魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
118『名残り雪』
四番目のやつは、そっくりだったぞ……浅野拓美に!
ハッピーハッピークローバー 奇跡のクローバー ♪
\(^o^♪(^O^♪(^O^♪)^o^)/
三番が終わって決めポーズ!
直後……四人目のそいつは滲んで消えやがった。
「みなさーん! 今、ここにいた子は、HIKARIプロの、わたし達の情熱。そして東京工科大学の司先生の技術によって生み出された、わたしたち三つ葉のクローバー四枚目の葉っぱです。わたしたちとみなさんの情熱や愛情がマックスになったときに現れる、四人目のバーチャルアイドルです!」
リーダーの萌が宣言しやがる。
「みなさーん、もう一度会いたいですかあ!?」
「うおー!」「ハーイ!」「会いたい、会いたい!」などの声が一斉にした。放送局のコンピューターにも、視聴者の「もう一度会いたい!」というコメントが殺到。
もう一回! もう一回! もう一回! もう一回! もう一回!!
もう一回コールが高まる中、そいつは再び現れた……。
「ありがとう、みなさん! みなさんの熱い思いで、もう一度、みなさんに会えることができました。三つ葉のクローバーへのみなさんの愛情がマックスになったとき、それをエネルギーにして、わたしは現れることができます。わたしは四枚目の葉っぱです! 四葉のクローバー! 花言葉は『幸福』です。でも、まだ名前がありません。この《ハッピークローバー》のCDを買っていただくと、命名カードが付いています。どうか、それに素敵な名前を書いて送ってください。素敵な名前付けてもらえるの楽しみにしています。とりあえず四枚目の葉っぱ『幸福』からのお願いでした。じゃ、また皆さんの愛情で会えますように……」
もう一回コールが高まる中、そいつは再び現れた……。
「ありがとう、みなさん! みなさんの熱い思いで、もう一度、みなさんに会えることができました。三つ葉のクローバーへのみなさんの愛情がマックスになったとき、それをエネルギーにして、わたしは現れることができます。わたしは四枚目の葉っぱです! 四葉のクローバー! 花言葉は『幸福』です。でも、まだ名前がありません。この《ハッピークローバー》のCDを買っていただくと、命名カードが付いています。どうか、それに素敵な名前を書いて送ってください。素敵な名前付けてもらえるの楽しみにしています。とりあえず四枚目の葉っぱ『幸福』からのお願いでした。じゃ、また皆さんの愛情で会えますように……」
花言葉『幸福』は両手を胸にあて、優しい笑顔のまま消えていきやがった。
「どう見ても拓美……」
ため息をつくマユに、密やかに声が掛かったぞ。
……マユ、わたしに付いてきて……
……マユ、わたしに付いてきて……
え?
それは仁和さんだった。返事も待たずに仁和さんはスタジオを出て行った。マユは、引き寄せられるように、そのあとに付いた。
それは仁和さんだった。返事も待たずに仁和さんはスタジオを出て行った。マユは、引き寄せられるように、そのあとに付いた。
着いた先は、階段を下りたロビー。そのロビーのガラスの外には、東京の夜景が眼下に広がってやがる。この一年見慣れた東京の夜景が。
ああ、あのあたりが学校……事務所はあのあたり……なにか、その夜景は、とても懐かしく、愛おしく思えたぞ。
「さあ、こっちへ……」
仁和さんのガラスの前には、いつの間にかガラスのドアができていた。ノブが付いているんでドアっぽいけど、ガラスはガラス、素通しで夜景が見えている。
「さあ、こっちへ……」
仁和さんのガラスの前には、いつの間にかガラスのドアができていた。ノブが付いているんでドアっぽいけど、ガラスはガラス、素通しで夜景が見えている。
仁和さんがドアを開けると……二十畳ほどの応接室みてえになっている。応接って言っても、あいかわらず外の夜景はそのままに見えてやがる。
「失礼します……」
そう言って、部屋に入ろうとしたとき、思念が飛び込んできた。
―― 入っちゃダメ! そこは…… ――
仁和さんがドアを閉めたんで消えちまったけど、それは、オチコボレ天使の雅部利恵っぽい。
―― 入っちゃダメ! そこは…… ――
仁和さんがドアを閉めたんで消えちまったけど、それは、オチコボレ天使の雅部利恵っぽい。
「今のは……」
「そう、オチコボレ天使の雅部利恵よ。あの子は立場を超えて、あなたに友情を感じ始めている」
「仁和さん……」
「まだ気がつかないか……あなたの担任よ」
「あ……え、ええ!? サタン先生(⊙∀⊙) !」
「不思議に思わなかった? 人を思い浮かべる時、わたしにだけは『さん』付けしていたろが」
え、あ……( ゚Д゚)
ぜんぜん意識してなかったぞ……なんか悔しい(-_-;)。
「そういうところがお前の可愛さだ」
「へへへ……(*´ω`*)」
「フフフ」
って、なに和んでるんだ!
「では、これを……」
仁和……サタン先生は空中から、A4の紙を取りだし、マユに渡したぞ。
「追認合格書……」
「まずは、おめでとう。晴れて単位認定……」
「先生、マユは……」
「愛情を持ちすぎてしまったな、この世界に」
「まだやり残したことが……」
「もういい。マユ、おまえは十分に知った。人間は苦悩の果て、様々なものを失って、試練を重ね、傷ついた果てに心を高めていくものだということをな……いろんなことがあったな、拓美の救済も見事だったぞ……」
「あのバーチャルアイドルは……」
「創ったのは人間だ。わたしは時どきマユや拓美がやったことにアクセントを付けて見せただけだ……」
「そうだったのか、よかった……」
「さあ、向こうのドアから、魔界に戻るぞ」
「先生。まだ、やり残したことが……」
「これ以上はダメだ。天使の領域に踏み込んでしまう。マユはあくまでも悪魔なのだからな」
「オヤジ……ギャグですか」
「そういうノリでオサラバしておけ……この期に及んで、そのカチューシャを締め上げたくはないしな」
「わ……分かりました」
「今度は、任務として、この世界に。そのときまでは……な」
「わ……分かりました」
「今度は、任務として、この世界に。そのときまでは……な」
「はい」
サタン先生が小さく頷くと、魔界と現世の狭間の部屋は一瞬で消えちまったぞ。
「消えた……」
雅部利恵は、美川エルの姿のままガラスの前で小さくため息をつきやがる……ガラスの外、おりから降り出した名残り雪が東京の夜景を滲ませてやがった。
「消えた……」
雅部利恵は、美川エルの姿のままガラスの前で小さくため息をつきやがる……ガラスの外、おりから降り出した名残り雪が東京の夜景を滲ませてやがった。
魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!・第一部……完