魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
26『AKR最初のレッスン』
その週末、AKRの最初のレッスンの日がやってきたぜ!
約束じゃ、体は拓美に貸して魔界で補修なんだけどな、今日は特別に憑いてる。
姿勢と歩き方の練習だけで二時間。そのあと発声とボイストレ-ニング。昼食を挟んで、ストレッチをやってダンスレッスン。まるで体操部みてえなことばっかりやらされる。ダンスの基本だと聞いてなかったら五分ももたなかったぜ。
その合間にスマイルの練習。
要はニコニコ微笑む練習で、これが案外むつかしい。オーディションのときは、緊張しながらも、みなハイテンションだったんで自然な笑顔になったけどよぉ、なんにもねえのに微笑むってのはむつかしいぜ。
姿勢と歩き方の練習だけで二時間。そのあと発声とボイストレ-ニング。昼食を挟んで、ストレッチをやってダンスレッスン。まるで体操部みてえなことばっかりやらされる。ダンスの基本だと聞いてなかったら五分ももたなかったぜ。
その合間にスマイルの練習。
要はニコニコ微笑む練習で、これが案外むつかしい。オーディションのときは、緊張しながらも、みなハイテンションだったんで自然な笑顔になったけどよぉ、なんにもねえのに微笑むってのはむつかしいぜ。
「はい、笑って!」
と、いきなり言われても、なかなか出来るもんじゃねえ。中には虫歯が痛いのをこらえているような顔になるやつもいやがった。
「あなたたちは、アイドルなんだからね。どんなに疲れていても落ち込んでいても、一瞬で笑顔になれなきゃダメ!」
前世紀末にアイドルの頂点にいたインストラクターの指導は厳しかった。
「ダメよ、3分やそこらで引きつってしまうようじゃ。いい、笑顔ってのは、ホッペのところに笑筋というのがあって、ここを鍛えるの。日本人が一番苦手な表情筋。今から、またダンスのアップダウンやるけど、その間、笑顔を絶やさないように。前の鏡を見ながら、チェックして、ハイ一時間!」
で、一時間すると、知井子を始め、大半のやつの笑筋は笑顔のまま引きつるか、ケイレンしてしまったぜ。
で、一時間すると、知井子を始め、大半のやつの笑筋は笑顔のまま引きつるか、ケイレンしてしまったぜ。
落ちこぼれ天使の雅部利恵はろくでもねえやつだけど、この笑顔の関してだけはエライと思っちまったぜ。あいつ、怒る時も居眠りする時も必殺技くらわせてくるときも笑顔だもんな(^△^;)。
知井子もケイレン組だけどよ、楽しそうなんでマユは嬉しかった。リーダーの大石クララは、さすがに、ダンスのアップダウンも笑顔もこなしてやがる。
知井子もケイレン組だけどよ、楽しそうなんでマユは嬉しかった。リーダーの大石クララは、さすがに、ダンスのアップダウンも笑顔もこなしてやがる。
最年長の服部八重もできてやがって。知井子は「負けた」と感じてやがったけど、ヘタレ眉になりながらも爽快な顔をしてやがる。
爽快とヘタレってのは相反するんだけど、知井子のはなんか微笑ましくってよ「いちばん個性的よ!」とインストラクターにも褒められて、みんなも拍手なんかしやがってよ、マユも自分のことみてえに嬉しくなったぜ。
知井子の人生は、負けっ放しでヘコンでばかりだった。
でも、今はちがう。近いうちに必ず自分もできるんだという気持ちが湧いてきてやがる。それに、だれもできないことを笑ったりバカにしたりしねえ。みんな同じ目標を持ってるからかな。
沙耶や里衣沙も数少ない友だちだったけど、このAKR47は、知井子が今まで経験したことがないような仲間になってきたぜ。
「じゃ、取りあえずプロモ用の写真撮るからね。一か月限定で流すAKR初のプロモだよ」
全員の集合写真と個別の写真。ディレクターから多少の注文はつくけど、基本は本人たちの生(き)のままだ。
「じゃ、取りあえずプロモ用の写真撮るからね。一か月限定で流すAKR初のプロモだよ」
全員の集合写真と個別の写真。ディレクターから多少の注文はつくけど、基本は本人たちの生(き)のままだ。
ほとんどのやつが、ぎこちなかったけど、黒羽Dは、あえてそのままにした。成長するアイドルの第一歩だとか言ってよ。
その中に、大石クララと並んで自然なハツラツさで撮れた者がいた。
マユだ。
正確にはマユが体を借してやってる幽霊の拓美。拓美のマユは、午前のレッスンから際だっていた。休憩中には、できねえやつに付いてやって、リーダーシップさえ発揮していやがった。
拓美がマユの魔法で、みんなの記憶から消えてしまった(ただ、大石クララだけは知っている)んで、サブリーダーが居なかったんで、サブリーダーは不在のままだった。
「マユ、サブリーダーやってくれないか」
レッスンの最後に黒羽ディレクターから頼まれた。
拓美がマユの魔法で、みんなの記憶から消えてしまった(ただ、大石クララだけは知っている)んで、サブリーダーが居なかったんで、サブリーダーは不在のままだった。
「マユ、サブリーダーやってくれないか」
レッスンの最後に黒羽ディレクターから頼まれた。
その明くる日、マユは目覚めてびっくりした。自分の中から拓美が出ていかねえんだ。
――ちょっと、約束が違うじゃねえか。平日はマユだろうが――
――ちょっと、約束が違うじゃねえか。平日はマユだろうが――
――ごめん、レッスンが終わったら、出て行けなくなっちゃって――
――ええ、困るよ。マユ二重人格になっちまうじゃねえか!――
――ほんとうにごめん。平日は大人しくしているから――
――もうヽ(`Д´#)ノ !――
マユは、初めて、やっかいな幽霊を引き受けてしまったことを後悔したぞ。
マユは、初めて、やっかいな幽霊を引き受けてしまったことを後悔したぞ。
キリキリキリ……
とたんに戒めのカチューシャが頭を締め付けてきやがる。
「「イテ……!」」
マユの悲鳴はステレオになっちまった……。
「「イテ……!」」
マユの悲鳴はステレオになっちまった……。
☆彡 主な登場人物
- マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
- 里依紗 マユの同級生
- 沙耶 マユの同級生
- 知井子 マユの同級生
- 指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
- 雅部 利恵 落ちこぼれ天使
- デーモン マユの先生
- ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
- 黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー
- 光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
- 浅野 拓美 オーディションの受験生
- 大石 クララ オーディションの受験生
- 服部 八重 オーディションの受験生
- 矢藤 絵萌 オーディションの受験生
- 片岡先生 マユたちの英語の先生