タキさんの押しつけ映画評
『007/スカイフォール』
これは、我が悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。今回は、吹き替え版の有りようなどの、タキさんのこだわりに唸らされます。
只今9:40 八尾MOVIX上映まで1時間有り。このまにチョイと別なお話。
昨日、毎日夕刊にソニーの映画担当重役の、洋画の日本語吹き替え版のウェイトを多くする旨 発言があった。洋画の動員の中で、吹き替えを見る人の割合が増えているってのがその根拠。言い訳としては、字幕だと切り捨てられるセリフ内容の全てが伝えられる。字幕を読まなくて良くなるから役者の芝居に集中出来る……と おっしゃる……。
ハッキリ言わしてもろうて、映画観客動員数減少は業界にとっては大問題です、しかも、世界共通の傾向として観客の質が低下しています。もっとハッキリ言わして貰うなら観客がアホのガキにシフトしていると言う事で、この所映画界はこの層に配慮した作品に重点を置いて来ました。それは構わんのです、阿呆共から巻き上げた金で まともな映画を作り続ければいいんですからね。
ただ、まともな映画をまともに見られる環境は守って貰いたい。吹き替えを全面的に否定はしない、吹き替えでしか洋画を見られない方々も多数いらっしゃる。問題は製作サイドの姿勢にある。
ことにソニーは この所 こと信頼という地平線からはほど遠い。ここまでボロクソに言ったついでに吐き出すならば、本業が落ち目に成って 元々の文化に対する理念を見失っている。ソニー/コロンビアの作品で、本作や「ミレニアム・リメイク」といった堂々たる作品はアメリカ人重役の努力の結晶である、日本側高位スタッフは悉く邪魔をしている。本作を3Dで撮るように指示したドアホウがいたらしいが……悲しいかな映画担当日本人重役である。こんな奴がいるから信頼出来ないのだ。
吹き替えもいいだろう、しかし、それは芝居の構造が二重に成ってしまう危険性と隣り合わせである。芝居とは役者の肉体とその言葉との統一性の上に成り立っている。そこに吹き替えを被せるのは、言うなればミケランジェロの天井画の裸身に布を書き足す行為に他ならない。日本人声優は巧い人が多い、しかしながらオリジナルキャストその人では有り得ない、スーパーから意味が漏れ落ちるというが、映画翻訳者を真剣に養成し
たのか?今作の戸田奈津子の仕事は素晴らしい、しかし、彼女が今年幾つに成られるか考えた事が有るのか?戸田さんは ある種の映画偏執狂である、このこだわりがある限り、彼女は死ぬまでこの仕事から離れないだろう。後継者は?…残念ながら彼女程の愛をそそぐ人を知らない。
人材の発掘・育成・スーパーの見せ方にまず努力すべきじゃないのだろうか。
で、今日の映画です(ここで34時間あいだが空いちゃいました) ダニエル・クレイグになってからの本シリーズは、007連作と言うよりリ-ブート(再起動)ですね。 「バットマン」「スパイダーマン」なんかも一緒です。中でも唸るほど渋いのが本シリーズ、ボンドが00要員に成る所から始まって、彼の過去と現在が絡まりながら、事件よりボンドの「人間」を描く事に重点が置かれている。本作は再起動三部作の最終回になる。それに相応しく、ボンドの人間としての根っこが描かれている。勿論、フレミングの原作には全く無い設定、制作者のただならない決意が伝わって来る。007シリーズは50周年を期して全く新しく産まれ変わる。それに相応しく、設定のすべてが明らかになり、得る物も有り、また失う物も大きい。大方のファンは、戸惑いながらも目が離せない状態で前2作を見たはず、大丈夫…戸惑いはもう終わる。タイトルロールにはっきりと「彼は戻って来る」と記されていた。もう一度、「Dr,NO」から辿るのか、全く新しいストーリーに成るのかは判らない。ダニエル・クレイグのボンドが続く事だけは決まっている。今回の見所は まずハビエル・バルデムの怖さ「ノーカントリー」の悪魔のような殺し屋が金髪に成って帰って来た。ジュディ・デンチ(M)も暴れる。Qが新登場して、もう一人 顔が揃えば懐かしのシリーズフルメンバーやなと思っていたら……お~やぁ そうなっちゃうんですねぇ。ストーリーがズン!と詰まっている、オールドファンほど色々見えるものがある。見なくっちゃいけませんぜ!
『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』
青雲書房より発売中。大橋むつおの最新小説!
お申込は、最寄書店・アマゾン・楽天などへ。現在ネット書店は在庫切れ、在庫僅少で、下記の出版社に直接ご連絡いただくのが、一番早いようです。
青雲書房直接お申し込みは、定価本体1200円+税=1260円。送料無料。
送金は着荷後、同封の〒振替え用紙をご利用ください。
お申込の際は住所・お名前・電話番号をお忘れなく。
青雲書房。 mail:seiun39@k5.dion.ne.jp ℡:03-6677-4351
この物語は、顧問の退職により、大所帯の大規模伝統演劇部が、小規模演劇部として再生していくまでの半年を、ライトノベルの形式で書いたものです。演劇部のマネジメントの基本はなにかと言うことを中心に、書いてあります。姉妹作の『はるか 真田山学院高校演劇部物語』と合わせて読んでいただければ、高校演劇の基礎連など技術的な問題から、マネジメントの様々な状況における在り方がわかります。むろん学園青春のラノベとして、演劇部に関心のない方でもおもしろく読めるようになっています。
『007/スカイフォール』
これは、我が悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので、本人の了解を得て転載したものです。今回は、吹き替え版の有りようなどの、タキさんのこだわりに唸らされます。
只今9:40 八尾MOVIX上映まで1時間有り。このまにチョイと別なお話。
昨日、毎日夕刊にソニーの映画担当重役の、洋画の日本語吹き替え版のウェイトを多くする旨 発言があった。洋画の動員の中で、吹き替えを見る人の割合が増えているってのがその根拠。言い訳としては、字幕だと切り捨てられるセリフ内容の全てが伝えられる。字幕を読まなくて良くなるから役者の芝居に集中出来る……と おっしゃる……。
ハッキリ言わしてもろうて、映画観客動員数減少は業界にとっては大問題です、しかも、世界共通の傾向として観客の質が低下しています。もっとハッキリ言わして貰うなら観客がアホのガキにシフトしていると言う事で、この所映画界はこの層に配慮した作品に重点を置いて来ました。それは構わんのです、阿呆共から巻き上げた金で まともな映画を作り続ければいいんですからね。
ただ、まともな映画をまともに見られる環境は守って貰いたい。吹き替えを全面的に否定はしない、吹き替えでしか洋画を見られない方々も多数いらっしゃる。問題は製作サイドの姿勢にある。
ことにソニーは この所 こと信頼という地平線からはほど遠い。ここまでボロクソに言ったついでに吐き出すならば、本業が落ち目に成って 元々の文化に対する理念を見失っている。ソニー/コロンビアの作品で、本作や「ミレニアム・リメイク」といった堂々たる作品はアメリカ人重役の努力の結晶である、日本側高位スタッフは悉く邪魔をしている。本作を3Dで撮るように指示したドアホウがいたらしいが……悲しいかな映画担当日本人重役である。こんな奴がいるから信頼出来ないのだ。
吹き替えもいいだろう、しかし、それは芝居の構造が二重に成ってしまう危険性と隣り合わせである。芝居とは役者の肉体とその言葉との統一性の上に成り立っている。そこに吹き替えを被せるのは、言うなればミケランジェロの天井画の裸身に布を書き足す行為に他ならない。日本人声優は巧い人が多い、しかしながらオリジナルキャストその人では有り得ない、スーパーから意味が漏れ落ちるというが、映画翻訳者を真剣に養成し
たのか?今作の戸田奈津子の仕事は素晴らしい、しかし、彼女が今年幾つに成られるか考えた事が有るのか?戸田さんは ある種の映画偏執狂である、このこだわりがある限り、彼女は死ぬまでこの仕事から離れないだろう。後継者は?…残念ながら彼女程の愛をそそぐ人を知らない。
人材の発掘・育成・スーパーの見せ方にまず努力すべきじゃないのだろうか。
で、今日の映画です(ここで34時間あいだが空いちゃいました) ダニエル・クレイグになってからの本シリーズは、007連作と言うよりリ-ブート(再起動)ですね。 「バットマン」「スパイダーマン」なんかも一緒です。中でも唸るほど渋いのが本シリーズ、ボンドが00要員に成る所から始まって、彼の過去と現在が絡まりながら、事件よりボンドの「人間」を描く事に重点が置かれている。本作は再起動三部作の最終回になる。それに相応しく、ボンドの人間としての根っこが描かれている。勿論、フレミングの原作には全く無い設定、制作者のただならない決意が伝わって来る。007シリーズは50周年を期して全く新しく産まれ変わる。それに相応しく、設定のすべてが明らかになり、得る物も有り、また失う物も大きい。大方のファンは、戸惑いながらも目が離せない状態で前2作を見たはず、大丈夫…戸惑いはもう終わる。タイトルロールにはっきりと「彼は戻って来る」と記されていた。もう一度、「Dr,NO」から辿るのか、全く新しいストーリーに成るのかは判らない。ダニエル・クレイグのボンドが続く事だけは決まっている。今回の見所は まずハビエル・バルデムの怖さ「ノーカントリー」の悪魔のような殺し屋が金髪に成って帰って来た。ジュディ・デンチ(M)も暴れる。Qが新登場して、もう一人 顔が揃えば懐かしのシリーズフルメンバーやなと思っていたら……お~やぁ そうなっちゃうんですねぇ。ストーリーがズン!と詰まっている、オールドファンほど色々見えるものがある。見なくっちゃいけませんぜ!
『まどか 乃木坂学院高校演劇部物語』
青雲書房より発売中。大橋むつおの最新小説!
お申込は、最寄書店・アマゾン・楽天などへ。現在ネット書店は在庫切れ、在庫僅少で、下記の出版社に直接ご連絡いただくのが、一番早いようです。
青雲書房直接お申し込みは、定価本体1200円+税=1260円。送料無料。
送金は着荷後、同封の〒振替え用紙をご利用ください。
お申込の際は住所・お名前・電話番号をお忘れなく。
青雲書房。 mail:seiun39@k5.dion.ne.jp ℡:03-6677-4351
この物語は、顧問の退職により、大所帯の大規模伝統演劇部が、小規模演劇部として再生していくまでの半年を、ライトノベルの形式で書いたものです。演劇部のマネジメントの基本はなにかと言うことを中心に、書いてあります。姉妹作の『はるか 真田山学院高校演劇部物語』と合わせて読んでいただければ、高校演劇の基礎連など技術的な問題から、マネジメントの様々な状況における在り方がわかります。むろん学園青春のラノベとして、演劇部に関心のない方でもおもしろく読めるようになっています。