●素老日誌 2010.09.21.(リハビリ日誌 5日目)
●温かい刺激がいっぱい
昨日から、
母は自分の部屋から
皆さんがいるホールに出るようになった。
食事もホールで皆さんと一緒に食べる。
レモンのお仲間には、
母と同じ女学校を卒業している方もいらっしゃる。
昔の女学校を卒業した人というのは、すごい。
皆さん校歌を今だに暗誦できるのだ。
それも3番まで歌えるのだから、驚きだ。
(私なんか、一番も歌えない・・・)
学年が違っても、
女学校時代の先生の名前がいまだに出てくるし、
そのイキイキと話すこと!
彼女たちにとって女学校時代が、
輝かしい青春の時期であったことが想像できる。
その会話がレモンの里でもできた。
そこへもって、
母は、入院中『歌』だけに反応したぐらいの歌好き。
ホールにいると、
母の好きな歌を皆さんが歌ってくださるし、
母のために女学校の校歌をキーボードで弾いてくださる方がある。
何もないときには、静かな曲も流れる。
ホールの雑音、人の話し声、喧嘩の声、笑い声・・・
「豊吉さーん」と励まし心遣いをしてくださるスタッフの方々、
毛布をそっとかけ直してくださる気配・・・
母の状態に合わせて出していただけるバランスのよい食事
大きな画面の映像・・・
母は、目を瞑りながら、
足でリズムを取って唇を動かしている。
眠っているように見えても、
母の脳は、ずっと反応しているのだ。
ずっと感じているのだ。
脳の、心のリハビリに間違いなくなっている。
●前代未聞の決断
こんなことは、病院はもちろん自宅でも無理な作用であり、
グループホームさんならではの刺激。
認知症の母の心、脳にとても効果的な作用だと思う。
しかし、
グループホームは
「ある程度生活力のある認知症の人がサポートを受けて暮らすところ」
とされているために
脳梗塞で再発の恐れがあり、
半身動かない人が戻ることは、ほとんどない。
それが通常の話。
「脳梗塞を起こした豊吉さんを受け入れる」。
この決断は、並のことではない。
レモンの里には、感謝してもしたりない。
「母は、運がいい」。
それだけで終わらせたくない私がいる。