もう町では見れないと思っていた菫

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今日の一花“菫
和らいだ春土の片隅でひっそり咲いている菫、
いつも冬の終わりから咲くパンジーの華やかさに押され、町では余り見かけない草花の菫、
色濃い紫に低い小さな花姿「目立たないな・・・これじゃ」世ほど草花の好きな人でないと見過ごしてしまう一花。

そんな菫、散策の途中で見つけ「春が来たな・・・」そう思って見渡した周囲では、
いろんな草花が競演に向けて準備をしている、
この雨でまた蕾、新芽が膨らみそう。
菫

一塊の小さな姿
気づかれずに踏まれて足蹴されそうな一花
花も姿も小さくて
気に留めないと見過ごしてしまいそう

春
・・・
春が来たよ
そう教えてくれる一花なのに
いつも人気をパンジーに持って行かれてしまう
菫

春になると
いつも日当たりのいい場所から
春を発信していたのに
今ではその空間も奪われ
見かけなくなった菫

その菫の一花が
春を知らせる封書に貼られて私に届く
悴む指で開封する
一滴の甘い匂いが瞳に溢れる。