明神男坂のぼりたい
AKR47の母体はユニオシ興行。
日本で一番人使いが荒い。
当たるとなると、半日の休みもくれない。これでは、先日の仲間美紀みたいな子も出てくる(リスカだったけど、命に別状は無し。だけど、休んでる間に、ゴーストライター付きで手記を書かされている。ほんとに無駄のない会社)
あたたちは、まだまだ売り出し中なので、オファーのあった仕事はなんでもやる……やらされる……やらせていただく。
今日は、わざわざ新幹線とバスを乗り継いで、バンジージャンプのメッカ愛知鷹尾ハイランドにまできている。
あたしたちはAKBみたいに自分の番組持てるところまでいってないので、ヒルバラ(お昼のバラエティー)に10分のコーナーをもらってて、メンバーが、とっかえひっかえ、いろんなことをやらされる。
水を張った洗面器に顔を突っ込んでどこまで耐えられるか競走
渋谷の交差点で交通量調査の要領でイケメン通過調査競走
浅草で人形焼きの早食い競争
東京タワーの階段早登り競争
逆立ち10メートル競走
温水プールバタ足50メートル競争
とげぬき地蔵でくぎ抜き競争
で、10回目記念に、六期生対抗バンジージャンプというのをやらされた。
いえ、やらせていただきました(-_-;)。
「ええー、どうしても明日香がやりたいというので(だれも言ってません!)この愛知鷹尾ハイランドのバンジージャンプにやってきました。ここはジャンプしながら願い事を叫ぶと叶うそうです。デビューからたった2カ月、どんな願いがあるのでしょうか(決まってるじゃん、ゆっくり寝かせて!)でも、ここの願い事は、ジャンプするまでは口にできません。しゃべってしまうと効果が無いそうです。で、明日香にはカメラ付きの……」
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ヘルメットを被せられた。
顔の前には自撮り、メットの上には、あたしの視線とシンクロさせたチビカメラが付いている。
ホントはメンバー二人が飛ぶはずで、ジャンケンに負けたカヨちゃんも飛ぶはずだったんだけど、リハでちびってしまうぐらいの緊張の末に過呼吸になって、急きょチームリーダーのあたしが二人分の内容=おもろさを出して飛ぶことになった。
「なんで、明日香が選ばれたか分かる?」
MCのタムリが聞いてくる(なぜか大阪弁のテロップ『おまえやんけ、やれ言うたん!』)
「え、あ、センターだから?」
「いや、明日香だけが、自分の部屋3階にあるから」
「ええ、マンションの五階とかに住んでるのもいますよ」
「戸建てで、三階は明日香一人だから。で、準備は万端?」
「うん、トイレも二回もいってきたし……たぶん大丈夫」
「よし、絶対成功する御呪いしてあげる……」
そう言って、タムリはあたしのすぐ横に寄ってきた……と思たら、突き飛ばされた!
ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
そう叫んだとこまでは覚えてる。
そのあと、あたしはモニターの中からも、みんなの視界からも一瞬で消えてしまった……