲、確か自分も持ってるはずだ、と調べたらありました。
八ヶ岳高原音楽堂か銀座セゾン劇場で買ったものらしいが、詳しいことは全く覚えていない。
あの頃は、仕事が矢鱈に忙しく、CDを聴く気になれない状態だった。
退職後聴いた、有名な武満作品「ノベンバー・ステップス」の難解さに懲りて、聴かずに仕舞ったままにしていたのである。
この度、その美しい旋律に驚き、CDの封を切った。
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うっとりさせられる美しさである。まさに天上界の妙なる音楽であり、明るい陽が射し込む南の海の中で、揺らめく旋律である。
映画「ヴェニスに死す」で使われたのはG・マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」と聞く。
武満はあの甘美さに、煌きと瑞々しさを加え、マーラーを超えた。
手元のCDと同じ演奏がyoutubeにあったので、何はともあれ聴いて下さい。
「波 の 盆」 指揮・岩城宏之 演奏・東京コンサーツ 製作・八ヶ岳高原音楽堂
解説として谷川俊太郎と和田誠の対談があり、武満の音楽について語り合っている。
二人は武満の映像作品への関心の強さを話題にしており、面白くてためになる対談になっています。
不気味な雰囲気を醸す「嵐が丘」も2曲ながら、なかなかの名曲です。
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