北方領土問題でアホな発言をした丸山穂高衆議院議員が、非難の集中砲火を浴びて火だるま状態になっている。その「戦争発言」が常軌を逸していることは言うまでもないが、なぜ彼がそう発言するに至ったのかを考えてみよう。
丸山氏は、国後島調査団に参加したその前後に、次のようなことを学んだであろう。
●1945年8月、日本が降伏したあとに、ロシア軍が侵攻して島を強奪したこと。
●それから70余年、ロシアが日本の返還要求を拒む一方、住民を呼び込んで、ロシア領としての既成事実を積み上げてきたこと。
●ロシアの外相が「北方四島の帰属は戦争の結果であることを認めよ」と発言し、歴史の歪曲を迫っていること。
●ロシア人の住民が「戦争の結果で獲得した領土なんだから、まぎれもなくロシア領だ」と認識していること。
●こういう状況では、プーチン大統領は四島どころか二島さえも、返還したら国民の支持を失うこと。
丸山氏が国後島調査で得たものは、やり場のない憤りと閉塞感だったのではないか。その結果、北方領土返還の可能性がほとんどないことを認識し、それを「戦争」という異常な単語で表現したのではないか。しらふなら冗談で済むことだったが、酒の勢いでシリアスな表現になってしまったのではないか。
丸山氏は議員を続けても、次の選挙で落選することは間違いない。そこで、私は丸山氏に開き直ることを提案する。具体的には、
外国人特派員を集めて、「戦争発言」を詫びる。ただし、謝罪に加えて、ロシアの理不尽な所業(●印)を明らかにして、北方領土は日本固有の領土であることを改めてアッピールする。
その狙いは、北方領土は日本に返還されるべきであるという国際世論を形成し、そしてロシア国民に「返還やむなし」と認識させることである。
失うものがなにもない丸山議員がピンチをチャンスに変えることで、国益に寄与して名誉挽回につなげることを期待する。丸山氏がこの提案を実行すれば、世論も軟化し国会議員を続けることを容認するだろう。