魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
109『さまよえる潤と拓美のレクチャー』
潤が、困ったような、すがりつくような目を向けてきやがる……拓美は、一呼吸すると決心して語り始めやがったぞ。
「わたし……マユじゃないの」
「え……?」
「だから……」
あとの言葉が続かねえ。
これを言ったら拓美は、もうマユのアバターの中には居られないような気がしてんだ。
あとの言葉が続かねえ。
これを言ったら拓美は、もうマユのアバターの中には居られないような気がしてんだ。
通風口のスリットを通して、病院の微かな日常音が聞こえてきやがる。患者や病院関係者の足音、密やかな話し声、ストレッチャーや車椅子の音、それは現実の時間が確実に流れていることを拓美につきつけてきやがる。
「わたしは浅野拓美っていうの、幽霊よ……」
「え……?」
「わたしは浅野拓美っていうの、幽霊よ……」
「え……?」
「わたし、AKRの最終オーディションの前に交通事故で死んだの。でも、死んだことに気づかなくて、最終選考のオーディションまで来てしまって……そこで、マユに見破られてしまって、やっと自分が死んでいることに気づいたの……まだ、驚かないでね、話は、まだまだ半分なんだから」
どう受け止めていいか分からずに、潤は動揺した目で、拓美を見てやがる。
「マユって子は……特殊な能力があって、それに気づいて見破ったの。で……一度は諦めたんだけど……諦めるって、あの世に逝くってことだけどね。わたし、どうしてもアイドルになりたかった。自分の力と運を試したかった。そうしたらマユは、自分の……この体を貸してくれたの」
「し、信じられません。マユさんは、クララさんなんかと同じ一期生で、わたしたちの憧れでした。急に別人だなんて……」
「わたしの本当の姿を見せてあげる」
拓美が、部屋の姿見を指差した……そこには、マユのアバターではなく、拓美本来の姿が映っていた。
「こ、これが拓美さん……」
「そう、AKRは、本当は48人。わたしに関する記憶は、マユが全て消し去って、わたしに、この体を貸してくれた。だからAKRは47なのよ」
潤は姿見の拓美本来の姿と、マユのアバターに入った拓美の姿を見比べやがった。
「拓美さん、本来の姿の方が可愛い……」
ヘクチ(><)
遠く離れた神楽坂のスタジオで、仁科香奈のマユはクシャミをしちまった。
「アハハハ(^_^;)」
遠く離れた神楽坂のスタジオで、仁科香奈のマユはクシャミをしちまった。
「アハハハ(^_^;)」
「……でも、マユ……拓美さん、どうして、こんな話してくれたんですか?」
「なにか刺激的な話をして引き留めておかないと、潤は、向こうへ逝ってしまいそうだから」
潤は初めて気がつきやがった。
潤は初めて気がつきやがった。
自分の頭の上に、かすかな光の渦が来ていて、そこに引き込まれつつあることによ……放っておけば光を慕って屋上に出て、その渦の中にまきこまれちまったであろうことをな。
「わたし、死ぬところだったんですね(;'∀')」
「そう……あの光の渦に飲み込まれてね。そうじゃなきゃ、わたしみたいに、死んだことも自覚しないで、この世をさまよっていたわ」
「わたし、死ぬところだったんですね(;'∀')」
「そう……あの光の渦に飲み込まれてね。そうじゃなきゃ、わたしみたいに、死んだことも自覚しないで、この世をさまよっていたわ」
「あ、ありがとうございます(-_-;)」
「いいのいいの(^_^;)、これで潤は死なずにすむ。念のため、このアバターの力を少し分けてあげるわね……」
拓美は、自分の胸に手をやると、ピンポン玉ほどの光の玉を潤の胸に押し当てやがる。潤はホワっと体が温まるのを感じたぞ。
拓美は、自分の胸に手をやると、ピンポン玉ほどの光の玉を潤の胸に押し当てやがる。潤はホワっと体が温まるのを感じたぞ。
頭の上の光の渦は、小さく遠くなっていってしまったぞ。
「もうこれで潤は生き返る。さあ、自分の体に戻りなさい」
「もうこれで潤は生き返る。さあ、自分の体に戻りなさい」
「はい」
「それと……わたしが拓美だってことは、しばらく黙っていてね。人に知られてしまったら、わたし、もう、このアバターに憑いていることができなくなるから」
「絶対言いません! だって、拓美さんが、命がけで助けてくれたんですから(><)!」
「ほらほら、わたしは拓美じゃなくてマユよ。AKR創立以来の選抜メンバー出昼マユなのよ」
「は、はい!」
ピューーン
元気よく返事をすると、潤はゴムひもで引っ張られたみてえに、自分の体に戻っていきやがった。
――人に話してしまった。もう、このマユのアバターにも長くは居られないだろうね――
――人に話してしまった。もう、このマユのアバターにも長くは居られないだろうね――
拓美は思ったが、「これでいいんだ」と言う自分が芽生え始めていることに、初めて気づきやがった……。
☆彡 主な登場人物
マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院 オモクロでは仁科香奈
里依紗 マユの同級生
沙耶 マユの同級生
知井子 マユの同級生
指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
雅部 利恵 落ちこぼれ天使
デーモン マユの先生
ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
レミ エルフの王女
ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
白雪姫
赤ずきん
ドロシー
西の魔女 ニッシー(ドロシーはニシさんと呼ぶ)
その他のファンタジーキャラ 狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ
黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー 地親は黒羽英雄
由美子 英二の妹
真田 由美子の元カレ
美優 ローザンヌの娘 英二の妻
光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
浅野 拓美 オーディションの受験生
大石 クララ オーディションの受験生
服部 八重 オーディションの受験生
矢藤 絵萌 オーディションの受験生
上杉 オモクロのプロディューサー
桃畑 加奈子 オモクロの創設メンバー
マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院 オモクロでは仁科香奈
里依紗 マユの同級生
沙耶 マユの同級生
知井子 マユの同級生
指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
雅部 利恵 落ちこぼれ天使
デーモン マユの先生
ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
レミ エルフの王女
ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
白雪姫
赤ずきん
ドロシー
西の魔女 ニッシー(ドロシーはニシさんと呼ぶ)
その他のファンタジーキャラ 狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ
黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー 地親は黒羽英雄
由美子 英二の妹
真田 由美子の元カレ
美優 ローザンヌの娘 英二の妻
光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
浅野 拓美 オーディションの受験生
大石 クララ オーディションの受験生
服部 八重 オーディションの受験生
矢藤 絵萌 オーディションの受験生
上杉 オモクロのプロディューサー
桃畑 加奈子 オモクロの創設メンバー