すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

行き詰まる前に 届きますように

2012-08-02 | 本の紹介

7月29日
「認知症介護で行き詰まらないために」
という講演会のお手伝いをさせていただきました。

主催は、「公益社団法人認知症の人と家族の会三重県支部」、
講師は、多賀洋子さんでした。

多賀さんは、「縁側の日」にも来てくださっています。

日頃から、京都弁でとっても優しくわかりやすく、
お話をされる方です。

実は・・・
多賀さんの2冊の本を皆さんに紹介したいと
私は、ずっと思っていたんです。

そこで、今日は本の紹介をさせてください。

●『ふたたびのゆりかご』(講談社)。
 『認知症介護に行き詰まる前に読む本』(講談社)

最初に出版されたのが、
『ふたたびのゆりかご』

認知症になったご主人と
笑い合えるようになるまでの日々が綴られています。

その後
進行し続けるご主人との生活にも限界がやってきます。

苦渋の末、
ご主人の入院・入所を決行されたものの
ふっきれない葛藤の日々。
施設のご主人とのつき合い方で心が定まったというところまでを
『認知症介護に行き詰まる前に読む本』にして、
昨年12月に発行されました。

ところが、
なんと発行の一週間後にご主人は急逝されたのです。

しかし、
彼女の話も本もとてもわかりやすいので、
もう今年の二月から8回も講演会の依頼に応えていらっしゃるのです。

● 本の仕上がりに感嘆!

縁側の日で
「2冊目の本を書いている」とお聞きしてはいましたが、
その内容には驚きました。

想像していた「『ふたたびゆりかご』の続編」
だけではなかったのです。

専門に近い見地と
経験者としての見地から、
心がけることが端的にまとめてあります。

多賀さんが認知症について、
よく勉強されていたことにあらためて感心しました。

しかも、文章教室で長く勉強されていたということもあり、
わかりやすいのはもちろん、
美しい表現で、ぬくもり、せつなさなど揺れ動く心情も伝わってきます。

「介護者も本人も少しでも楽になって、いい時間を過ごせるように」
という願いが、
2冊目の本になったのでしょう。

これは、「友人が書いたから」ではなく
本当にお薦めの本だと思います。

本を読んだ人から、
私にも嬉しいお知らせが届いています。

「父が認知症で、
父の介護に振り回されている母に読んでもらいました。

『お父さんは、病気なんやなあ』と、
やっと母が父の認知症を受け入れることができました。

そして、母が自分のしたいことをするようになりました」。

「本題」の通り、

行き詰まる前に、
この本が  届きますように。


 

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