最初はSAH

2000.11にくも膜下出血(SAH)発症。無事後遺症もなく生還。今興味あること:脳のこと,教育のこと,テニスのこと

くも膜下出血の症状を知る

2007-07-27 08:30:35 | くも膜下出血
岐阜のある病院の医師の方が、
7月1日、当ブログ記事「くも膜下出血発症時の症状 アンケート結果」
書いたグラフを開業医向けの勉強会で使って、
激痛で始まらないくも膜下出血も多くあることを発表して下さったとのこと。
この医師もご自身で、激しい痛みではなく、
救急車来院でないくも膜下出血患者を、何人も経験したとメールで書いて下さった。

少しでも多くの方、医師だけでなく一般の方に、
くも膜下出血の発症時の症状は知ってもらいたいと思います。

くも膜下出血は大部分が脳の周りの太い動脈に出来た脳動脈瘤が破裂して出血するわけですが、
出血は最初からよほどひどいものでなければ、いったん止まるわけです。(鼻血が自然に止まるように)
でも、止まってもその部分がとても弱くなっていますから、
また、出血する可能性は非常に高くなります。
だから、もう出血が起きないようにクリップで瘤の根元を挟んだり、コイルで瘤の中を埋めてしまうわけです。

出血が起きたら、まずその出血を最小限にする。これはそっと動かないで安静にすることです。
外傷でなく、頭の中の出血ですから、包帯を巻くわけにもいかず、そっとして止まるのを待つしかないわけです。
アンケートでもありましたが、激痛でなかった人でも、発症時はみなはっきりと感じています。
それは、皆さん言葉で書くのは難しいと言っていますが、
パシッ、グキッ、ジワーッ、ズンッ、ツーン等という頭や身体に感じる瞬間的変化です。
目や耳がなんかおかしいという感じを持つことも多いようです。
そして、ごく普通に話が出来ることも多いのです。
でも、その変な感じはすぐには治りません。
脳脊髄液中に出血があったため脳圧が上がって脳に刺激があるためです。
この最初の出血で、くも膜下出血を疑って安静を保ち、救急車で脳外科手術の出来る病院に運べば、
助かる可能性はうんと高まります。脳へのダメージを最小限にとどめることが何より大切です。
くも膜下出血〓ハンマーで殴られたような激痛、失神 などと思いこんでいると
せっかく、助かる命をなくしてしまうことにもなりかねません。

そうです!ここまでの判断や処置は医師でなく、本人又は周りに居合わせた人がしなければならないのです。
病院に着いてからは医師の腕にかかってきます。
しかし、どんなに名医でも病院に着いたときの状態が悪ければ、どうしようもないということは言えます。

脳卒中という言葉を聞くとバタッと倒れてしまうようなイメージを持つ人は多いと思います。
くも膜下出血は特にハンマーで殴られたような痛みと言われると、
「ウワーッ」「ギャーッ」「ウウッ」と言ってバタッと倒れるとかうずくまって失神するなんてイメージですよね!
でも、多くはそうではないのです。

脳卒中はどの程度、脳にダメージがあるかによって、命をそして後遺症を左右するわけです。
手術技法がいくら進歩しても、一人一人が最初の発症を知って,
いい状態で病院にたどり着かない限り、
その進歩した手術技法も生きません。

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コメント (13)
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