今年のコミュニティガーデンは
苗の差し入れがテーブルいっぱい♪
メンバーズメールによると
The Bronx Land Trust
(ブロンクスランドトラスト)から
ブロンクスのこういったガーデンに
無料提供されているのだという。
メンバーはハーブや野菜、花の苗を
好きなだけどうぞ、というなんとも
素敵すぎるギフト。
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去年の今頃はなにしろ
ロックダウン真っ最中でこんなに見事な
差し入れはあったのかなかったのか
記憶にないし、おととしの
新入りの時には、畑の空きがなくて
小さな鉢1個だけ。
メンバーのあまった苗をおすそ分け
してもらったことはあるけれど。
あんまりに嬉しくて、
どれにしようか迷う。
でも1.5畳ほどの私の畑には
そんなに植えられない。
なにしろ夏にはモクモクに
育ってしまうから。
ひとまずプレートに欲しいものをのせて、
自分のベッドに運び
1〜2苗ずつを植えてみた。
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レタスやルッコラのウネの間に。
あー、でもコレもやっぱり1苗だけ。
ん〜、コレも植えてみたい。
テーブルに戻ってひとつひとつのラベルを
見ては行ったり来たり。
なんと気づいたら10種類以上も植えてしまった。
・オクラ okra Jambalaya
・ハバネロ Habanero
・ハラペーニョ jalapeño(Jedi )
・バジル Basil (Tulsi)
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・紫バジルBasil Opal (Red Rubin)
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・タイバジル Thai basil
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・紫ケール Kale (Redbor )
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・キュウリ
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・トマトTomato (Brandwine )
・ジャーマンタイムThyme German
・イタリアンパセリ Gaiant of Italy
・マリーゴールドMarigolds Dark orange
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・カレンデュラ
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あれこれ迷って植えてみて、それだけで
どのくらいの時間が過ぎていくのだろうか。
「時は金なり」なんていう言葉とは
真逆の暮らしはまさに、
50年以上過ごしてきた東京では
体験することの出来なかった
“スローライフ”
ある日のこと。
ここのガーデンの達人、
小さなガーデンを何回転もフル稼働させる
お母さんと2人になった。
いつか名前を聞きたい、
いろいろ教えてもらいたい、と
思っていた名人である。
レタスを摘んでいると、お母さんが
近づいてきて突然私の畑に手を伸ばした。
これはいらない草だから抜くわね。
ほら、これもよ。これは
そのままにしておくと根が深くなって
抜くのが大変よ!ほら見て、
あの大きな木から種が
落ちて来ているのよ。
ほっておくと木になっちゃうわよ。
そう言いながら慣れた優しい手つきで
あっという間に雑草を採ってくれる。
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1番大きく育った芽だけを残して。
これは自分で抜いてみて、ほらね。
根が長く伸びているでしょう?
全部自分でやらずに最後
は私の経験のために残しておくなんて。
まさに師匠の域である。
これはどうする?
ツボミが出てきているから
お花が咲くんじゃない?
どうなるか見てみたい、と
私がそう言うと、ツボミだけを残して
葉だけを取ってくれていた。
今、おかげであの白いアリウムは
ちゃんと花ざかりである。
これはこんなにいらないわよ。
無数に出てきたディル の
新芽たちを指さした。
この大きな1本があれば充分じゃない、
かなり大きくなるでしょう?
抜いた方がいいわよ。
そうか〜、でももう少し大きくなって
サラダや料理に使ったら抜くわ、
というとそれには手をつけない。
「話せるのは英語だけ?」
お母さんが聞いてきた。
「あとは日本語を。お母さんは?」と
たずねると
「私はスペイン語。スペイン語の方が
得意で病院なんかでは
スペイン語で話す方がラクなのよ、
ボリビアからここに来たの」
「えぇ〜!でも元々は?」
「オリエンタルよ」
アジアのどこ?と聞くと、
ソウルで生まれたのだという。
10才の頃に家族でボリビアに移り、
そこで40年近く暮らし、30年ほど前に
ニューヨークに来たのよ。
長い長い旅だったわ、と穏やかに笑う。
今は85才になったの。
毎日、このガーデンでは
やることがたくさんあって忙しいわね。
じゃあまたね、と言って鉄の扉を閉めた。帰った後も心があったかいひとときだった。
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近ごろはお天気が良いとここで
ランチ食べよう、とリオが言うので
良くベンチに座ってごはんを食べる。
そして手入れに来ているメンバーと
おしゃべりをする。
BBQ はいつにしようか?
独立記念日はどうかな?
カルロスファミリーに声かけてみようか?
メンバーの1人、アラは全員分の畑に
丁寧にホースで水をかけている。
ホース使ったことある?教えるわね、
こっち来て!と手招きする。
この1年で人と会う機会が減り
誰かと直接会話することも
めっきり少なくなったコロナ禍で、
ここはその名の通りの「コミュニティガーデン」。
まるで“時のないホテル”のような
私にとっての、
NY的“時のないガーデン”なのである。
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