【場外市場のウニ・イクラ丼】
9月17日(土)の加藤雄詞さんの絵画展に合わせて
初めて訪れた札幌。
旅はいつの時でも帰ってからはじめて
その幸せをあらためて実感するものである。
2泊3日の中で、メインは過去世リーディングの仕事。
でも、1泊2日の強行スケジュールは選ばず
あえて半日だけ、贅沢な時間を自分のために作ることができた。
出発は16日(金)。
昼過ぎ出発の飛行機に乗る直前、
空港の書店でポケットガイドを購入し、
到着してから翌日の絵画展の
時間までどのように過ごそうかを考えた。
離陸してから札幌市内に入るまでの約3時間、
パラパラとページをめくり訪問可能な観光スポットは
どこなのか、時間と距離をあわせてずっと考えていた。
あれこれと迷っているうちに、希望がたくさんありすぎて
だんだんと頭の中が絡まり始めてしまったので、
気持ちを落ち着かせて考えてみることにした。
私はどんな所がワクワクするんだろう?
ドキドキっとする場所はどこだろう?ということを
キーワードに目的地を絞り込んだ。
温泉?ショッピング?史跡めぐり?大自然?
北海道の大きさを実感するのには、
今回の限られた時間内では叶いそうもない。
そんな制約の中で、自分の心をフォーカスしてみた。
すると、一番ウキウキと心踊る場所が湧き上がってきた。
…それは意外なことに、「魚市場」だった。
亡き父がよく北海道に出張しては、
満面の笑みを湛えながら両手一杯に
カニやらメロンなどをおみやげに買って
帰ってきた懐かしい記憶をこの足で
たどって見たかったというのも
理由のひとつなのだろう、と思う。
そしてTVでよく見る新鮮な海鮮丼に、なにより憧れていた。
それは札幌だったのか、もっと漁港に近いところだったのか
定かではないが、とにかく足を運ぶことにした。
初日の夕方は「二条市場」。
そして17日、絵画展の始まる1時間前まで
札幌中央卸売市場の「場外市場」。
フリータイムは結局、ふたつの魚市場めぐりとなってしまった。
「二条市場」では鮮魚店内にある食堂で
ウニ、イクラ、ホタテ、カニがそれぞれ小さい鉢に
入った4種丼に鉄砲汁がついたセット。
新鮮な海の幸とおいしいご飯にノックアウト状態。
これがうまいものには名高い、
札幌ブランドなのね!とつくづく思った。
******************
おいしいご飯に対するこだわりを、
日本人は並々ならぬ高さで持っている。
あのお店はご飯が本当においしいの、とか
とにかくご飯がまずくてだめよ!などなど
キビしいジャッジが下る。
味やサービスや価格以上に、
お米を上手に炊けているか、
またはいいお米とまで言わなくても
古米と古々米のMIX、さらに古々々米なんかを
混ぜ合わせていないかどうかを
無言のうちにチェックしているものなのだ。
学生の頃、1人暮らしの友人たちに混じって
時折、小さな食堂に定食を食べに行っていた。
お店の名前は「さんちゃん」。
あの当時で定食は確か¥380。
ちょうど世間はバブルの直前で、ご飯はおかわり自由。
破格に安くてボリューム満点が魅力で、
食欲旺盛で貧乏な学生たちでいつも賑わっていた。
そして穏やかな夫婦が作り出す店の雰囲気が
アットホームで、故郷をあとした若い学生たちの
心も一緒に温めてくれていた。
長い夏休み明けだっただろうか?
しばらくぶりに食事に出かけることになり、
当然そのお店に足を運ぶことになるのだろうと
思っていたら、違う店に行くことになった。
理由を尋ねると、急にご飯の味がまずくなったんだよ。
最近みんなあそこには行っていないんだ、と
一人が言うと同席していた何人かも、
そう、やっぱりご飯が美味しくないとね!とうなずいていた。
貧乏学生といいながらも、人情や量よりも
「お米の質」を最優先させたのだ。
え?あんなにおじさんたちに良くしてもらったのに?
しかもこっちの店のほうが、値段も100円高いし、
店も古いじゃないの?と内心思いながらも
客のニーズとはそんなものなのだ、ということを
若くして学んだような気がする。
また、こんなことも定義づけられるのではないか、と
常々思っている。
「価格とうまさは比例する」
安ければ、この値段でこの味?本当においしい~!と
なるし、もしも高いのにがっかりするような味なら
気持ちとともに、味覚も落ち込んでいくようだ。
たとえば、10年近く前のこと、
トンカツ定食1200円を頼んだら、すでに揚げてある
生暖かいカツをバットからトングでつまみ上げ、
そのままお皿の上に並べた一部始終を見たとき、
この値段でそれはないよね?冗談だよね?と
我が眼を疑った。せめてもう一回揚げ直すよね?と
いう希望もむなしく、ドカっと皿に乗った瞬間、
夢なら覚めてほしいと願ったほどだ。
そんなネガティブな思いで
食べる食事は美味しいわけがない。
でもそれが、もし半値以下ならどうだろう?
ん~、まあいいか!と思えたり、
あの値段でこのボリュームは
超お徳だし、おいしいよね!と
味覚まで変わってきてしまうものだ。
そんな風に価格も微妙に舌へと
影響していることは否めない。
******************
ところが食の王国、北海道はその定評どおり
何を食べても本当においしい。
チェーン店でさえも、他の土地とは味が違うのだそうだ。
「場外市場」では地元の人にお勧めのお店を聞いて
朝から念願の「ウニ・イクラ丼」を食べて
ひとりでとろけそうになっていた。
タラバガニとイクラ、メロンなど
北の大地ならではの食材は宅急便で送った。
そして、今回の一番おみやげは
小さな小さな「マリモ」。
チャックつきのビニール袋に入っていて、
大切に家に連れて帰ってきた。
兄弟ができた!と中学生なのに、
予想以上に息子が喜び、さっそく名前がついた。
マリモの「ニモちゃん」。
ねぇ、ニモちゃんは何を食べるの?と
本気で尋ねるので、
「“藻”なんだから水しかいらないよ」と
答えたら、しばらく目をパチクリさせていた。
我が家には現在、
長男(人間)
次男(犬→5年前、長野の山の中で拾ってきた)
三男?(マリモ→札幌・場外市場出身)
・・・が同居している。
9月17日(土)の加藤雄詞さんの絵画展に合わせて
初めて訪れた札幌。
旅はいつの時でも帰ってからはじめて
その幸せをあらためて実感するものである。
2泊3日の中で、メインは過去世リーディングの仕事。
でも、1泊2日の強行スケジュールは選ばず
あえて半日だけ、贅沢な時間を自分のために作ることができた。
出発は16日(金)。
昼過ぎ出発の飛行機に乗る直前、
空港の書店でポケットガイドを購入し、
到着してから翌日の絵画展の
時間までどのように過ごそうかを考えた。
離陸してから札幌市内に入るまでの約3時間、
パラパラとページをめくり訪問可能な観光スポットは
どこなのか、時間と距離をあわせてずっと考えていた。
あれこれと迷っているうちに、希望がたくさんありすぎて
だんだんと頭の中が絡まり始めてしまったので、
気持ちを落ち着かせて考えてみることにした。
私はどんな所がワクワクするんだろう?
ドキドキっとする場所はどこだろう?ということを
キーワードに目的地を絞り込んだ。
温泉?ショッピング?史跡めぐり?大自然?
北海道の大きさを実感するのには、
今回の限られた時間内では叶いそうもない。
そんな制約の中で、自分の心をフォーカスしてみた。
すると、一番ウキウキと心踊る場所が湧き上がってきた。
…それは意外なことに、「魚市場」だった。
亡き父がよく北海道に出張しては、
満面の笑みを湛えながら両手一杯に
カニやらメロンなどをおみやげに買って
帰ってきた懐かしい記憶をこの足で
たどって見たかったというのも
理由のひとつなのだろう、と思う。
そしてTVでよく見る新鮮な海鮮丼に、なにより憧れていた。
それは札幌だったのか、もっと漁港に近いところだったのか
定かではないが、とにかく足を運ぶことにした。
初日の夕方は「二条市場」。
そして17日、絵画展の始まる1時間前まで
札幌中央卸売市場の「場外市場」。
フリータイムは結局、ふたつの魚市場めぐりとなってしまった。
「二条市場」では鮮魚店内にある食堂で
ウニ、イクラ、ホタテ、カニがそれぞれ小さい鉢に
入った4種丼に鉄砲汁がついたセット。
新鮮な海の幸とおいしいご飯にノックアウト状態。
これがうまいものには名高い、
札幌ブランドなのね!とつくづく思った。
******************
おいしいご飯に対するこだわりを、
日本人は並々ならぬ高さで持っている。
あのお店はご飯が本当においしいの、とか
とにかくご飯がまずくてだめよ!などなど
キビしいジャッジが下る。
味やサービスや価格以上に、
お米を上手に炊けているか、
またはいいお米とまで言わなくても
古米と古々米のMIX、さらに古々々米なんかを
混ぜ合わせていないかどうかを
無言のうちにチェックしているものなのだ。
学生の頃、1人暮らしの友人たちに混じって
時折、小さな食堂に定食を食べに行っていた。
お店の名前は「さんちゃん」。
あの当時で定食は確か¥380。
ちょうど世間はバブルの直前で、ご飯はおかわり自由。
破格に安くてボリューム満点が魅力で、
食欲旺盛で貧乏な学生たちでいつも賑わっていた。
そして穏やかな夫婦が作り出す店の雰囲気が
アットホームで、故郷をあとした若い学生たちの
心も一緒に温めてくれていた。
長い夏休み明けだっただろうか?
しばらくぶりに食事に出かけることになり、
当然そのお店に足を運ぶことになるのだろうと
思っていたら、違う店に行くことになった。
理由を尋ねると、急にご飯の味がまずくなったんだよ。
最近みんなあそこには行っていないんだ、と
一人が言うと同席していた何人かも、
そう、やっぱりご飯が美味しくないとね!とうなずいていた。
貧乏学生といいながらも、人情や量よりも
「お米の質」を最優先させたのだ。
え?あんなにおじさんたちに良くしてもらったのに?
しかもこっちの店のほうが、値段も100円高いし、
店も古いじゃないの?と内心思いながらも
客のニーズとはそんなものなのだ、ということを
若くして学んだような気がする。
また、こんなことも定義づけられるのではないか、と
常々思っている。
「価格とうまさは比例する」
安ければ、この値段でこの味?本当においしい~!と
なるし、もしも高いのにがっかりするような味なら
気持ちとともに、味覚も落ち込んでいくようだ。
たとえば、10年近く前のこと、
トンカツ定食1200円を頼んだら、すでに揚げてある
生暖かいカツをバットからトングでつまみ上げ、
そのままお皿の上に並べた一部始終を見たとき、
この値段でそれはないよね?冗談だよね?と
我が眼を疑った。せめてもう一回揚げ直すよね?と
いう希望もむなしく、ドカっと皿に乗った瞬間、
夢なら覚めてほしいと願ったほどだ。
そんなネガティブな思いで
食べる食事は美味しいわけがない。
でもそれが、もし半値以下ならどうだろう?
ん~、まあいいか!と思えたり、
あの値段でこのボリュームは
超お徳だし、おいしいよね!と
味覚まで変わってきてしまうものだ。
そんな風に価格も微妙に舌へと
影響していることは否めない。
******************
ところが食の王国、北海道はその定評どおり
何を食べても本当においしい。
チェーン店でさえも、他の土地とは味が違うのだそうだ。
「場外市場」では地元の人にお勧めのお店を聞いて
朝から念願の「ウニ・イクラ丼」を食べて
ひとりでとろけそうになっていた。
タラバガニとイクラ、メロンなど
北の大地ならではの食材は宅急便で送った。
そして、今回の一番おみやげは
小さな小さな「マリモ」。
チャックつきのビニール袋に入っていて、
大切に家に連れて帰ってきた。
兄弟ができた!と中学生なのに、
予想以上に息子が喜び、さっそく名前がついた。
マリモの「ニモちゃん」。
ねぇ、ニモちゃんは何を食べるの?と
本気で尋ねるので、
「“藻”なんだから水しかいらないよ」と
答えたら、しばらく目をパチクリさせていた。
我が家には現在、
長男(人間)
次男(犬→5年前、長野の山の中で拾ってきた)
三男?(マリモ→札幌・場外市場出身)
・・・が同居している。